十三の呪 死相学探偵1 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043902019

作品紹介・あらすじ

幼少の頃から、人間に取り憑いた不吉な死の影が視える弦矢俊一郎。その能力を"売り"にして東京の神保町に構えた探偵事務所に、最初の依頼人がやってきた。アイドル顔負けの容姿をもつ紗綾香。IT系の青年社長に見初められるも、式の直前に婚約者が急死。彼の実家では、次々と怪異現象も起きているという。神妙な面持ちで語る彼女の露出した肌に、俊一郎は不気味な何かが蠢くのを視ていた。死相学探偵シリーズ第1弾。

感想・レビュー・書評

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  • 冗漫で道具立てもお粗末で、我慢して最後まで読んだがなーんも面白くなかった。三津田信三は初めてだけど、こんなんじゃもう読む気になれない。このミスで順位に入ったこともあるのに。何だこれはという感じだ。

  • 死相学探偵シリーズ第一作目。刀城言耶シリーズとは違い、閉鎖的な村のおどろおどろしい雰囲気は漂っていないが、本格ミステリとしての完成度は刀城言耶シリーズに引けを取らない。また、所々に入る恐怖描写はとても怖かった。呪の謎は解くことができたが、犯人を当てることはできなかった。また、東城雅哉、神々櫛村など、刀城言耶シリーズの名前も出てきた。

  • 死相学探偵シリーズ 第一弾 長編。

    一般的にはホラー小説だと思うが、ちゃんとした推理小説だと思う。
    設定が霊だとか、呪いだとかで普通の推理小説のように犯人を見つけるだけではなく、また伝承に見立て人間が罪を犯すというのでもなく、起こっている現象が何なのか また誰が何がそれを引き起こしているのかを探偵が暴いていく感じ。

    最後に誰が何のためにこの呪いを掛けたのかが推理され犯人を見つけるのだが、実際に手を下して人を殺めたのではないため警察に引き渡すことにはならないのが、この小説である。

  • 死相から事件の全貌を推理していく死相学探偵の一作目。
    探偵としての最初の事件だからか、主人公の無愛想さ、不調法さが物凄い。
    事件としては家族全員に同じ死相が見えている一家が次々と死んでいく連続殺人(?)事件である。
    しかし死因は呪いによる心不全であり、ハウダニットは存在しない。
    普通のミステリーなら呪いなどはなくトリックを用いた人為的な殺人であることを探偵が突き止める、ホラーからミステリーへと転換するパターンが多いが、この作品の探偵はホラーをミステリーに変換せず、ホラーはホラーとして受け止める。呪いは呪いであるとそのまま受け入れ、ではなぜ呪いがかけられているのか、一家の呪いは共通のものなのか、どうやったら呪いから逃れられるのかを推理していくホラーをミステリーの土台として使う作品である。
    家から出てホテルに泊まっても呪いからは逃れられないため、ある意味ではクローズドサークルである。
    しかし、手段はホラーでも呪ったのは人間の意思である以上、動機は極めて人間臭い、ミステリーの王道とも言えるものであった。
    コテコテのミステリーとホラーの組み合わせは中々面白かった。

  • 2016.11.29 読了

  • 拝み屋の祖母をもち、自らも他人の死相が視える青年・弦矢俊一郎が、探偵となり怪異現象に挑む「死相学探偵シリーズ」第一弾。
    三津田作品にしては、かなりライトな印象。刀城言耶シリーズのような、時代がかった禍々しい雰囲気がない分読みやすくて、一気に読めてしまう。
    次々に起こる怪異現象と連続する不審死、十三階段に十三人の愛人と「十三」にこだわった仕掛け。オカルト要素と愛人や遺産をめぐる現実的な動機が絡まりあい、見事にミスリードされる。
    主人公の探偵らしくない?探偵ぶりが面白い。事件の渦中で途方に暮れ、「わけが分からない」と何度もこぼす姿が却って新鮮。最後に犯人が言った謎の言葉に、術者の正体、謎は残ったままなので、続きが気になる。

  • 他の三津田作品と比べると事件そのものに関してはシンプルな感じだなという印象を受ける あまりに素直に真相究明がなされたので少し戸惑いを覚えてしまった 少し物足りない気もするような…… しかしながら、事件の背後にあるシリーズ全体に関わってくることになりそうな大きな影の気配、本作品の主人公である弦矢俊一郎の過去等、今後の展開が気になるいくつかの謎の存在が示されていたので、続篇も引き続いて読みたいと思う 本作の最後に登場した"僕"が活躍する場面がこれからの作品でたくさんあれば嬉しい

  • 刀城シリーズを書いてる三津田先生の作品なら、さぞかし魑魅魍魎が跋扈するおっかない本格推理小説なんでしょうな〜!(ワクワク
    と思ってたら、予想を裏切ってまさかのライトな読み応え。
    人間嫌いのツンツン美形青年探偵(にゃんこ好き)…だと…?!嫌いじゃないわ!←

    刀城ワールドのおどろおどろしい雰囲気に慣れた人にとっては、物足りなさが残る作風かも知れません。
    今作の舞台となる一家にまつわる因縁も歴史的背景もまあ驚くほどアッサリしてますし、屋敷内の部屋割りを仔細に描写してるからその辺りが推理の突破口かな〜(ワクワク)と目を皿にして読んだら、その辺りは全然ヒントの糸口にもならなかったし。
    でも、三津田先生十八番のどんでん返しは健在でしたね〜いつもと比べてややライトな仕上がりでしたが(笑)。

    と、なんやかんや言ってもやっぱり次作以降も読んじゃうよね…。
    刀城シリーズで本格派を存分に堪能しつつ、今シリーズでは未熟な駆け出し探偵の成長ぶりを楽しむことに致します( ^ω^ )楽しみ!


    幼い頃から人の死相が見える弦矢俊一郎。その異能の才を武器に探偵事務所を構えた彼の元を、一人の訪問客が訪れる。
    「私、死神に取り憑かれてるんです」ーー彼女のその言葉通り、関係者が次々と不可解な怪奇現象に襲われ、遂に死者が出てしまう!果たして弦矢は死の連鎖を止めることが出来るのか?

  • 主人公が素直じゃないからちょっとな〜

  • 見えるけど祓うことは出来ないから、怪異に頭を使って対峙するスタイルが良かったです。主人公がおばあちゃんと話す時に人間味が出るのも好感が持てました。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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