空の中 (角川文庫 あ 48-1)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898015

作品紹介・あらすじ

200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは-すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 有川氏の本は何冊か読んだが、この本は不思議な本だった。SFなのかファンタジーなのか、設定がありえないし、未確認飛行物体(?)との問答は哲学的な様相だし、飛ばして読んだところも多数あった。それでも読み進められたのは二組の恋愛の行方と未確認飛行物体の最終形を見たいため。何とか全てハッピーエンドに向かって安心する。ここで活躍した宮じいと瞬の後日談が「仁淀の神様」として収録されているが、この内容が悲しく涙が出るが、宮じいの人徳かほっこりさせられる話題で嬉しい。
    あとがきで見ると、この「空の中」は作家初期に書かれたもので「大人ライトノベル」を目指して書いたものとか。何となく納得させられる。

  • 自衛隊3部作の二つ目!
    未知との遭遇ってヤツやな。
    そんな上空にデッカイのがおるとは!
    何か、人類より前から存在するような。
    それをこっちの都合で攻撃して、逆襲されてボロボロ…
    自業自得やな。人類の。
    自分のことしか考えんから、こうなる。
    自身もそうやけど、やった事で起こったもんは自分で責任取らんと…
    それが、人類滅亡になるのかもしれんけど…
    まぁ、温厚な種族で良かったな!
    確かに衝突して亡くなった遺族から、するとこの種族は、目の仇で平和とか言ってられんけど…
    でも、コイツからすると、ずっとここにおるとこに、ぶつかって来ただけやんになりそう。やっぱり、未知の領域に行く時は気をつけなあかん!
    登場人物では、宮じいが魅力的!こんなおじいちゃんおったら、ええねんけどね。うちは、おじいちゃん、おばあちゃんは、小さい頃にはおらんようになったから、羨ましいような。
    色々と語録が載ってます!
    読んで下さい〜(^_^)v

  • 二組のカップルが主人公。
    どちらもとっても素敵。
    読後感もよく、有川氏らしい作品。

  • 「空の中」のスピンアウトの「クジラの彼」の『ファイターパイロット』で登場していた三津菱重工(MIT)の技術者・春田高己と女性パイロットの武田光稀の出会いの話として本作をチョイス。自衛隊三部作の2冊目。

    本作は、高度2万メートルで起こった2つの飛行機爆発炎上から始まる物語。民間航空機開発計画の1号試験機「スワローテイル」が試験飛行中の爆発炎上する。次いで航空自衛官・斉木敏郎三が操縦する自衛隊イーグル機の爆発炎上。高度2万メートルて起こった事故の原因解明にMIT社員・春田高己と自衛隊パイロット・武田光稀は事故高空へ飛ぶ。事故空域で彼ら秘密を探す。また一方で、その事故で亡くなった自衛官の息子・斉木瞬と瞬の幼馴染み・佳江は海辺で秘密を持ち帰る。秘密を探す大人たちと秘密を拾った子供たちの2つの秘密に絡む、公と私の対応、静と動の感情、2組の恋愛の物語。

    ありえない物語ではあるが、大人の秘密である白鯨と子供たちの秘密であるフェイクの性格がそれぞれに呼応する性格で表現されている。子供たちの心の成長とフェイクの成長。子供のある種残酷な性格もフェイクに刷り込まれる。また組織の中の大人たちと全き一つから分離した白鯨たち、冷静な高己と温厚なディックそんなところが、安心して素直に読み進めていけるところであろうと思う。

    男女平等といわれる中、航空自衛隊岐阜基地には、女性パイロットが光稀しかいない。1986年に施行され、30年が経った今はかなり浸透しているが、本作が発表になったときは、まだ、難しかったのであろうか。それとも自衛隊という職業的なものであろうか。
    本作が発表になったときは施行から17年くらいしか経っていないことも理由であると思う。法律改正を重ね、2020年までに女性管理職の比率を30%にする政府の目標もあり、今でこそ、職種を超えて女性が活躍する場が増えたものの、この当時、光稀がパイロットとしてひとりで男性たちの中で生き抜いていくためには、朴訥で、男性のような逞しさが必要であったのだろう。そんな光稀に女性らしさと可愛さを見つけた高己の洞察力は、大したもので、それがあの白鯨との交渉力に現れているのであろうか。

