万能鑑定士Qの事件簿VII (角川文庫 ま 26-316)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043836482

作品紹介・あらすじ

純金が無価値の合金に変わってしまう"逆錬金術"の謎を追って、凛田莉子は有名ファッション誌のカリスマ女編集長に接近する。小説の盗作騒ぎから5億円のペンダント紛失まで、数々の事件を解決に導いた莉子の行く手に、最大の謎が出現した。沖縄・波照間島で育った無垢で天真爛漫な少女が知性を身に付け、いまやマルサにも解き明かせない秘密の真相解明に挑む。書き下ろし「Qシリーズ」第7弾。

感想・レビュー・書評

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  • カリスマ編集長の城ケ崎七海。こんな人の元で働くのは嫌だ。パワハラにも程がある。

    その編集長に認められる凛田莉子はすごい。自分が絶対できないことを、他を圧倒する実力で成し遂げていく物語は読んでて気持ちいい。

  • 万能鑑定士シリーズの第7弾。脱税疑惑を持つ雑誌『イザベル』の編集長・城ヶ崎七海への莉子による4ヶ月間の内定調査と延べ棒の逆錬金術事件を縦軸にその中で起きる小説の盗作疑惑やペンダント盗難事件などを莉子の見識を持って明らかにしていく物語。
    7巻までで過去最長の期間をかけたストーリーだが、その時間の経過を感じさせないテンポの良い展開がとても面白かった。この回のゲストキャラクターである城ヶ崎の冷徹さは仕事への姿勢に加えて、堕落した家族を養うために脱税にまで手を染めている所がもったいなく、本気で城ヶ崎にあこがれていた園部以下、仕事に見合う給料を払わなかった結果、罪を犯してしまった雲伊などにまで様々な部分に影響をもたらしてしまった所にもつながるところがとても切ないなぁと感じてしまった。その後の会社自体は売却されたものの角川が全社員と『イザベル』をやり直していった所は城ヶ崎の思いを最大限にくみ取ったのだと感じました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    小笠原悠人:寺島拓篤
    荻野甲陽:平田広明
    宮牧拓海:福島潤
    嵯峨敏也:井上和彦
    氷室拓真:緑川光
    城ヶ崎七海:田中敦子
    園部遥菜:上坂すみれ
    菊原琢磨:鳥海浩輔
    雲伊司:日野聡
    風峰颯太:浪川大輔
    高柳匠:千葉一伸
    須築倫太郎:茶風林
    横畑大和:小林親弘
    藪野稔:森久保祥太郎

  • シリーズ7作目。
    冒頭で莉子が大人気女性ファッション誌の編集長第二秘書として活躍している姿に驚かされます。
    万能鑑定士Qのお店はどうしちゃったんだ…?
    その疑問に答えるように、物語は少し時間を遡って語られていきます。

    小説の盗作事件に巻き込まれたかと思えば、かつて純金だったはずが価値のない合金に変わってしまった延べ棒の鑑定を依頼され。
    莉子の元に持ち込まれる個別の案件が、次第につながりはじめたあたりから、どんどん物語にのめりこんでいました。
    タイムリミットが課された聖夜の盗難事件から、畳みかけるようにクライマックスへ。
    物語の疾走感が小気味よかったです。

  • 莉子がファッション誌の会社に潜入し、プラダを着た悪魔のような経営者の秘書になる話。相変わらず面白くてたまらんシリーズ。どんでん返しはシリーズでは少なめだけど、登場人物達が魅力的でよいです。今回、よく登場する有楽町西武は今のルミネなんで、じつは結構前の話なんだよなぁ。

  • 鑑定ってよりトリック破りだね~香水評論家のダメダメ小説の盗作を見破った莉子はWeb雑誌に乗り込んだが、帰りに身柄を押さえたのはマルサだった。社主で編集長の女性が第二秘書を求めていたのだ。脱税している相手に金の地金を売り込むブローカーがいるが、金の地金は剥がれて質量だけが金と同じ紛い物だったのだが、被害を訴えられないのは脱税しているからだ。社主はなかなか尻尾を掴ませないが、年の暮れに不動産王から借りた5億のペンダントを入れたGPS付きの手提げ金庫が、第一秘書が目を離した隙に消えた。課長が念のためと二代借りていたのを利用した,すり替えだったのだ。犯人の男性社員は支払った給与額と受け取った給与額が違うと訴えている。功績が認められた莉子は第一秘書となり、ウォーターフロントの倉庫に社主と同行する~あと、5冊だろうか。軽くていいので、少なくても、もう一冊は読みましょう

  • 純金の延べ棒が合金に変化する?
    そんな不可解な謎に立ち向かうために、有名ファッション誌の編集部に潜入する。
    前半の香水鑑定士の件は必要だったのかな?

  • 純金が無価値の合金に変わってしまう“逆錬金術"の謎を追って、凛田莉子は有名ファッション誌のカリスマ女編集長に接近する。小説の盗作騒ぎから5億円のペンダント紛失まで、数々の事件を解決に導いた莉子の行く手に、最大の謎が出現した。沖縄・波照間島で育った無垢で天真爛漫な少女が知性を身に付け、いまやマルサにも解き明かせない秘密の真相解明に挑む。書き下ろし「Qシリーズ」第7弾。
    (2010年)

  • 今回も莉子の知識と機転が光る話だった。コミックスで読んで内容は知っていたから、犯人はわかっていたんだけど、想像よりあっさり描かれていた感じ。個人的に好きな莉子のおっとりした天然な部分が控えめだった気がした。

  • 今回はマルサから依頼されての潜入捜査。宝石泥棒にはがっかりだったけど、大きな詐欺が告発できた上に、罪には問われたけどきっと気持ちは救われたであろう城ケ崎社長と新天地で元気に活動し始めるイザベルの社員達にが思い浮かんでうれしくなった。盗作騒ぎではスカッとしたな。

  • 知識本+ミステリーこれこそ私の好みの本。楽しくお勉強できて、えっえっどういうこと!それからどうなるの?と考えて頭やわらかくするボケ防止にも役に立つ。
    8巻がまた楽しみ!

    金の延棒に脱税 むふふ 

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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