グラスホッパー (角川文庫)

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2007年6月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043849017

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グラスホッパー (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 妻を殺された元教師・鈴木。彼は犯人である寺原長男への復讐を目論み、寺原の父親が興した企業・〈フロイライン〉で契約社員として働いていた。
    しかし長男は彼の目の前で、何者かに車道に押し出され事故で死ぬ。
    “押した”男を追う鈴木は、そのまま郊外の一軒家に辿り着く。そこには男の家族と思しき妻と、二人の幼い男の子。
    鈴木はその家庭に、家庭教師の営業として売り込み、上がり込み、男――槿(あさがお)の正体を探っていく。亡き妻の数々の言葉に背を押されながら。
    また、長男の事故現場に居合わせた殺し屋たち――ターゲットを自殺に追い込む鯨。ナイフ使いの蝉。彼らもまたそれぞれの理由を胸に“押し屋”とその行方を知るはずの鈴木を追い始める。
    迷走する鈴木の復讐劇と交差する殺し屋たちは、いったいどこへ向かうのか。


    「動物にね、『どうして生き残ったんですか』って訊ねてみてよ。絶対にこう答えるから。『たまたまこうなった』って」

    人間でありながら虫のように、純粋な生き物そのもののように、当たり前に殺し、殺される『殺し屋』たち。一線を越えたその先で生きる彼らにも、しかしルールはある。
    女性であろうと子どもであろうと、標的であれば、そして同業であれば。言い訳無用、手加減無用。
    人としての道を踏み外しながら、言ってることは不思議と至極真っ当で生真面目ですらある彼らは非情で、しかし魅力的。
    変わらない信号と、いつまでも途切れない回送電車の幻覚。たった一日分の悪夢のような物語。

  • ‹内容紹介より›
    「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。スズキは正体を探るため、彼の後を追う。
    一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとにー「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感あふれる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!

    ーーー
    伊坂幸太郎は、以前『ゴールデンスランバー』を読みかけて途中で断念して以来、"苦手"な作家だと思っていましたが、「殺し屋」作品の新作が出る、ということで1作目の本作を読んでみました。
    想像していたよりも読みやすく、他の作品も読んでみようかな、と思います。
    今作では心理描写や、それぞれの「殺し屋」の殺人の場面などが生き生きと描かれていましたし、ストーリー展開もスムーズで、読みづらい部分もありませんでした。
    ミステリが好きな人であれば、苦労なく読める作品だと思います。
    ただ、殺し屋たちの「罪悪感」というか、葛藤?のようなところからくる"幻覚"の位置づけが少しわかりにくかったかな、とも。

  • 地球に昆虫って100万種類いるらしいです。
    生息している数じゃないですよ、種類です。
    そして毎日のように新種が発見されていて
    本当は1000万種類くらいいるんじゃないのか?
    といわれているそうです。
    すごいですよね。
    でも人間も本当におんなじ人間なの?
    っていいたくなるなるような
    自分とはかけ離れた人間もいますね、
    良い意味でも、悪い意味でも。
    で、このグラスホッパーという小説は
    そんな、えっ、こんな人いるの?
    とついつい言ってしまいたくなるような
    強烈に変で魅力的な悪人たちと
    作中、ただ一人だけの普通人による
    ハードアクションノベルです。

    これは伊坂さんの結構前の作品なんだけど
    確か途中でつまらないなあと思って
    読むのを中断した記憶があります。

    ところが今回オーディブルに朗読版が登場したので
    試しに手を出したら大変なことになりました。

    めちゃくちゃタイムイーターです(笑)

    本だと多分3時間くらいで読める長さだと思うんだけど
    この朗読版は10時間です、長すぎる!
    だけどはまっちゃいました。
    あまりの臨場感の高さにやられちゃいました。
    物語世界の中に引っ張り込まれちゃうんですよね。

    もう、伊坂幸太郎を朗読で聴くって凄すぎる。
    基本セリフがかっこいいですからね
    伊坂さんの作品は。
    「本当に大事なことは、小声でも届くものだ」とか
    「世の中の不幸の大半は、誰かが高をくくっていたことが原因なんだってば」みたいな。


    そして声優さんが素晴らしいのか、
    聴いてて臨場感が半端ないんですよ。

    映画観るよりも朗読のほうが
    物語の中に引っ張り込まれる力は強いなあと
    いうことに気がついた一冊でした。
    この作品、クライム系苦手でなければ
    是非朗読版をお試しいただきと思う傑作音声です。
    2016/12/11 21:19