    本作の中でも、いくつか名言があった。
    「ようわからんが、間違うたほうをずんずん行っても正解にはならんろう。正しいように見えるとしたらそれはそう見えるように取り繕っちゅうだけよ」と言った仁淀川の川漁師・宮じいの言葉。「人間は間違う生き物やき、それはもうしょうがないがよね。何回も間違うけんどそれはそのたびに間違うたにゃあと思い知るしかないがよ…間違うことをごまかしたらいかんがよ。次は間違わんと思いながら生きていくしかないがよ。けんど、わしはこの年になってもまだまだ間違うぜよ。
    げに人間は業が深い。死ぬまで我と我が身を律しちょかないかんがやき」

    少し子供っぽく感じるところもあるが、漫画のように流れていく展開が読みやすかった。

  • 男前な武田光稀!
    彼女から最っ高にかわいい言動を引き出す春名髙巳。
    この2人の関係がめっちゃ心地よいわ〰️♪
    お話自体は単純な筋なんだけど、え?これどうやって収拾させるの?とワクワクドキドキさせる有川浩節。
    解説の新井素子さんにも感動!
    読め。
    面白いから。

  • 読み始めはどんな話なのかなと思ったけど、
    読むにつれて引き込まれた。
    春名と武田の関係性が良い。
    宮じぃみたいな大人が近くにいたら幸せだな。
    叱るときは叱らなきゃね。
    それと見捨てるのは違う。
    誰かに責任を任せっきりも良くない。
    仲間がいるなら助け合わないと。
    難しかったけど、面白かった。

  • テスト飛行中の国産超音速輸送機、そして演習中の自衛隊の戦闘機F15が、高知上空の同じ空域で立て続けに爆発事故を起こした。後の調査で、高度二万メートルの上空に浮かぶ巨大な生物(白鯨、通称ディック)と衝突したのが原因と判明する。ディックとの交渉に臨む航空自衛隊岐阜基地の面々(交渉窓口は高巳・光稀のコンビ)。穏便な話し合いが進められる中、日本政府は隣国からの脅迫に屈し、交渉チームの頭ごなしにディックを核攻撃してしまう(実際の攻撃は米軍)。無数に分裂した白鯨は、全く統制が効かなくなり、多くの白鯨が自己防衛のため人類を攻撃するようになる。分裂後の一番大きな破片(ディック)が、引き続き人類との交渉の窓口を務めるが、解離性同一性障害(多重人格)のような状態に陥っていて交渉にならない。そこで、無数の白鯨を「全き一つ」の状態に戻すための、高巳等による新たな交渉(治療)が始まる。

    一方、自衛隊機が爆発した頃、高知の浜辺で半透明乳白色のクラゲ状の未確認生物(UMA)が高校生(舜とその幼馴染みの佳江)によって捕獲される。このUMA(通称フェイク)は言葉を理解し、携帯電話の電波を使って人間と話すこともできる、実に不思議な生き物。そしてフェイクは、元々ディックの一部で、航空機の衝突によってディックから剥離し、ディックの時の記憶を失ったものだったことが判明。すっかり舜に懐いたフェイクは、舜の命令で町を襲う白鯨達を次々と食べてしまうのだが…。

    とまあ、こんな感じのストーリー。太古から地球に生き続ける巨大生物が、人類の攻撃で無数に分裂し、解離性同一性障害のようなパニック状態に陥ってしまう、という設定は、なかなか面白かった。

    ただ、本作は、ディックやフェイクの出現を描いたSF作品であると共に、高巳・光稀、舜・佳江の二組の男女のラブストーリーにもなっていて、こちらはティーエージャー向けのテイスト。この点がちょっと残念だった。それに本作はちょっと長すぎ。

    本作、いわゆるラノベなのかな?

