サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043860012

感想・レビュー・書評

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  • これはメチャメチャ楽しい。破天荒な父一郎に翻弄される家族。しかし、ブレない、群れない、日よらない最高の男。「おとうさんを見習うな。少し極端だからな。けれど卑怯な大人にだけはなるな。立場で生きるような大人にはなるな。」また、母のさくらが最高。「人として何ひとつ間違ったことはしていない。唯一常識からはずれたとしたら、世間とあわせなかったことだけ。世間なんて戦わない人を慰めるだけのものよ。」自由でおおらか。沖縄かぁ。温暖で海も陸も食うに困らないから人がおおらかな理想郷だな。

  • 2018.8.11
    上巻たまらんー!
    下巻が楽しみ過ぎる
    別れは淋しい事ではない、出会えた結果のゴールだ
    過去より未来の方が遥かに大きいとおセンチしてる暇はない

  • 奥田英朗はどんな内容のを書いても面白い。こんなお父さんがいたら大変だなぁ。

  • 痛快!爽快!
    こんなに楽しい物語を読んだのはいつ以来かな?
    上下巻合わせて600p超のボリュームを一切感じさせない傑作。
    物語のスピード感、展開の意外さ、スケール感、そしてムチャクチャながらも愛すべき登場人物たち。
    紆余曲折を経てたどり着いた地で改めて問われる家族の絆。
    父親に振り回される少年が逞しく成長してゆく過程は「北の国から」を彷彿とさせ、タッチは軽いながらも色々と考えさせられる、実に奥深い物語でした。オススメ!

  • 中高生の甘酸っぱい感情や繊細な気持ちの移り変わりを等身大の表現で書いた本は多いが、この本の上巻の主人公は、小学6年生の男の子(二郎)。

    サザエさんと同じで、年が大きく離れた姉に小学4年生の妹がいるが、一番の違いは左翼の父親がいるということ!(しかも名前が一郎)

    ぶっ飛んだ父親に担任の新米の女教師。そして仲間達。中学生の不良達とのくだりは素晴らしいと思う。

    小学生と大人の間には相入れない領域がある。
    大人の世界に首を突っ込んではいけないし、不良達から逃げたいと思っても大人には助けることができない。
    中高生のように大人の領域に移ろうとする手前だからこその世界観が感じられて懐かしい。

    舞台は中野から下巻では沖縄に。
    下巻も楽しみ。

  • 『僕は革命家になれるのか』

    とんでもなく面白い。12時に読みはじめて4時までノンストップで上巻を読了。娯楽小説家だと思っていたけれど、コミカルでありながら、シニカルであり、奥田英郎の真髄を垣間見た気がする。兎に角好き嫌いがあるとは思うが、僕は好きな作品である。

    下巻に進みたいが翌朝まで置くことにする。

  • 面白い!

    いつもオチが納得いかず星4つ止りだけど上巻ということで起承転結の“起承”あたりなので非常に楽しく読ませて頂きました。

    『オリンピックの身代金』の前なのか後なのか知らないけどマルクスがどうのとか、共産党だとか、ブルジョアだとか、プロレタリアだとか、奥田英朗はそっち系の人?

    お父さんが良いキャラしてますね。
    警察にも右翼にも新聞社にも一目置かれていて空手の達人ってのがカッコいい。

    貧乏だと思ってたら実は実家は金持ちだった、とかも面白い。

    下巻に期待です。

    ストーリー
    小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。誰が聞いても変わってるという。父が会社員だったことはない。物心ついた頃からたいてい家にいる。父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、よその家はそうではないことを知った。父は昔、過激派とかいうのだったらしく、今でも騒動ばかり起こして、僕たち家族を困らせるのだが…。―2006年本屋大賞第2位にランキングした大傑作長編小説。

  • 最初からグイグイ引き込まれ、どんどん読んでいける!

    不良に絡まれて、どうやって切り開いていくのか? ここは小説だけの裏技を使ったけど、自分でも戦って勇気があった。
    自分の足で進んでいる。

    自分の息子も、こんな友人ができ、前へ進める人生をおくってほしい。

    ほんと、軽快、楽しい、わくわくどきどきだ!

    読んで良かった。

  • これは面白かった!
    元極左活動家でカストロと友達だと嘯く父親をもつ小学5年生が主人公。上巻の舞台は中野。悪質な不良中学生の恐怖、父親と学校の関係、両親の過去と突然現れた親戚などに悩まされつつ、常識的な子供生活を送ろうとする少年の非日常的な日常を描いた作品。子供心や過激派の内情などがリアルに描かれつつ、まったく暗い感じにならないところが秀逸。

  • これとっても好きな本です。
    上巻、下巻でちょっと雰囲気変わりますよね。私は下巻のはちゃめちゃ具合が好きですね。

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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