美丘 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043854028

作品紹介・あらすじ

美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた…平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のぼくは大学2年生の橋本太一、ある日峰岸美丘という自由奔放な女性に出逢う。太一は麻理という誰が見ても素敵だと思うであろう女性とつきあってみて、はじめて美丘へ抱く恋心に気づく…。太一は麻理に別れを告げ美丘と結ばれるが、子供のころ交通事故で移植手術を受けたことにより、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性がある…もし発症した場合は脳がスポンジのようになり歩行障害からはじまり記憶障害、日常生活が送れなくなり、最期には食事もとれず息もすることもできなくなるという…。どうあろうとも2人でこれからも過ごしていこうと決意したが、不幸にも美丘が発症してしまう…。

    「…生きていることは奇跡で永遠に続くものではない。…命には終わりがあるって頭ではわかっている。でも心と身体の底から限界を感じているのはわたしだけ。…この世界ってきれいだね。」この美丘の言葉…美丘だからこその感じ方なんでしょうね!

    美丘を支える太一が健気で献身的…美丘も当たり前なんだけれど発症前と発症後では全く違う印象が異なる…ラストが切なすぎて、心が震えました(泣けはしなかったけど)…。

  • ドラマをみて買った一冊。読むのは約10年ぶり?
    初めて読んだときボロボロ泣きましたが、今回も泣けた。
    切ない話だけど、暗く悲しいというよりは清々しい切なさ。

    今読み返しても吉高由里子の美丘はハマり役だったと思います。

    • あやみさん
      あきさん、こちらこそリフォローありがとうございます。
      切ないお話ですが、ただ悲しいだけのお話ではないのでおすすめです^ ^
      あきさん、こちらこそリフォローありがとうございます。
      切ないお話ですが、ただ悲しいだけのお話ではないのでおすすめです^ ^
      2020/06/01
  • 涙でぐしゃぐしゃになった。明日は確実に目が腫れる。
    美丘の精一杯生きる姿とそれを支える太一に本当に勇気をもらえる。もっと精一杯生きていきたいと思った。
    2人のドラマチックな生活に溢れる一つひとつの振る舞いが、優しくて温かくて、自分とも重ね合わせて、心がじんわりとした。

  • 切ないね。

    自分のラストはどうなるか?
    関わった大事な人に、
    ありがとうって言えたら良いな。

    • かなさん
      キョーさん、こんばんは!はじめまして。
      何度か、いいねのやりとりをさせて頂いておりましたが、
      キョーさんの本棚には、
      私がこれから読み...
      キョーさん、こんばんは!はじめまして。
      何度か、いいねのやりとりをさせて頂いておりましたが、
      キョーさんの本棚には、
      私がこれから読みたいと思っている作品が多いので、
      フォローさせて頂きます。
      今後、よろしくお願いします。

      この「美丘」ものすごく切ない作品でしたよね…
      最期をどう迎えるか…考えさせられました。
      2023/01/24
  • 「泣ける」って聞いたんやけど…
    余命もの の王道って感じですね。
    '90年代のトレンディドラマのような雰囲気に、2000年代 のケータイ小説のハイブリッド 作品

    主人公が語る 美丘 との思い出が季節毎に語られて…
    最後ゎ……

    石田衣良 作品だから読めたかな?って感じでした。

  • 切ないねえ。

    渋谷で記憶を無くした老女がきみに言ったこの言葉が全編を貫く。
     この人はほんとうにいいと思ったら
     その人を絶対に逃したらいけませんよ。
     そういう人は一生にそう何度も出会えるというものじゃないの。

    恋愛小説としての切なさが良かったので★4つ。

  • 美丘に感情移入してしまうと狂いそうになる。。

  • いつか発症する不治の病。
    そして、発症してしまったために起こる症状。
    見えてくる命の期限。
    その中で、自分らしく生きること。
    不安を抱きながらも恋をして、愛する人と共に強く生きていく姿が描かれていて、感動しました。

  • 出会い、輝き、火花をあげた日々、そして終わりへと向かう切なさ
    まるで花火のような物語

    ひとつ違うのは、残された人が感じる強烈な余韻

    周りを気にせず、今を精一杯生きて、光を放ち続ける美丘とそっと寄り添う優しい太一。
    健気な二人の姿
    きっと二人が見ていた世界は何よりも美しいだろう

  •  人物描写がとても魅力的な本だった。美丘以外は主人公も含め凡庸で、特に直美なんて空気レベルで数合わせのようで可哀想だが、美丘は確かにいきいきとしており頁を進めるごとに彼女に惹かれていく太一に共感できる。
     あらすじは、美丘に太一が惹かれていき交際を始めるも、彼女は不治の病に侵されているというありきたりなもの。しかし、ありきたりな設定でこそ著者の力量が試されるもの。結末は予想できても涙が溢れた。戸田恵梨香が出てた若年性アルツハイマーのドラマを観ていた時も感じたが、どんどん自分が自分でなくなっていく恐怖は計り知れない。ちゃんと約束を果たした太一の深い愛情に胸を打たれた。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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