どきどきフェノメノン A phenomenon among students (角川文庫 も 20-1)
- 角川グループパブリッシング (2008年4月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043891016
作品紹介・あらすじ
窪居佳那・二十四歳、大学院のドクタコースに在籍して研究に没頭中。趣味は起き抜けのシャンプーと「どきどき」の探求。悩みは飲酒時の記憶喪失とよくわからない自分の気持ち。後輩の爽やか青年・鷹野と人形オタクの水谷、ダンディな指導教官の相澤、謎の怪僧武蔵坊。佳那を一番どきどきさせるのは誰か?-『すべてがFになる』でミステリィ界の地図を塗り替えた異才がおくる初のラブコメディ。
感想・レビュー・書評
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めんどくさい女の子のどきどき。
妄想の中のどきどき。
素直じゃないどきどき。
男の自分も楽しめました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2度目。
本に惹かれるのはどんなとき?
表紙と題名でしょうねぇ。
かぁいいよぅ。
中身は独り言まっくす。
頭の中がまるわかり。
後半ほんと、くるから。
どきどきどきどき。
それがしたくって
もっかい読んだよ。
あの「!」ってシーンを
もう一度みたくって、ね。
ほぅら、お嬢さん。
どきどきしてしまいんしゃい。 -
森博嗣初のラブコメディ。
もともと恋愛小説が好きじゃないので、まぁこんなものかというのが感想。
ヒロインがラブコメディの主人公らしからぬ、超理系で屁理屈ばっかりこねてて自意識過剰で空回りなところかわいいけどね。 -
ラブコメだった、ふつうに。
佳那のとりとめのない妄想や連想が、森節全開で、読みどころ。水柿くんばりに面白い。
佳那パパがいちばん好きかもしれない(笑)
ラストはほんとにけっこうどきどきします。
あと、森見登美彦を平行して読んでたら、理系男子の純情、みたいなとこがかぶって笑えた。あの、これ実はけっこうリアルですよね。こういうタイプ嫌いじゃない。-
2014/09/11
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2014/09/20
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どきどき。どきどき。
大学院でドクターコースに通う主人公・佳那の目を通して綴られる、スーパー理系少女のそれなりに波乱で万丈な日常ラブコメ。
笑えるかどうかは人を選んでしまうかもしれないけれど。
普段感じている日常のどきどきを、森博嗣が書くとこんな感じになるのかとにやにやしながら読んでしまった。
愛とか恋とか数字で弾き出せない良質などきどき、有限要素法で解析できない様々な気持ちが、この本には詰まっている。 -
理系の研究室に在籍したことのある人なら絶対一気読み。
主人公の女の子、理系。常人離れの理系。博士課程。
わたしも理系だけどこんな思考にはならないってくらい理系。
そして飲んべえで鈍感。
そしてときどき強引。
さすがミステリ作家の森さんだけあって、エピソードの繋げ方、どんでん返しは凄い。
主人公の女の子を一番どきどきさせるのは誰か?それは読んでのお楽しみ。 -
だいぶ好み、こういう話は大好きだ。
話の筋がオモシロいというよりは、ひとつの出来事に対する連想や会話の切り替えし、そこにユーモアがあってオモシロい。
ほとんど独り言のように進んでいくので前半部は盛り上がりはほとんどない。後半になってドタバタしだすけど、終始この独り言がウィットに富んでて大変好物でした。 -
森博嗣に再挑戦しよう企画第一弾。
いいどきどき!
好き! -
主人公がちょっと変わってて最初はなかなかキャラがつかめなかったけど、読み進めるうちにだんだん理解できるようになってきました。
最後の方は可愛くて仕方なくて…くせになります。
どきどきに関しては最近、有川浩さんの作品が続いてたからか、かなりさっぱりすっきり。
でもアクの強い登場人物たちのおかげで十分面白いです。 -
理系が書いた恋愛小説…
理屈ではないのが恋愛なのでは?と感じる。
それはさておき、ちょっと文章についていきにくいところがちらほら。 -
再読。いつもの森ミステリよりもライトさに拍車がかかっている感じ。そのライトさが好きなんだよなぁ。主人公含めみんな頭の回る馬鹿だが、その馬鹿さが気付けば愛おしくなっている。
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再読。このツルツルと筆の滑った感じの文章、お年頃の女の子の頭の中とマッチしていてとても良いです。まさかのラスト急展開にはこちらもドキドキ。森博嗣氏の作品の中では異色ですが、キャラクタは紫子さんや恵ちゃんのノリかな?犬の銅像はどうなったのか、シャンプーはなんだったのか。続き、つるっと森さん書いてくれないでしょうかね。
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森博嗣さんがこういう文章書くんですね。
ジェンダーバイアスかかった文章に少し驚き、こういう視点も書けるんだなと衝撃。トーマの心臓のノベライズ版や神様が殺してくれるを描かれていた方とは別人のよう。
登場人物のキャラクターデザインには本当に富んでいて、さすが!という感じ。ミステリ要素を散りばめて、森さん流理系女子の思考回路の文章運びは分かりやすくテンポよく進みました。 -
図書館で借りて読んだけれど、たまに読みたくなって文庫版を買いました。
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博士課程の佳奈のラブコメディ。策略と無記憶。C0193
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この本を読んだとき、確実に新しい扉を開けた、と感じた。
未だにその扉がどこに続いていたのかはわからないのだけれど。 -
主人公・院生の窪井佳那と、彼女を取り巻く男性陣のお話。
彼らそれぞれに良いところ嫌なところがあり、最終的に佳那が選ぶ(というよりも、選ばれた?)人は…。
不覚にもラストにキュンとしてしまいました。
恋愛対象じゃなかった相手を何かの拍子に好きになってしまう、ってあるよね〜とも思ったし、ミステリィの巨匠・森博嗣 初のラブコメディに「どきどき」しながら読み進めました。
この作品の中で何よりも秀逸だったのは、森博嗣の言葉遊び。
入院中の眠れない夜に読んだのですが、思わず病室で吹き出してしまった程!