  • 連続する航空機事故、そんな場面で始まる物語、遺族や調査担当、もはや事故原因に至るまでキャラが魅力的。駆け引き心理戦にワクワクしながら一気読み。読了感スッキリ!

  • ちょっとSF要素が強かったかなー。
    あんまり入り込めなかったです。
    先にクジラの彼を読んだから、高巳とみきのやりとりはニヤニヤしながら読みました笑笑

  • 少し前の家族旅行で、子が念願の飛行機デビュー。帰ってから何度も興奮して飛行機の話をするので、飛行機が出てくる物語が無性に読みたくなって手を出してみた。
    『塩の街』と同一シリーズということで、SFだろうなあ、と予測していたが、思いっきりSFだった。謎の生命体との遭遇。序盤のフェイクとの出会いや描写、典型的な非現実感すぎて少し気持ちが置いてけぼりになった瞬間もあったものの、章を重ねるごとにぐんぐん物語の内部へと引き込まれていった。
    やはりというか、有川先生のキャラクター描写は瑞々しい。春名と光稀、瞬と佳江、二十代と十代それぞれの感情の揺らぎが等身大で良い対比になっていた。大人チームは……少女漫画顔負けのキュンがすごくふんだんに仕込まれている。ラノベとして書かれたもの……である前提を踏まえたとしても、それにしてもズルいと思わざるを得ない。瞬も佳江も、真帆もそれぞれ思考と行動が十代ならではの部分があり、度々胸がぎゅっとしめつけられた。
    そして一番好きなキャラクターは、もちろん宮じぃである。高知弁で朴訥と語ること、すべてが身にしみる。瞬のそばに宮じぃがいて良かったなあ、と心から思うのだった。書き下ろしの『仁淀の神様』もたまらなく好き。

  • SFファンタジーなのか…台詞回しがマンガチックで…私には苦手分野。
    ラストは良かったんだけど…

    有川浩さん、好きなんだけど…図書館戦争シリーズもとっても苦手なので。
    でもまだ「海の底」「塩の町」読んでみます。

  • とってもいいお話です。
    大人組と子供組のストーリーが絡み合いながらお話が進んでいきます。
    特に子供組。
    自分がまだ子供だった頃の空の色や空気の匂い、そんなのがよみがえって、恥ずかしいやら切ないやら…
    泣きながら、もん絶って、感じでした。

  • 超大作!
    内容は時折難しいと思ったところもあったが
    結局は宮じいという人の偉大さ
    間違ったところで素直に受け入れられるか
    人間の奥深い心の底を探っていく話でした

  • 自衛隊三部作の第2弾

    たった1人の肉親であった父をなくした瞬のもとにフェイクがやってくるが、父を亡くしたばかりの瞬の言動に違和感を覚えながらも声をかけられなかった佳江。フェイクに仲間を殺せと言ってしまった瞬。
    誰しも悔いの残る言動はある。
    宮じいのような大人が周りにいて声を掛けてくれたらなあと、いい大人になった自分もそう思う。
    間違ったことは、無かったことには出来ない。
    許してもらえなくても謝るしかない。
    痛いほど刺さりました。

    また、高巳はまだ若いけど、ホントに人当たりがいい人だなあと。
    光稀との関係はなかなか進展しなかったが、最後にはまるくおさまりハッピーエンド。

    瞬と佳江のその後の話もあり、これまたイイ感じの家庭を築いていて安心したが、高巳と光稀はどうなったんだろうかと考えてしまいます。

  • 自衛隊三部作の第二弾。出だしの航空機爆発事故のミステリー要素、UMA(未確認生物)の発見。もう一気に読むしかない。多様な価値観を持った者たちが共生するには?合意形成とはどうあるべきか?登場人物のキャラ立ちも見事!でも誰も宮じいには及ばない...。泣かせるねぇ。こんな大人になりたい。さあ、次作に取り掛かろう!

