図書館革命 図書館戦争シリーズ (4) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043898084

感想・レビュー・書評

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  • 清々しいベタさ!下手するとチープになるか自慰行為になりかねないくらいのベタさ加減なのに、そのどちらにも落ちないいい塩梅の作り込み。あとがきの対談で「9割捨てる」と言えるだけの情報収集と取捨選択の能力あればこそなんだろうなー、と。よいエンタメ小説でした。

  • 文句なしに面白い!

  • もやもやした終わり方であった。恋は予想通りハッピーエンドだった。シリーズの最後にしては、盛り上がりに欠けた感じがした。発想自体は面白い。もっとも総領事館は名古屋にもあるが。言論に対する有川の熱い思いは伝わった。このシリーズは『図書館戦争』が一番好きだと感じた。

  • 再読。最後ベタ甘で終わっちゃいましたね。(まだ別冊が続くけど。別冊はさらにベタ甘だけど)とにかくかっこいい郁が続きます。この亡命アイディアをつるっと出してしまう郁がいいよね。シリーズ読み始めたらとまらなくって一気読みしてしまいました。

  • 図書館戦争シリーズ第四弾。今回は原発テロが起き、このテロの手口と酷似した小説を書いた人気作家当麻蔵人が、作家生命を奪われる危機に脅かされ図書隊が保護する話。本を読まない人はテロが怖いからこの作家の作品に検閲がかけられても仕方ない、と言う世論をひっくり返そうと国民に影響の強いテレビ局と連携を図り、放送停止処分を受けた曲がリレーで報道を続けるという策で世論を味方につける。現実に活字離れが深刻な今、テロが実際起きたらどうなるかわからないという問題も提起された気がした。もちろん、登場人物のラストのほのぼのさもありで面白い本でした。

  • 郁と教官の関係ってこの最終巻開始時点で突然前進しすぎじゃないか?
    と思いました。
    手をつないで基地にもどっちゃうとかだめでしょ!笑

    ともあれ4巻も嵐のように読んでしまいました。個人的には不思議な甘さもありましたが、ツンデレがとってもよかったです。図書館が武力を持つなんてありえない設定だなと思っていましたが、表現の自由を守るためならありえなくはないのかもしれない、、、と思いました。

  • 【再読】とうとう最終巻。この巻は今までの巻とは異なり、1冊通して一つのお話で読み応えがあります。原発テロを受けて、その手口と似ている作品、作家を取り締まる。本当に何度も書きますが、現実で起こりえないとは言い難いところがなんともかなしい。どこかで犯罪が起きると、犯人を取り巻く環境とともに読んでいた本たちもニュースで良く取り上げられています。まるでその本に思想を育てられたかのように。何かのせいにすると安心できるという思考は、人類としてなかなか変えられるものではないのかもしれません。

    そして最終巻はやっと恋が成就!堂上と郁は末永くバカップルでいてほしいです(笑)小牧と毬江、手塚と柴崎の恋模様ももっと見たい!
    恋あり、アクションありのハラハラドキドキな最終巻は、最後まで読むと作者とキャラクターたちと、一緒に走り抜けたような気持ちになります。

    図書館戦争シリーズは明確には書かれていませんが、良化特務機関(の向こうにある検閲)が「倒すべき敵」、図書隊がそれらを「倒すヒーロー」のような役割を担っています。しかしながら、世間的にはメディア「良化」法とつくように、敵である彼らが良いモノである名前が付けられており、彼らは「悪」ではないのです。作中にもありましたが、本当に怖いのは、正しいことを正しいと疑わない、純度100%の「善意」です。わたし自身もこれに悩まされたことが何度もあります。そして、世の中の対立は善悪であることはほとんどないように思います。常にお互いの「善意」や「正しさ」同士の戦い。正しさでは、正しさをやっつけることは、できないのです。

    そんなことを考えさせてくれる作品は他にもたくさんありますが、快活なキャラクターたちと一緒に、ドキドキワクワクをもって読ませてくれる作品はなかなかありません。1巻の感想でも書きましたが、難しいことは有川先生がわかりやすく説明してくれているので、ぜひ魅力的なキャラクターたちに振り回されたい!という気持ちで気軽に手を出してほしいと思います!

  • 原発テロが起き、そのテロの内容に酷似した小説を書いた当麻蔵人が良化委員会に狙われる。図書隊に助けを求めた彼を守るべく動く図書隊だが、世論の高まりとは反対に歩くなる状況に、郁の一発逆転の策に打って出る。しかし内部の裏切りによって窮地に追い込まれた堂上班は、堂上の負傷により郁は一人での作戦の遂行を強いられる。
    そしてやっとの決着を投げ込む、二人の恋の行方にラストはにやにやが止まらない(笑)

  • 冒頭の原発テロで一気に退いてしまう。これはこの物語には直接結び付くわけではなかった。後半にちょっとだけラドラム的な展開を期待していたが、そこまでには至らず、大団円。

  • 図書館戦争シリーズ全4巻を読み終えた感想。このシリーズを読みながら、ミルズの「自由論」がいつも念頭にあった。
    「場合によっては悪意より善意のほうが恐ろしいことがあります。悪意を持っている人は何かを損なう意志を明確に自覚している。しかし一部の『善意の人々』は自分が何かを損なう可能性を自覚していない」
    「××はいけない」という小さな善意が少しの自由を規制する。切っ掛けは些細なことでも転がり出せば雪だるまは大きくなる。
    民主主義とは「人民の、人民による、人民のための政治」である。しかしそれはミルズの言うように、「人民に対する人民の権力」ではあるが、権力を行使する人民と行使される人民は必ずしも一致しない、ということだ。人民の意志を多数派が表わす時、少数者がいることが等閑(なおざり)にされ、権力が濫用されれば、「多数派の専制」が生まれる。
    メディア良化法も「多数派の専制」であろう。日頃から読書にあまり縁のない人々にあっては、表現の自由に対する制限が何をもたらすのかを気づくことは往々にして少ない。気づいた頃には随分と息苦しい世の中になっている。

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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