ラストも爽やかで、読んですっきりと気持ちよくなりました。 -
森博嗣の初となるラブコメ作品。ミステリー作家らしくラブコメなのにもかかわらず、ミステリーを匂わせる作風となっており面白い。また物語の進行や登場人物もユニークで小説で初めて声を出して笑った作品でした。文句なしの満点です。
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『非凡のロジック、ヘルシーなライフワーク』
特別がないなら作ればいいし、太るなら食べなければいい、やりたいことがあるなら今すぐ動けばいい。言い訳を口にした?それならそこで一生腐ってろ。 -
これまで森ミステリばかりだったので、途端に毛色が変わった印象。それでも客観的に自分を捉える登場人物の姿勢は相変わらず、その中で揺れ動く自分の気持ちとのやりとりが楽しい。言葉遊びもいつもより多め。
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森 博嗣さんの恋愛小説って珍しい気がして読んでみた。
恋愛というかラブコメというのとも違う感じがする。ラブ混じりのコメディ(ラブコメと言葉を繋げないのが個人的ポイント)
森作品ならではの理系の大学院生の主人公は普段はS&Mシリーズに出てきた国枝さんを女性らしくした(国枝さんも女性なので失礼な表現だが)性格でロマンスよりも合理性を求める人間に見える人物。そんな彼女がどきどきを求めていく話。
周りは良くも悪くも男ばかりで逆ハーレムとかなんとか言われそうだけどそうはいかない。 -
なぜか時々読みたくなる。表紙に佇む彼女と、
冒頭のコーヒーと、歯磨き粉のせいかな。
ラストはどうなるかわかっているのに、いつも忘れてて萌える。 -
研究以外の事になるとちょっと他とはずれてる窪居さんが、しっかりしているのだけど、日々の人との関わりで四苦八苦するお話。後輩二人に好かれ、お酒を飲むといつの間にか記憶が飛び、頭の中で昨日はきっとこうだったんだとか話を想像していき、ついでにちょっと面白くしちゃおうと周りを巻き込んでみたりします。一枚も二枚も上手な人がいますが、それはそれである意味ハッピーエンドかもしれません。
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どきどきの探求。今までに読んだことのないヒロインで中々面白かった。森さんこんな物語も書けるんですね。
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吉田篤弘氏の小説にはまってしまってから、小説のストーリー展開において「人称」というものが果たす重要な働きに興味を持ち始めていた。
森博嗣氏の作品においても、「人称」は強く意識されている。Vシリーズなどにはそれがよく顕れている。保呂草本人が、自身も含めてすべての登場人物を三人称に位置づけて書き進めることを、一人称で宣言してからでないとストーリーが始まらない…という風変わりな前置きがお決まりである。
この作品は、なんと間の抜けた…しかし完璧な三人称小説なのだろうか。主人公自身は理工系研究者としての性なのか、よほど手痛い人生経験を負ったがゆえのトラウマなのか、第三者の視点からすべての登場人物を、自身すらも含めて客体化し分析しながら冷徹に見下しつつ語り始める。
しかし、間抜けで酒乱の主人公は、ストーリーが展開するに従ってどんどんメッキがはがれ、地金が剥き出しになっていく。要するに彼女の周囲のすべての人たちは存外にまともで、彼女こそが愛すべき大間抜けであることがどんどん見えてくる。彼女の第三者的視座からの眺めにおいても…つまりは自己評価としてもお間抜け極まりない。
これは面白い。くすくすというよりにへらにへらと笑えてくる純愛小説だ。 -
再読
2014.03.27