瑠璃の雫 (角川文庫)

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著者 : 伊岡瞬
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年7月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043897032

瑠璃の雫 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ある日突然出て行ってしまった父、アルコール依存症の母、末弟を叩いて窒息死させてしまった弟、そんな家庭環境の中に杉原美緒はいた。美緒と弟は、入退院を繰り返す母の留守の間、母のいとこである薫さんと一緒に暮らす事になった。末弟を叩いて殺したという大きな罪を親から与えられてしまった弟はまだ小さく、無邪気なままで、それが逆に美緒の心をかき乱していく。両親が不仲になったのは弟のせい、時にそんな怒りが弟に向けられていく。「あいつ死んじゃえばいいのに。」 なのに2人の家族という繋がりが、逃れようもない強い絆として2人を繋いでいる。ある日美緒は、薫さんの知り合いの元検事、永瀬丈太郎と出会い、その優しさと人柄に少しずつ心を開いていく。。しかし丈太郎は愛娘の瑠璃という少女が誘拐されたまま見つからずにいるという大きな闇を持ち続けていた。やがてあるきっかけで、その闇の本当の正体を知る。。弟に向けた自分の罪、母親に対する大きな怒りと軽蔑、そして家族だからこその愛情と紙一重の憎しみ、どうすれば永瀬のように運命に降りかかってしまった罪を赦す事が出来るのか、それを見つけるべく美緒は、この事件を調べ始める。いろんな人物が交差しながら、この事件は予想もしない結末へと流れていく。時折ちらりと見せる伏せんのようなモノが、新たな展開への期待を駆り立てていく。
    美緒の心情、怒り、悲しみ、葛藤の描写がとても痛々しく胸に突き刺さり涙がこぼれた。罪を与えてしまったもの、そしてその罰を受けるべきもの、何が罪で、何が罰なのか、何が正義で何が悪義なのか。家族とはなんなのか、考えさせられる作品でした。

  • 読み始めからキツイ。家庭環境に恵まれない杉原美穂。面倒を見てくれる母親のいとこの薫。薫のはからいで元検事の長瀬丈太郎と知り合う。長瀬も悲しい過去を持っている。長瀬のそばで彼の生き様をみて、美穂も自分の中の事件と向き合っていく。読んでも読んでもずっと辛い。赦すとは忘れる事なのか。

  • 【昔父がカルマと言う言葉を使った時、父の子供に生まれてよかったとそう思った】

    人の業。沢山の人の思いや想いが、絡み合う。真実は何も救わないし、救えなくても、確かな未来を照らし出す。いつまでも、消えないかもしれない。明日には忘れてしまうかもしれない。

    狭い世界だよ、子供が住む世界は。だけど、だからこそ、小さな世界を守るために子供は不器用でも自分らしさで考えている。

    君だったらどうする?とても良い作品でした。

  • 切ない気持ちになった。美緒や永瀬の気持ちになってぐっと引き込まれて読み進めるシーンとなかなかページが進まないシーンがあった。途中まったく触れてなかった登場人物の1人が最後登場してくるシーンと穣を殺した犯人設定が…私的にはう~んって感じだった。私の読解能力がないせいかも…。

  • 2015.2.17
    アルコール依存症の母親と娘と弟。元検事の永瀬丈太郎。

    七月のクリスマスカードを、改題文庫化。

  • 途中ちょっと飽きたけど、読み終えてからは三部構成になってるのが効果的だったかなと思う。
    著者の他の作品も読んでみたいと思う。

  • とてもつらい話でしたが、丈太郎がプレゼントを渡すシーンや、庭でランチをするシーンがとても温かかったです。

  • 序盤、美緒と充が虐げられる様子がとても痛々しくて辛い。充のセリフが全部ひらがなで書かれていて、そこから感じられる純真無垢さがいっそうその辛さを引き立ててくれます。充を邪険にあつかう美緒は酷いと思いつつ、彼女の境遇のことを考えると複雑な気持ちになります。

    そんな彼らが薫さんと丈太郎というやさしい大人に出会い、ようやく普通の、健全な(?)生活ができるようになる様子には、ほっとする/心がじんわり暖まる感覚がありました。

    後半は瑠璃誘拐事件の真相や、美緒自身の過去の真実を解き明かすミステリ的な話でしたが、個人的には後者にのみスポットを当てるお話で良かったかな、と。

    本作はあくまで美緒が主人公だと思うので、彼女にまつわる話を中心にした方がコンパクトにまとまって読みやすくなって、印象も強く残ったかな、と。丈太郎の過去話は別作品として読ませてくれた方が、読者としては話の軸を理解しやすく、より興味を持って本を読むことが出来たと思います。

    第一部の人間ドラマ的なところが個人的にスゴくよいなぁと感じたので、そこを軸に話を膨らませてくれた方が自分としては望ましい展開でした。裏表紙のあらすじをロクに読まず買った自分が悪いっちゃ悪いんでしょうけど……

  • こんな結末が待っていようとは。
    ---
    母と弟の3人で暮らす小学6年生の杉原美緒。母はアルコールに依存し、親類に引き取られた美緒は心を閉ざしていく。そんな折、元検事の長瀬丈太郎という初老の男と出会う。美緒は長瀬の人柄に心を開いていくが、彼は一人娘を誘拐されており、大きな心の傷を抱えていた。数年後、澪は事件を調べ始め、あまりにも悲しい真実を知る--。家族とは何か。赦しとは何か。今最も注目を受ける気鋭が贈る、感涙のミステリ巨編!

  • 赦しとは何かと考えさせられるけど、丈太郎はそれで満足してよかったの?とも思ってしまう。充の下りをもう少し読みたかったなぁ…

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