  • 災いは突然やってくる

    でも僕(たち)は”それなりに”頑張るしかない

  • スピード感のある展開。暴力的な空気。行き着く先が見えないストーリー。
    「鈴木」「鯨」「蝉」の三人が交差しあいながら進んでいく流れは伊坂さんらしい。
    とにかく、主要人物である三人が魅力的だ。
    暴力とは無縁の人生を送っていたはずなのに、妻が殺されてからは復讐者となっていく鈴木。
    一気に極端へ走るくせに、しっかり計画して動いているかというとそうでもない。
    自殺専門の殺し屋「鯨」は、いつも自分が自殺させた人間の幻覚を感じている。
    亡霊たちに話しかけられ、現実と幻覚との境界がどんどん曖昧になっていく。
    身体能力の高さを活かし、ナイフを使って殺しをする「蝉」。
    仲介者を通して仕事を請け負っていたが、トラブルに巻き込まれ仲介者は消されてしまう。
    「鈴木」の復讐相手である寺原Jrが「押し屋」に押されたことで、彼ら三人の道は徐々に交差していく。
    それぞれの視点で語られているところもいい。
    内容的にはかなりハードな場面もあるはずなのに、妙に血の匂いがしない。
    ただ、時間が積み重ねられ、その中を登場人物が動きまわっているのを眺めているような感覚だ。
    独特の世界観に自然と引き入れられ、強烈な個性を持つ登場人物たちが次にどんな行動をするのか、共感するわけでもなくただ待っている。
    物語の終わり方も好みだった。
    あっけないと思う人がいるかもしれないけれど、「そうか、こう終わるのか」という面白さを感じた。

  • 読書が好きな人でも、読書が苦手な人でも楽しめる小説。
    それが伊坂幸太郎の作品だと思う。

    歯切れよい気持ちの良い文体は人を選ばない。印象的なセリフ回しや映画や音楽からの多彩な引用。それにより個性際立つ登場人物たち。得意とする群像劇での各々のキャラクターへのリンクの巧みさ。どれをとっても質が高く、楽しめる。
    読書は娯楽であると再認識させてくれる作家のひとりだ。

    このグラスホッパーでは、暴力的な描写も度々描かれる。
    登場する人物のほとんどが「殺し」に関係しており、主人公が所属する会社も「非、合法的」な存在だ。
    それでも、作者が描く暴力的な描写には、不思議とグロテスクさはあまりない。殺されること=死が、かえって物語に活力を与えるような、そんな感覚さえ覚える。ひとつひとつの現象を観察するように丁寧に描くことで、逆に現実味が薄れ、リアルから解放されるような奇妙な心持だ。

    ストーリーではタイトルである「バッタ」について語られる件から、いっきに加速する。
    いつものように読者は裏切られ、予測不能なラストへと収束する。この作者に裏切られることは読者のカタルシスであり、一読したファンを離さない要因なのだと思う。

    「神様のレシピ」という伊坂作品共通のフレーズも登場し、これまでの作品を読破してきた読み手への配慮も嬉しい。
    底抜けに楽しめるエンタテインメント、とまでは言えないが、作者がこれまでとは異なる試み(筆致)で、これまでと同じような世界観を構築しようという意欲は窺える。

    これまで通り、読後感は満足感に変わる優れた一品。

  • またまた会社の方からお借りした本。
    特に読みたかったわけではないが、貸してくれたので読んだ。それだけ。

    伊坂幸太郎さんの作品は何故かどうも苦手。

    しかしこの本は何というジャンルなんでしょうね?殺し屋さんたちが殺しあう物語!?

    罪と罰を先に読んでおくと、少し余分に楽しめるかもしれない。

    文章は軽快で、あっという間に読み進められる。
    何とも感想の書きにくい、今まで読んだことのないような話だった(笑)

  • とにかくハラハラした。
    何度、ネタバレを見て安心しようと思ったか。

  • 面白かった!続編のマリアビートルから先に読んだけど、本作の方が好きかな。

    「人間の知恵だとか科学は、人間のためにしか役に立たねえんだよ。人間がいてくれて良かった、なんて誰も思ってねえよ、人間以外はな」

    殺し屋、蝉の台詞。この思慮深い台詞を若い殺し屋に言わせるあたりが伊坂さんらしくて痛快。

    他にも、伊坂さんらしい神の視点が散りばめられていて非常に読み応えのある作品に仕上がっていたと思う。

  • 殺し屋が殺しあう話。自殺屋の鯨が言う「人は皆死にたがっている」にはなるほどと思うところがあるが、これは日本人だけの感覚かな?