  • 裏表紙の作品紹介で航空機事故から物語が始まるのは知っていた。しかし実際、我が子を想いながら飛んでいる父親が事故に遭うという悲劇を続けざまに読むと、自分でもびっくりするくらいショックを受けた。
    続きを読むのが若干辛くなったが、読み進めていくうち、そんな辛さはどこへやら、展開が気になってどんどんページをめくってしまった。
    本編はもちろんのこと、番外編『仁淀の神様』はすごく感慨深いもので思わず涙が出そうになった。

  • 登場人物の中で宮じいが1番好き。宮じいみたいな歳の取り方したいな。間違いを受け入れて前に進むって苦しいけどそれが大人と子どもの違いなのかな。春名と光稀はお似合いの2人で読んでいて応援したくなった。前作もそうだったけどSFでありつつ恋愛要素もあって良い。

  • 時間が無くて全然小説が読めなかったけど…!!!

    有川浩さんの空の中。完読致しました。

    いや〜面白かった。面白かったし、凄いなと思った。
    凄く男性と女性の恋愛が描けているなと思いました。
    男性もキラキラして、女性もキラキラする。そんな作品だったと思います。

    フェイクがすごく可愛いし、瞬の幼いながらも頑張る心、応援したくなりました。
    キャラ一人一人に味があって、全員大好きです。

  • すべてを孕む深淵の中にかれはいた。かれはその深淵に存在することを望み、かれの望みを阻む物事は深淵に存在せず、かれはこれから先にかけても既定の事実のように、何らの齟齬も瑕疵もなく存在し続ける。ーーそのはずであった。

    はるか昔から存在していたものに、人類が接触した事によって巻き起こるSF物語。恋愛要素も少し入った今作は、どうなるか分からないストーリー展開と相まって、ページをめくる手が止まらない。フェイクが可愛くて好き。

  • 設定マニアとしては、地球の全生命体を脅かすほどの存在をこうも簡単に処理して良いのかという疑問は拭えない。いまひとつ話にのめり込めないのはそんな理由からだと思う。

    ただ、エピローグに向かって巻かれた伏線が回収され、なんとも心地よいほっこり感があるのは素晴らしい。
    イヤミス好きではあるけれど、若い頃の一途な思いというか、稚拙だけれども一生懸命な姿の後に待っているハッピーエンドはいいなぁ、って思う。

  • 良かった。
    大人と子供のダブル主人公?
    仁淀川見てみたいなぁ。

  • 面白いSFだった。白鯨・フェイクの登場からどう着地するのか先が気になって読み進められた。
    ただ、高巳の言動が癪に障るところが多くて好きになれなかった。特にセクハラ発言のところは引いた。
    瞬についても聡明な男の子的な設定だったけど、真帆の勢いがすごくて賢そうには見えなかった。

    設定はすごく良かったけど、キャラクターがなぁという感じの作品でした。ただ総合的にはとても面白かった!

  • SFは苦手なので目が滑る感覚があったことは否めないものの、結末が気になって最後まで読み進めることができた。

    瞬と佳江、高巳と光稀の関係性が素敵。
    自分が誤った判断をしてしまったことを悔やみ、こんな自分には綺麗なままの幼馴染に触れる資格がないと苦しむ瞬。瞬の危うさに気づきながらも、刺激することが怖くてどう接したらよいのか悩む佳江。この小さなカップルの、互いに想いながらも衝突してしまう辛さがなんだか懐かしい。
    若いっていいなぁ。
    そしてその2人を見守る宮じいの存在が殊更良い。朴訥とした語り口調だからこそ、染み入る。

