塩の街 (角川文庫 あ 48-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898039

感想・レビュー・書評

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  • 終始キュンキュンしっぱなしで続きを読むのが、楽しかった。
    塩害という人類の危機でも、互いを想い愛し合う2人の姿にグッとくる。

  • 「そうだよね。有川浩ってこういう作風だったよね。
    図書館戦争の笠原郁と堂上篤の関係もこんな感じだったし。」と思い出しながら、読み進めた。

    はぁー、こっぱずかしい。
    夢見る高校生が読む本だね。

    航空自衛隊であれば、一般幹部候補生学校卒業者(防衛大学校または一般大卒学士出身)を基準とした際、候補生学校卒業後、1年で三尉、卒業 3年半くらいで二尉のはず。

    航空戦競会(恐らく航空自衛隊 戦闘機部門 戦技競技会のこと)実績から考えて、どんなに頑張ったって、25(22歳で入隊と想定)~28歳の三連覇がいいとこ。
    伝説化していることを考えれば、たぶん、個人の部でしょ。流石に現実的ではないけど。。。

    その後、退官。

    と考えると・・・

    えっ??普通に考えると秋庭さん30過ぎてるんじゃない???

    一応、10歳差と記載があるから28~29歳ということだとは思うけど。。。年齢詐称疑惑あるね。

    しかも、28歳(卒業後5年半)で一尉昇格できていないということは、なんかやらかしてるってこと??

    そんな方が18~19歳と交際って・・・

    流石にNGじゃない。。。

    いやーせめて真奈の設定は大学生にしといたほうが良かったのでは。。。。

    ということが気になって、なんかもぞもぞしながら読みました。会社でコンプラ、コンプラ言われているせいかもしれない。。。

  • 読み終わって、笑顔(ニヤケ)になってました。
    奥さん大事にしようと思いました。
    最初少し悲しい、暗めですが、話進むにつれ引き込まれて一気に読みました(^.^)

  • 有川浩さんのデビュー作。塩の街。塩が世界を埋め尽くし、その塩を見ると自分の体も段々と塩になってしまう「塩害」が流行っていた。
    だが、作者が書きたいのは最近流行りのパニックホラーではなく、あくまでラブロマンスなのだろう。
    航空自衛官の秋葉と女子高生の真奈。 この二人がこの塩の世界で少しずつ距離を縮め、お互いの気持ちに気づきお互いを思って行動する。塩害はあくまで二人が乗り越えるべき障害でしかなく、心踊らされるのは二人の会話や他の登場人物との会話だろう。

    「世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた。その中の一つの恋が世界を救った。」
    というフレーズや
    「君たちの恋は君たちを救う。僕らは君たちの恋に乗っかって余録に与るだけさ」
    というフレーズにあるように
    この物語は、恋愛成就の物語である。その結果として世界が救われただけで、本題としているのは秋葉と真奈の恋の行方だ。だが、そこに至るまでの様々な人の緊迫感、生への渇望、愛するものの死に抵抗する姿。
    それはどれも美しく描かれ、どの登場人物にも心を打たれるところがあった。
    この後、空の中、海の底と話を読み進めていくが、どう物語が紡がれるのか楽しみである。

    余談だが、一番最初の遼一の話は個人的に大好きであった。最初は遼一が主人公であったと思ったほどだ。塩害がもたらしたから気づけた二人の恋。「俺たちが恋人同氏になるために世界はこんな異変を起こしたんじゃないかって、そう思うんだよ」
    この言葉にはどこか呆れてしまいながらも胸に刺さる部分があった。幸せな終わり(物語で言えば始まり)だなと感じた。

  • 4.1
    →番外編の『旅のはじまり 』が1番心に残りました。
    秋庭が真奈を大切に思っているのがすごく伝わってきました。
    真奈がすごくいい子だった…

  • 一気に読んでしまった。面白かった証拠だ。結晶、暗示性形質伝播物質とか言っているけど冷静に考えれば、そんなことあるわけないでしょ!っていう荒唐無稽な話なんだけど、そうしたオイラの判断力を吹き飛ばして物語に引きずり込まれた。地球のあちこちで塩の柱が立つっていう大胆で無鉄砲さなんだけど、自衛隊をはじめ軍事関係に関してディテールを書き並べられると結晶とかも”あるかもしれないな”って気になってくるから不思議だ。世界規模の危機なんだけど、秋庭と入江、そして真奈という少数の人間がそれを打開していくっていうのもスゴイんだけど、それぞれのキャラもよく考えるとそれ以上にスゴイ気がする。”そんな人いるのかな”ってキャラがしかもそこに集まるかね?っていう気もするけれど、それを忘れさせるくらいこの物語にパワーがあったってことだよね。それとコロナ禍がリアルの後押しをしたかも。

  • とても面白かった。コレでデビューした有川先生凄いなぁ。「塩害」によってすべてが塩で埋め尽くされようとした世界に住まう男と少女の恋愛物語。塩が人と世界を襲うという斬新な設定。完全には終末しないけど“終末もの”に近いのかな。人が塩化していく怖さは今のウイルス的な怖さを感じた。そして本作は“自衛隊三部作”の第一作にあたるらしい。良くも悪くも塩害のお蔭で出会った少女真奈と陸自パイロット秋庭の恋愛をミリタリー要素も取り入れつつ描いていて、有川節が炸裂したラブコメ感は読んでいて楽しかった。次は『空の中』を読もうかな。

  • 角川文庫版。デビュー作と知って、なるほど確かに拙いかも、などと斜に構えて読み出した私に告ぐ。バカやろう!めっちゃ泣いた。どんな人間も心の奥底にある利己的な部分が危機的な状況の中で浮き彫りになる。善人であればある程それを認めたくないと思う自分に気づき苦しむ。でもそれは悪ではなく当たり前のことであり、苦しむからこそあなたは優しいのだと。そんなことがテーマの一つだったんじゃないかと思う。どの話もぐずぐず言いながら読んだけど、秋庭の父親に会いに行く話はべっそべそに泣いた。いつも思うけど、女の子の気持ちを書くのが本当にうまくて胸を打たれる。愛は世界を救うね!

  • コロナ自粛の今読めて良かった。

  • コロナウイルスが世の中に蔓延っている今、塩害の状況と今の状況が重なる…。
    大切な人を守るために、自分を守るためにマスクとかアルコール消毒とか予防が大事。
    本編では入江の「あーきば」ってところが何故か印象に残っているのです。
    そして真奈ちゃんと秋庭さん、お互いがお互いを守りたくて必死になっているところ「愛は世界を救う」ってことが分かる気がする。
    自分の大事な人が自分守るために何かあったらって耐えられないもの。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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