図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.15
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感想 : 2409
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898053

感想・レビュー・書評

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  • 『華氏451度』のような内容を期待して読んだのがそもそも間違いだったのだろうが、「言論の自由」以前に、主人公の非常識さにドン引きしてしまった。上司への無礼な態度、柔道の稽古中に背後からキック、仕事でミスして上司の前で泣く、新人の分際で割り振られた仕事にクレーム…。あまりのありえなさに愕然とした。大人のラノベを標榜している割には、主人公の精神年齢が低すぎると思う。

    テンションの高い雑な文体も苦手だが、それはラノベだから仕方ないと割り切った。しかし、郁の性格や文体には目をつぶっても、どうしても許容できなかったのは、主人公とその周辺=正義、敵対組織=悪、という単純すぎる構図だ。せっかく刺激的な設定なのだから、敵にそれなりの思想を持たせれば凄く面白い話になったと思うのだが、敵があまりにちゃちでおバカな悪党として設定されているので、抗争が激化すればするほど逆にしらけてしまうのだ。

    また、本を守るためとはいえ、文民が銃を用いて人を殺傷するということに、誰も葛藤を抱かないのも残念だ。これでは戦闘も、郁の本への思い入れも、恋愛を盛り上げるための道具にしか見えない。他の著作も読んで思ったのだが、「言論の自由」「身体障害」「致死性の病に侵された人の心理」など、本気で語るには正確な知識と細やかな配慮を必要とするデリケートなテーマを、恋愛を盛り上げる道具として安易に使ってしまう傾向が、著者にはあるようにみえる。

    思想的なことを書きたいなら、自分の意見だけを声高に主張するより、対立意見もぴしっと書いて読者に考えさせた方が、話に深みがでると思う。ベタ甘の恋愛を書きたいなら、思想的なことには言及せずコメディに徹した方が、大人のラノベとしては洗練されると思う。しかし、これだけ売れている所を見ると、私の感覚の方が圧倒的少数派なんだなぁ…。

    • もえぴさん
      コメント失礼します。
      全てが恋愛を盛り上げるための道具、と感じる人が私以外にもいたことに嬉しくなりました。
      私の周りには図書館戦争の大ファン...
      コメント失礼します。
      全てが恋愛を盛り上げるための道具、と感じる人が私以外にもいたことに嬉しくなりました。
      私の周りには図書館戦争の大ファンだという子が多く、その理由が、堂上教官にきゅんきゅんするから、だそうです。
      別に作品の中に恋愛の要素があってもいいとは思うのですが、それがメインになってしまっているのがもったいないと思いました。
      2023/02/13
    • 佐藤史緒さん
      >もえぴさん
      コメントありがとうございます。
      恋愛がメインになっていること自体はよいのですが、善悪の判断基準が一方的すぎるのが気になりま...
      >もえぴさん
      コメントありがとうございます。
      恋愛がメインになっていること自体はよいのですが、善悪の判断基準が一方的すぎるのが気になりました。悪を断罪するにしても、もう少し恩情とためらいが欲しい。そこが痛快という人も多いのでしょうけれど、わたしは苦手でした。
      2023/02/14
  • 有川さんの植物図鑑で身もだえて、レビューを見るに高評価で期待していたからか、
    ロマンス部分もまったく物足りない、
    どんでん返しもない、
    図書館戦争の世界観のルールがややこしい、
    で、期待と違ってしまったので個人的には星1つ。

    まあブクログなど個人的な意見なので、こういう解釈の人もいるということで……

    むしろ映画の方がわかりやすいのか?先に見ておくべきだったか。
    図書館シリーズはもう読むことはないと思う。

  • 話題作になっていたので、つい気になって買ってしまいましたが、あまりに底が浅い。。。
    小、中学生の時だったら楽しめたかも。

  • 昔読んだからっていうのもあるけど楽しくなくて苦痛だった。
    おじさんと10代の若い女性の組み合わせってよくあるけどおっさんってみんなこんな願望持ってんの?

    • Floraさん
      作者さんは女性ですよ!
      作者さんは女性ですよ!
      2023/12/03
    • goodteatimeさん
      Floraさん ご返信ありがとうございます、おっさんの夢が詰まった作品に見えていたのですが、女性でしたね(笑)
      Floraさん ご返信ありがとうございます、おっさんの夢が詰まった作品に見えていたのですが、女性でしたね(笑)
      2023/12/05
    • Floraさん
      あとがきにもありますが、この作品はラブコメ要素が多い+歳の差ラブ多めでしたね。今度は、女性の作者さんが書いたっていう目で見ると楽しめるかもし...
      あとがきにもありますが、この作品はラブコメ要素が多い+歳の差ラブ多めでしたね。今度は、女性の作者さんが書いたっていう目で見ると楽しめるかもしれないですね。
      2023/12/19
  • 物語の設定に無理があるため、まず入り込めない。登場人物もイタいキャラクターばかりで、やり取りも寒い。読んでいて、つまらないし、恥ずかしく、とても苦痛だった。設定の甘さや登場人物を考えるとおそらく中高生向けなので、私自身が対象年齢で無かったこともあるが。とりあえず、大人が読んで面白い作品ではない。

  • 何故、図書館職員が戦闘をしなくてはならないのか設定を理解することができず、話に入り込むことができなかった。また、コテコテのラブコメも40代の私には、恥ずかしすぎた。

  • すごく人気の作家さんですが、小説を書くということになにを思っているかが伝わらない。
    地の文にキャラクターの心情が入りすぎていて、状況の説明がおろそかになっている。キャラクターたちの言動があまりにも幼すぎる。
    「これが正義!」「これは黒それは白!」と押し付けがましい。
    美人やかっこいいなどの設定がたくさん出てきますが 「○○は美人だ」しかなく、説明が少ない。そのくせガジェット類や小物の説明はいちいち細かく、覚えるまで先に進めない。

    文章が全体的にあざとい。
    完全にライトノベルだったり、個人がサイトで掲載しているものならかなり楽しめたはず。
    「大人のライトノベル」と謎のくくりをつけてきたことによって、純文学でもラノベでもない中途半端さ。

    設定や発想はかなり好きですが、これが大人気作家の作品か・・・といった感じです。

  • 評判がよく期待して読み始めただけにがっかり。。。こういう非現実の話わりと好きなのにさっぱり世界観に入り込めず、登場人物にも魅力を感じなくて恋愛要素も好みじゃなかった。
    ただ、わたしには合わなかったです。

  • 絞れていないテーマ、設定の甘さ、ありえない程下品な主人公、それを甘やかす登場人物、あらゆる矛盾。
    論うとキリがないので控えるが、私には到底ムリだった。

  • アニメ好きな方にはぴったりだと思うけど、文学を読みたかったとか、普通の小説を読みたかったと思っている人には向いていないです。物語がすべてアニメ化を始めから狙っているような。設定はおもしろいと思いました。

著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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