- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043885015
作品紹介・あらすじ
お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある-大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。後輩たちの舞台に客演を頼まれた彼女は、先生への思いを再認識する。そして彼の中にも、消せない炎がまぎれもなくあることを知った泉は-。早熟の天才少女小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。
感想・レビュー・書評
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もう恋愛なんてするような歳でもないのに、いい歳をして何度もドキドキしてしまった。ハッピーエンドじゃない話の中で、最も深くささった、けど大きくもない棘のような感触だった。
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本屋さんに寄った際に、本作のポップを見て、そういえば有名だけどまだ読んだことないなと思い手に取りました。恋愛の楽しい一面だけでなく、辛さや痛み、弱さやもどかしさなどの心理描写が秀逸で思わずグサッとくる場面もあり面白かったです。
本作のストーリーとしては、主人公がひょんなことから、高校時代に好きだった先生と再会することから始まります。主人公は自分が辛い時に救ってくれた先生に対して恋をしており、先生もまた、主人公に特別な感情を抱いている。再会を果たした2人は徐々に親密になっていくと同時に、お互いの抱える秘密を知ることになる…といったストーリー。
序盤は割と再会を果たしたことで、ウキウキとした楽しげな主人公の描写が中心であるのに対し、先生の秘密を知ってから中盤にかけて、主人公の心理描写が一変するのが私にとって印象的でした。特に、小野くんとの関係については胸が痛む思いで読んでましたし、色々印象的なセリフや文章あるのですが、ネタバレになるのでそこは控えさせていただきます…ぜひ本書でご確認をお願いします笑
私もどちらかといえば、先生に近い性格で人に弱みを見せたり、人に頼ることが稀だったりする性格で、先生の持つ弱さにはすごく共感できましたし、こういう弱さを見せられる人こそが特別な人なのかなとも改めて思いました。 -
中学生の頃初めて読んでそれ以来虜です
人を好きになることによって生まれる苦しさ痛さ弱さはとてつもなく辛いけれどそれでも人を想い続けることの真っ直ぐさは間違いなく素晴らしいもの
忘れられない人がずっと心にいる
この痛みを私は愛そうと思う -
ずっと前に読んだものの記録用。
こんなに人のことを一身に想うことができる人生であれば、それはすごく貴重で素敵なことだと思う。
外面的な関係性がどうであれ、誰にも分からない2人だけの世界がずっとあることなんて、人として生きていて羨ましい以外の感情がない。 -
うーん、私にはいまいちだったかな…
登場人物みんな好きになれなかった。
だから気持ちもわからなかった。
ただ先生はめっちゃずるい男…
ずるい男はきらい…
再読することはないかな -
最近、島本さんの作品を読み始めて3冊目にて1番有名?なコチラを。
高校生の時の先生を想う気持ちを回想しながらの構成。
中学生の頃、先生を好きになる友達いたけど、、
私はその経験した事はなく、
ただ、若い頃って夢中になると、それが全てという思考というか、今のように現実的や客観視できてない、そんな経験はあるなあとなんだか懐かしくなりました。
個人的には、最初、小野くんいいじゃん、こーゆう人若い時の自分は、惹かれるーの印象から最後の印象の差がハンパない、、、
映像化されてるキャスト、坂口くんかー、上手そう!
この作品、読む年代によって、感じ方や共感ポイントが異なりまくると思う。
とにかく若かりし頃の恋愛を思い出させられましたよ、、あの人元気かなーとか、なぜだか懐かしい想い出を振り返ってしまったり、、w
19歳が1番楽しかったなー。
あれはあれでやばいけど、若いって今思うとある意味恐いwww
今を楽しく過ごそう^ ^
花粉消えてほしいな、、そんな季節は読書、自宅で過ごす読書最高!くしゃみ連発しながら。
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昔、映画を見た記憶と、心に残った恋愛小説としてコメントされていたのを見て、読んだ。
最後に心打たれ、涙を流しながら読んだ。ただ、最初の頃は葉山先生の踏ん切りのつかない態度や小野くんの突拍子のない行動にいらいらしたり、「やめときなあ、あんた幸せになれんよ」という気持ちになったりと、途中まであまり共感はできなかった。
きっと、「だめだとわかっていても、愛してしまう」「心が求めてしまう」っていうのは、泉ちゃんの行動そのもので、それだけの大恋愛なのだな、と読んだあとは思った。惹かれてはいけないけど、求められる喜び、受け入れて、自分を理解してくれる安心感、そういったものが2人を繋いでいた。
とても切ない。人の弱さや不安定さが丁寧に描かれて、紡がれている物語だった。 -
恋愛文学。
主人公の泉と、高校時代の教師である葉山先生との関係から、恋の美しさや背徳などが繊細に描写されていた。
複雑な恋愛感情や人間関係の渦中で揺れ動く姿に思いを馳せた。
果たしてどんな結末になるのかドキドキしながらストーリーを追いかけることができた。
日常に潜む愛の形や、人間関係の複雑さを考えさせられ、読後は切なさや少しのモヤモヤ感が残った。
登場人物の深い思いに心を打たれた作品。