サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

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著者 : 奥田英朗
  • 角川書店 (2007年8月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043860029

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サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)の感想・レビュー・書評

  • 下巻です。
    そう、下巻を読んだんだよねー。
    上巻と場所の設定が違うので、別の本を読んでた気になってた。でも、上巻から続いている長編。
    普通の長編よりも何だかお得な感じ。(笑)

    西表島には行ったことないけど、沖縄には3年住んでたことがあるので、読んでてあの沖縄の感じをいっぱい思い出して、幽体離脱したような感覚で読めた~。
    ああ、ちょっと帰りたくなったな~。

    どこの国にいても、その国の法律の元で生活をするのは義務であるのだけど、その前にその土地の歴史や仕来り、言い伝えを大事に、型に染まらない人間になることを忘れちゃいけないのね。
    二郎のおとうさんは、ホント極端だけど、人間がいかに人間らしく生きていくか。そんなことを考えないさせてくれた。

    二郎の両親が自分の子供たちを残して去ってしまうとこは、ちょっと信じがたかったけど、おとうさんとおかあさんの生き方は正にアカハチの生まれ変わりみたいだと最後納得した。

    この本を読んで、自分に羽が生え、自分も西表島の住人になったような感覚で読めた。
    読み終った今、自分が現実の自分の世界に戻ってきた感じ。

    面白かったー。

    それよりも、御嶽どうなったのかな~。

  • 最高に面白かった。二郎目線で進む物語は爽快でテンポよく、くすっと笑ってしまう。その中にも、二郎をはじめ子供たちの成長がしっかりと見られ、父も母も生き生きしてくる。最後には家族が絆でしっかりと結ばれた。想像を越えたあり得ないストーリーなのに、非現実感を感じさせない、綺麗事で終わらない、なのにほんわか胸があったかくなる。奥田英朗ファンになってしまった!!

  • 沖縄本島から石垣島へ渡り、そこから船で行った先にある西表島に一家で移り住む事になった二郎。簡単に東京に逃げ帰ることすら出来ない場所で、電気もとおっていない廃墟で、父は田畑を耕し始め、更には学校にも行く必要はないという。

    ずっと一緒だった友達もいない、家族と島民との暮らしの中で家族の形が少しずつ、且つ、極端に変わって行く。

    変わり者の父と、二郎と、家族の物語。



    上巻はふせんがいっぱいで、この家族どうなっちゃうんだろう!?
    と不安でいっぱいでページがどんどん進むのですが、
    下巻はもうそういうの超えてこの家族どこまでやっちゃうんだろう!?
    と期待でいっぱいでページが進みました。

    本当極端で、こんなオヤジ無理!!!と初めは嫌いでしたが、下巻は信念を持って自分の正しいと思う事を見極める父の姿が本当にかっこいい!!

    モノの見方・考え方・立場によって正義の定義は異なるし、何が正解で何が間違いかなんて、その人が決めればいい事だな。と改めて考えさせられた。

    あの父親の様に極端にはなりたくないけど、心に残る素敵な言葉が沢山です。

  • 主人公は小学6年生の長男「二郎」。
    元過激派の父が繰り広げる様々な騒動が描かれてる。
    この父親、言っていること・やっていること、すべて滅茶苦茶・・・
    でも、すごくカッコイイ!!
    何故かって言うと、一本図太い筋が通っているから。
    僕がとても共感した父の台詞、
    「革命は運動では起きない。個人が心の中で起こすものだ。」
    「集団は所詮、集団だ。ブルジョアジーもプロレタリアートも、集団になれば同じだ。権力を欲しがり、それを守ろうとする。」
    「個人単位で考えられる人間だけが、本当の幸福と自由を手にできるんだ。」
    映画を観に行きたくなった

  • 沖縄に住みたくなる。
    何もない生活は何もかもある生活より自由だろうなぁ。

  • この一家の父ちゃんは、いち保護者としてはほんとにどうしようもないんだけど、こんなセリフを言って実際に行動を起こしちゃうから許せてしまうんだなー。

    奥田さんの小説に出てくる人たちは、みんな真っ直ぐに自分自身に人生をかけてるって感じがする。
    人間として懸命に生きる。
    やっていることや状況は違えど、みんな生の輝きを熟知しているようにみえる。
    バカボンのパパ的な「これでいいのだ!」っていういい意味での開き直りが心地よい。

