万能鑑定士Qの事件簿IX (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043836505

作品紹介・あらすじ

「これは贋作ではないか?」かつて、ルーヴル美術館で凛田莉子が『モナ・リザ』に抱いた違和感。その直感が、莉子の人生に転機をもたらす。37年ぶりに日本開催が決まった『モナ・リザ』展。そのスタッフ登用試験に選抜されたのだ!鑑定士として認められた、初めての大舞台。莉子はこれまで培ってきた全てを注いで合格を目指すが、『モナ・リザ』の謎が襲いかかる。最大の危機、到来!書き下ろし「Qシリーズ」第9弾。

感想・レビュー・書評

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  • 鑑定ができなくなった莉子。自分のアイデンティティであった鑑定力が失くなった時、自分には価値がないと思ってしまう気持ちは痛いほど分かった。

    それでも莉子に寄り添う小笠原君、そろそろ莉子にも気付いて欲しい。

  • 万能鑑定士シリーズの第9弾。
    第5弾で少しだけ登場したモナ・リザを主軸に置いた物語。今まで莉子の持ち味であった観察眼が一気に失われてしまうという衝撃的な展開が盛り込まれておりとてもハラハラしながらほぼ一気読みしてしまった。今までは助けられてばかりだった小笠原がピンチの莉子を助けに行くという展開も意外でケネスの思うとおり彼らの関係性は初期と比べて大分変化していると感じました。そして観察眼のトリックは至極単純だがじっくりと時間をかけて淡々と騙していったため騙されているという感覚に陥っているという自覚がなく、殆ど外界との交流を遮断していたために洗脳に近いことが起きてしまったのだと感じ、犯人の周到さが恐ろしいと思った。それがモナ・リザのほほえみに魅入られた人間がしたことなのだからとても恐ろしい...

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    小笠原悠斗:寺島拓篤
    葉山翔太:中村悠一
    荻野甲陽:平田広明
    宮牧拓海:福島潤
    嵯峨敏也:井上和彦
    宇賀神博樹:神谷浩史
    﨑沼隆一:柿原徹也
    雨森華蓮:日笠陽子
    天笠絢音:村川梨衣
    熊切比乃香:徳井青空
    オディロン・ボアイエ:宮野真守
    リシャール・ブレ:岡本信彦
    流泉寺里桜:水樹奈々
    リシャール・ブレ/ウラジミール・ツェネヴァ:小野大輔
    ケネス・アリンガム:土師孝也
    堰代延男:東地宏樹

  • モナ・リザが来日する。その臨時学芸員に選ばれた万能鑑定士の凜田莉子、一方、雑誌記者の小笠原悠斗はイギリス貴族のお忍び来日の随行に指名される。お話なんだから、この二つが関係ないはずがないと思うが、最初は何が何だか分からない。さて、モナ・リザを巡ってどう進展していくのか。なかなかよく考えられた話だと思うのだが、なんだろ、この松岡佳祐の小説を読むと感じる軽さは?うーん、表紙のせい?

  • モナリザが日本にやってくる。莉子がルーブルの課題をクリアするが、その鑑定能力を失ってしまう話。
    相変わらず途中の中弛みがスゴいシリーズなのですが、今回も何気ない事件や出来事が複雑に絡み合ってモナリザの贋作騒動に発展する。
    ちょいちょい角川書店の豆知識が出てくるのは面白い。エヴァンゲリオン賞のくだりは最高。

  • ふ~ん、都合が良いなぁ~ルーブルからのアンケートは美術館で見たモナリザの感想だった。本物には思えなかったと書いた莉子はパリに招待され、さらなるテストに合格して臨時学芸員候補になったが、東京に戻っても研修を受けねばならない。合格したのは女性2名で乃木坂の屋敷で、直感に基づく鑑定を徹底的に仕込まれ、本物のモナリザを使っての最終試験にも合格した。一方、小笠原は英国王室縁の一家の日本お忍び旅行に同伴を頼まれ、箱根でそれが偽物だと判明した。最終テストに合格した莉子は、普通の鑑定では失敗してばかり、知見が狂っているのだ。モナリザの瞳の中のLVの文字が脳神経に影響を与えたのだと考え、莉子は故郷に帰る決心をするが、小笠原は収監中の葉山華連に意見を聞き、莉子を連れ戻しに飛ぶ~モナリザの謎に挑む。簡単に知見が狂わされるのかなぁ

  • 映画化作品。

    何の疑問も持たずに読んでいたけれど、振り返ってみれば確かにあんな訓練はおかしい。でもあの訓練で人の能力を奪えてしまうなんて恐ろしい。
    莉子の能力がなくなり、このシリーズちゃんと続くの?と不安になったけれど、小笠原がなんだか頼れる男になっちゃっていて、素敵です。

  • コ、コーラの人が一矢報いた!えらいこっちゃ!打ち切りエンドなの?それとも次回作にて石打ち刑で死んでしまうの?「人が死なないミステリー」初の死者になるの?スランプ時の凜田先生は『魔女の宅急便』の飛べなくなったキキ見てるみたいでちょっと痛々しかった。田舎の馬鹿娘云々の自暴自棄なくだりはちょっと可愛い。俺も凜田先生に「やだってば!」と拒絶されたい!本筋は多少ご都合主義感否めないけど、十分楽しめました。雨森トリオはよ出てこい。あとコーラの人が凜田先生迎えに行く章のタイトルが「手は届く」っていうのがなんかニクい。

  • フランスに飛んだ際に抱いたモナリザの違和感から、日本で開催されるモナリザ展の臨時学芸員に選ばれた莉子。
    しかし、そのトレーニングの過程には、莉子を陥れる罠が…
    結局、モナリザ展の様子がほとんど描かれていないのが、ちょっと残念。

  • なぜかブクログでは9巻が10巻の表紙になっているので仕方なくこのまま記します。
    せっかくモナ・リザなのに…。
    やっと映画化された作品にたどり着いた!!(息切れ)

    今までの作品と今回の作品の違うところは、
    犯人追求のシーンで莉子の気持ちが描かれている点でしょうか。
    それまでは、犯人がどう言った経緯で犯行に及んでいたか、今の心情などがメインで莉子の気持ちがほとんど見えないように描かれていたと思うのですが。
    いつものは、冷静な莉子の感情的な部分が見え、また新しい展開だと思います。

    しかし、正直モナリザとは言え、もう少しトリックの展開に一捻りあってもよかったんじゃ……と思ったり。

    そして、まだ先は読んでいませんが、この作品が人間関係の大きなターニングポイント…となるのか(笑)
    一応事件簿シリーズはあと3冊なので、なんとか形になったものを見たいと思います。

  • 松岡さんの執筆スピードの早さよ…。新たなシリーズのはじまりで美女が謎解く映画化もされたエンタメミステリ。謎の魅力、キャラクター小説としての完成度等、よく分かっていらっしゃる。これからも続くシリーズ、大切に読んでいきたい。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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