    そして高巳のコミュニケーション能力には脱帽する。言葉は通じても、意思の疎通が上手くはかれない相手ディックと交渉できる能力は、その忍耐力も含めて彼自身が思っている以上に優れたものだ。それはディックもそうなのだが、理解できないからと投げやりになるでもなく、相手を言い負かそうと自分の理屈で躍起になるでもない。相手の意思を汲み取って、尊重して、その上で自身の意見も伝える。
    その姿勢は見習わなければならないと思った。


    「間違うたことは間違うたと認めるしかないがよね。辛うても、ああ、自分は間違うたにゃあと思わんとしょうがないがよ。」

    「間違うことをごまかしたらいかんがよね。次は間違われんと思いながら生きていくしかないがよ。」

  • 宮じい。。ずるいわ。。土佐弁でそんなええことばっか言うて。。泣いてまう。

  •  有川浩は好きだけれど、なんとなく読んでいなかった。なんで早く読まなかったんだろう。めちゃくちゃ面白い。
     でも、もし人類が「白鯨」のような、自分たちより圧倒的に力のある生き物に出会ったとして、こんなにうまく共存できるだろうか。きっとむやみに攻撃して、全滅するんだろうなあ。

  • 航空自衛隊の武田光稀と、メーカーから事故調査のために派遣された春名高己。
    ふたつの航空機の事故調査をきっかけに2人が見つけ存在が顕になったのは謎の生命体、「白鯨」だった。
    という、なんともSF的要素のある物語なのに自然と引き込まれる文章と展開。恋愛要素でほっこりさせられるのもさすが有川さん。

    浜辺でこの白鯨の欠片を拾い、フェイクと名付け交流を深めていった斉木瞬と天野佳江。別々の場所で展開されているものが次第に交わっていく感じが読み進めるスピードをあげて、最後まで飽きずに読めた。

    川漁師の宮じいの包容力よ、、
    特別書き下ろしの仁淀の神な様もあわせ、読後感の良い作品だった。

  • タイトルが示す通り、空の中、と地上との間に起こる
    少し不思議なやり取りを中心として物語は進んでいく。

    大人と未成年の二組のカップルを配置することで、二つの視点を置き、二つの物語はパラレルに進む。子供のもつ戸惑い・大人のもつ戸惑い。一見別のようであり、その心の中での折り合いの付け方は、結局シンプルな言葉で表されるものに集約されていく。

    ナレーター役の青年のものごとへの向き合い方が
    とてもフラットで好感が持てるし、彼ゆえに引っ張られて読み続けられた。
    その青年を感服させる老人の登場で、ふと自分自身の
    在り方をも振り替えさせられる。なかでも‘賢しくない’という言葉は私の胸にストレートに突き進んできた。

    お話はおもしろい。
    ただあえて言うなら、物語の中でその世界が広がって息づいていく、と言うタイプの作品ではない。
    語るべきストーリーがあり、そのストーリーのあちらこちらに散りばめられた光る語りが読後に残る。そういう作品だと思う。だからきっとこの作者の作品は今、映像の世界で引く手あまたなんだろうなぁ、と思う。

    ネタバレになるので詳細は伏せますが、実は、空の中、の模様こそに、深い所に届くような真実があるという気がしている。

  • 日本の上空に突如現れた超巨大生物を巡る攻防。長編ながら飽きさせない展開で面白いけどでもやっぱり長かった。瞬と佳江、高巳と光稀、超巨大生物に対峙しながら関係を深めていく。小難しい論理より宮じいの年輪を重ねた問いかけが胸を打つ。

  • 海の底を見て自衛隊三部作を読んでみようと思い、二作目はこれを読みました。次はどんなやつと戦うのかと想像していましたが、海の底とは全然違うタイプでストーリーも面白かったです。次は自衛隊三部作コンプリートのため塩の街を読みます。

  • 異質なるものに、異質だからという理由だけでスペシウム光線を浴びせれば良いというわけではないことを教えてくれる。
    傷をおったという理由だけで、その傲慢な主張が通る訳ではないというのもまたしかり。
    相互理解のプロセスは1に忍耐、2に忍耐、3、4がなくても5に忍耐。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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