    今、いじめや暴力を受けた時、子どもがまっさきに親や先生に頼るなんて言語道断というようなお話って溢れている。結局死にそうになるまで誰にも言えなかった……みたいな。

    チクったら倍にして返される、大人に頼ったら卑怯という、なんでしょう子ども界の了解のようなものが世の中にまかり通っているからだよね。
    この小説はそれを覆したのが良かった。
    卑劣なことをされたら少々卑怯な仕返しをしたって大丈夫なんだぞ!と子どもに教えておく父親なんてそうそういない。でもこの一家の「おとうさん」は闇討ちしちまえなんて助言をする。
    しまいには、優しいおじさんが、ヤンキー(敵)の腕をボキッとやっちゃってくれる。

    まあそれが正義なんてことにはならないので、手段は別として、もっと子どもに逃げ場があることを教えた方がいいのかな、なんて思う。
    圧倒的強者に直面した時は大人を頼りなさい。自殺なんかするまえに一緒に地の果てまで逃げちまおうぜと。

    ほんとに二進も三進もいかなくなったら逃げたっていいと思うし、それが負けではないんだと思う。


    このおとうさんも、結局革命は諦めて、孤独に自分の信念に従うを決めている。
    自分勝手な生き方だけれど、こんなふうに生きることができればどんなにすがすがしいだろう。

    物語は無政府主義、反国家、自由を求める超過激なおとうさんを持つ息子の話(主に)。
    自由ってなんなのだろう?と考えると、とどのつまりそれは国家に屈しないことでもなく、税金を払わないことでもなく、心の在り方なんだと思った。

    理想っていうのはハナから現実的ではないことなんだから、結果的に現実にならなくても悔やんだり蔑まれたりすることではない。
    価値は結果ではなく、いかに素直に理想を語り、自分の正義に見合った行動をできるかで決まるのではないかとも思う。

    最終的にこの一家は自由と結束を手に入れる。
    うん、素晴らしい。それでいいんだよね。

    私は自分の考え方が右翼に属するのか、左翼に属するのか思案することがあるけれど、
    この本を読んだらそれがバカバカしくなった。
    ゼミのおかげで首尾一貫した姿勢を持たなくては!って肩を張ってたけど、よく考えると常にどちらか一方の意見に賛成していくのなんておかしいや。
    好きなものは好き、嫌いなものは嫌いでいいじゃないか!精神的な話ぐらい!と開き直ることができた。

    思想とか国家とか体制とか共産主義とか、いろいろ突っ込んではいけなそーなシリアスな内容を
    扱いながら、ここまで朗らかに後味良く終わらせる奥田さん、やっぱりすごい!
    とっても考えさせられたし、とにかく西表島に移住したいと思わせる小説でした!

    ちなみに一番この小説の中で強い精神の持ち主は二郎くんだと。
    だって私、あんなお父さん持ったら早々にオルグされてるわ☆(笑)

  • 自給自足の生活。
    西表島で、電気通らず、水通らずの、元廃墟で生活をすることになった二郎達。
    島の人たちはみんな親切で、ユイマール精神で生きてる。
    楽しそうだな、って思う。
    いいなあ。
    都会の人間みたいに
    見下したり
    自慢したり
    嫉妬したり
    しないで生きている、いいなあ。
    平和だなあ。
    最後の最後まで抵抗していたお父さんとお母さん、
    もういいじゃん、退いて家族で平和に住めばーって思ったけれど、
    自分の信念をあそこまでして貫いたことが自分にはないということに気付いて、この人たちはすごいぞ!と思った。
    例え孤独になっても自分が正しいと思うことを貫ける人がこの国にはあまりいない、と思う。
    「浮く」とか「仲間外れ」とか。
    みんなで協調するってことにはいいこと、悪いことがあるんだな。
    『人の物を盗まない、騙さない、嫉妬しない、威張らない、悪に加担しない』
    社会の、皆の、物差しで価値を決めるような人間にはなりたくない、と思う。強く。難しいけどね。
    「晴耕雨読」の生活ができたらなあ、いいなあ。
    できないこともないのに、学校が、成績が、とか考えちゃうあたしもこの国で生きる一人。

  • 沖縄に移住した上原一家は、廃屋をリフォームしたり村人達にいろんなものをもらったりしながらのんびり暮らしてて、これが続くのかと思ったら、リゾート開発絡みで大立ち回りに。
    何故か東京に残ったはずのお姉さんまでやってきて、すっかり馴染んでる。
    どうしようもないと思っていたお父さんが徐々に格好良く見えてくる不思議。……うん、そばに居るのはキツいけど。