  • クジラやセミがなくなってしまったのは残念でした。

  • 友人に薦められて読んだ。
    人が死ぬ場面の描写がいくつかあって、苦手な分野だけど、キャラクター設定は興味を持った。

  • フィクションとわかっていても、どこかにこんな業界が存在するのかと想像したら、不謹慎ながら少しワクワクした。

  • グラスホッパー (角川文庫)
    著者:伊坂幸太郎


    過去、妻を殺された『鈴木』
    依頼を受け人を自殺に追い込む自殺屋『鯨』
    ナイフを使う殺し屋『蝉』
    そして押し屋と噂される人物。


    復讐の為に殺した男が所属する非合法を生業とする会社に入る。
    そこで仕事をしている途中に突然復讐を果たすべき男が突然車に轢かれる。
    事故のようにもみえたが、不審な男が現場から離れていく。
    それが『押し屋』とされる人物かどうかを確認するため尾行するところから物語が始まっていく。


    この小説の面白いところは色々あるが、まず、それぞれの殺し屋のキャラクターが非常に個性的で際立っている。


    殺し屋が複数人も登場しそれぞれが場面ごとに主観的、交差しながら切り替わっていきテンポ速く物語が駆けていく。


    殺し屋やそれらのシーンの描写があるか無感情に客観視されており目を覆いたくなるような事はない。


    それよりもどんどんと引き込まれていく。
    それは登場人物が個性的で、かつ軽妙な会話、そして内容が面白い。


    そして物語が後半に向かうにつれてそれぞれの登場人物が対峙していく。


    過去映画化もされているが観た事はない。
    しかし小説を読んで映画も借りて観てみようと思った。

  • 「マリアビートル」以前の話。

    先に「マリアビートル」を読んでしまっていたけど、全然問題ない。
    むしろ、「あぁ、槿(あさがお)って、ここで出てきてたんだ」とか、「鈴木の経緯はこんなことだったんだね」と、ちょっと感慨深い。

    相変わらずとんてもないストーリー展開と、会話の妙、思いがけない伏線など、楽しみは尽きないのだが、一番ビックリするのは、ミステリー調ではなくて、ちょっと強引だけど、スラップスティック調なのに、何となく納得してしまうところ、なのかも。

    でもちょっと、今回の話は物足りなかったかも。

  • 殺し屋の癖に魅力ありすぎ、、面白い

  • 推理小説以外での殺人は読んでて疲れることが分かった。
    実は途中でストップしちゃった。
    映画があるそうなので、そちらで再チャレンジしたい。

  • 嫌いな系統で読むのを止めようかと思いながらも3日位で読了。もう読むことはないけど、読み出したら先が気になって途中でやめられない本。女性にとって一番残酷だと思われる一文があり、頭から離れない。どうしてここまで残酷な事が考えられるのかと、辛すぎる。私がこの内容を忘れられますように。誰も世界中の人がそんな苦しい思いをしませんように。妻を殺された鈴木という元教師が、復讐をしようとしたのに先を越される話。そこから意外な展開が繰り広げられるのはさすがだと思う。いくら危ない状況にいても、多分大丈夫だろうと思うもの。危険は段階を踏んで訪れると思い込んでしまう。肺癌になると言われても、タバコをやめないのと同じ。」「自分の目の前に、敵の兵隊が立ちはだかっても、戦争の実感は沸かないかも。」「世の中の不幸の大半は、誰かが高をくくっていたことが原因」後悔先に立たず。心配しても仕方ないと考えるのではなく、子ども達には慎重に生きて欲しいと思う。

  • 201701
    伊坂幸太郎らしい群像劇

  • 初めて伊坂幸太郎を読んだ。入っていけなかった・・・残念。どなたか伊坂幸太郎のオススメ教えて下さい。

  • 2017.01.15
    それぞれの人生がバラバラに平行しながら進んでいき、いつしか重なり合い同じ時を共有する。いつもの伊坂ワールドですね。映画を先に観ているせいか、ついつい読みながら映像がクローズアップされ、文章に入りきれなかった感じがします。映画が良かったかな。

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「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに-「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。

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