  • 上巻での評価と打って変わって主人公の親父である上原一郎が
    とても生き生きしていてちょっとだけ好きになりました。
    中でも印象に残ったのが
    「世の中にはな、最後まで抵抗することで徐々に変わっていくことがあるんだ。奴隷制度や公民権運動がそうだ。
    平等は心やさしい権力者が与えたものではない。人民が戦って勝ち得たものだ。
    誰かが戦わない限り社会は変わらない」
    と息子に向かって語るところ。
    はっきり言って今の平和な世の中で左翼的な発言なんかは暑苦しいし
    何都合の良いことや理想論を言ってんだよと思うことが多いのですが
    今ほど平等な社会ではなかった時には現代のような世界を夢見て
    権力と戦った人達がいたんだなぁと今更ながらに思わされた一言でした。
    そして俗に環境左翼と言われている人たちを揶揄する
    「内地の人間が勝手に南の島に憧れ、自分探しで環境保護運動をするのは
    迷惑な話だ」というような表現も的を射ていて納得出来ました。

    最後は何となくさびしい終わり方ではありますが上巻では何となく蚊帳の外だった
    主人公の姉も含めて一家が団結していくところは目頭が熱くなりました。
    思っていたのと少し違う作品でしたがとても楽しめました。

  • 再読。
    下巻のほうが断然面白い!
    ついに家族は西表島へ。東京暮らしは便利だけど、人間らしく自然に生きていくには南の島は良いのかも。ちょっと破天荒だけど、お父さんが愛おしくなってきた。そして上原一家もまとまった感じ。家族ってあったかいね。
    年金とか保険とか、当たり前のように払ってるけど、そもそも「国民」って何よ?と思えてきた。

    あれ?映画観たっけ。トヨエツお父さん、見てみたい。

  • この作品のお父さんほど偏った思想にはなれないけど、自由に生きる姿を羨ましく感じたし、格好よかった。
    物語の展開を楽しむのと同時に、これからの生き方や日々の生活について考えさせられて、いい読書時間になった。

  • 2016.4/26〜28。上巻では中野、下巻では舞台が西表島に移る。破天荒で反社会的な父の印象が、二郎とともに変わった。二郎も中野編では平凡な小学生だったのに、島に来てからはもっとたくましくなった。島のゆいまーる精神が良い。本物のスローライフとはこういうものなのかも。

  • 型破りな父親と、おませな小学生の話。

    少年Hのように、主人公の少年視点でストーリーが進む。
    上巻の不良カツとのやりとりや、大人に頼れないといった視点は、男の子ならではだと感じた。
    四ッ谷の親戚や、島の人がみんないい人で、癒された。

    姉と母が上巻と下巻でキャラが変わってきた気がする(野生化してきた)が、自然近づいただけなのかも。

    さすがは奥田作品というこで、テンポよく読めるが、
    最後ちょっとグダグダになったのが残念。個人的には、不法で済むのはアウトだと思う。。

  • 型破りな父親に翻弄される家族のはなし。

    現実離れしてはいるんだけど、少し変わった形の上原家の家族の絆が、物語が進むのと共に少しずつ深まっていくのが興味深かった。

    にしても、西表島行ってみたいなあ。

  • 小6の少年の目を通した家族愛と成長の物語。東京と西表島の生活が、前後半で劇的に変化し、読みごたえあり。単純に面白い。

  • 普通じゃない家庭に育った普通の子。思春期に差し掛かる多感な視点から、どこかユーモラスながら切実な悩みや喜び、様々な世界の在様に触れ、経験を深めて成長していく姿を描いた一作。

    二郎が虐めに苦しむシーンは一緒になって胃を痛めたし、上流階級の親戚を最後にプライドをもって拒絶するシーンは「よくやった」と頷きたくなった。沖縄の自然や朴訥な人々には心が温かくなったし、大立ち回りのシーンでは心臓が裏返るかと思うほど興奮した。
    インザプールや空中ブランコでもそうだったけど、奥田英朗の作品は、読み進めるうちに我を忘れて感情移入してしまう。不思議だ。

    父の上原一郎は東京ではニート、沖縄では農業漁業に精を出す働き者。だが、どちらにいても気に入らない相手には噛みつくし、本質は変わらない。誰とも群れず、誰にも阿ず、ただ自由でありたいと願う。それが必ずしも全肯定されるとは思わないが、強者に牙を剥く強烈な個性はやはり憧れの対象として人を引きつける。
    さらに、そこに時代や場所の要請が加わると、その存在意義もまた変わる。東京では安定し停滞した社会の異分子、つまり厄介者でしかなかった人間が、西表島に来たら動乱の最中に現れた英雄へと早変わり。もちろん、一郎本人にとっては他者の評価などどうでも良いことだろうが。

    そんな父やそれを取り巻く様々な現実を見て、これからの二郎はきっと、自分の中で譲れないものを見つめ直し、その大事なものを社会という名の集合無意識に埋没せずに守り通せるような大人へ育っていくのだろう。そうあってほしい。自分のために他社を傷つけるのは論外だが、世間様に迷惑をかけないことが全て、という人生も同様に人間の正しい生き方とは言えない。両者のバランスを見極めることが肝心なのだろう。未だかつて誰一人として答えに到達したことがない難問だが、それでも人間が社会的生物である以上、死ぬまで模索していかなければいけないのだと思う。


    最後に、ベニーさんの「star」の日本語訳が「芸能人」というネタにはその場で思わず笑いが漏れてしまい、周囲の通行人に変な目で訝しがられました。

  • 上原一家の父も、母も姉も上巻よりもずっと好きになった。新垣巡査やペニーも好きだ。

  • 上巻と下巻で綺麗に話が分かれてました。どちらも面白い。下巻で父にも愛着が沸いて、楽しく読めました。奥田さんの、まっすぐな人を描いたものは後味もよく好きです。

  • 図書館で借りた。
    上下巻
    上は割とマッタリ
    下は全く違う流れに・・・

  • 西表島にきた上原一郎一家。
    大歓迎で地元の支援や差し入れで、空き家に住み始めたものの、そこはリゾート開発の立ち退きが迫る御嶽のある土地。単なる占拠屋にされてるのかと思ったが、上原一郎はそんなことはどうでも良かった。
    彼は理想の地を求めて国とは一線を敷、独立した自給自足で暮らす場所を求める。
    目指すはパイパティローマ。
    最終的には彼はアカハチの子孫であるというよりアカハチの生まれ変わりじゃないないかと思うところ。こんあな左翼的な考え方も嫌いじゃないなぁ。
    気がつけば、警察を公安と呼ぶし資本の力にも屈したくないなぁ。
    そんな上原一郎を尊敬します。

  • 西表島に引っ越したところから下巻は始まる。
    リゾート開発に対して、賛成派と反対派がいて、、、というところは、原田マハの『カフーを待ちわびて』と全く同じ。
    しかし“ダメオヤジ”の一郎が、ここから存在感を増す。
    上巻では厄介者でしかなかったが、気付けば「頑張れ一郎!」に。作者の術中に嵌る(笑)

    欲が無ければこの世の中に争い事は起きない。

    沢山揉めて争ってばかりいるようにうつる一郎だが、実は争い事の無い平和な世の中に生きたいという思いの裏返しなんだろうと思う。

  • 前半は、カツにハラハラさせられたが、沖縄に行ってからは楽しく読めた。

  • 一気に読まされた。

    そして、いろいろと考えさせられた。

    国って何だろう
    自由って何だろう
    強さってなんだろう

    自由は孤独

    という言葉を最近よく聞く

    だから強さや支えてくれる理解者が必要

    その二つを持ったお父さんは、一本気でかっこいい!

    ほんとに自分の親だったらやっぱ困るかもだけど。。

    東京の暮らしと沖縄の暮らし
    東京の学校、先生と沖縄のそれ
    東京の友達と沖縄のそれ
    東京の年の違う子との交流と沖縄のそれ

    対立が鮮やかだった

    お父さんみたいに、自分の納得のいく行き方ってなかなかできないから、かっこいいし憧れる

  • お父さんの汚名返上の下巻。
    偏った思想でありながらも、子供にはそれを押し付けない、、そこがかっこいい。

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サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)の作品紹介

元過激派の父は、どうやら国が嫌いらしい。税金など払わない、無理して学校に行く必要なんかないとかよく言っている。そんな父の考えなのか、僕たち家族は東京の家を捨てて、南の島に移住することになってしまった。行き着いた先は沖縄の西表島。案の定、父はここでも大騒動をひき起こして…。-型破りな父に翻弄される家族を、少年の視点から描いた、新時代の大傑作ビルドゥングスロマン、完結編。

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