温室デイズ (角川文庫)

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著者 : 瀬尾まいこ
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043942015

温室デイズ (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いじめる立場、いじめられる立場にスポットを当てがちな作品が多い中、この作品のなかではきちんといじめという行為を観察し分析するという人物が登場していて読みやすかった。
    いじめは悪いこと、あってはならないこととは誰でもが認識しているのだが、いじめに歯止めが利かない、いじめられる方にも何か原因があると口にはできるものの、実際に立ち向かう勇気というものに関して、これほど強く信じ行動する主人公に心から拍手を送りたいと思った作品でした。

  • 面白かった!
    次読みたい、次読みたいと私の中の「読欲」を呼び覚ましてくれた気がする。

    山田詠美さんも読んでいるのだけれど、わたしは瀬尾さんの方が断然合う。
    似通っている部分もあると思うので、好き嫌いで読めばいいかと。

  • イジメ、学級崩壊をテーマにした物語。
    今はすっかり大人になってしまったわたしも、かつては、中学生だった。ぬくぬくしてあったかくて、楽しくて、でもしんどくて、そして、生活のすべてだった学校。20年以上も前のことなのに、あの感覚はすぐに蘇ってくる。
    深刻なイジメにあったこともないし、授業にならないといったような学級崩壊もなかったけど、それでも、やっぱり、子どもにしかわからない、子どもの世界特有のしんどいことは、思い返せばいっぱいあった。
    正義感のカタマリそれゆえにイジメの標的になってしまった主人公みちる、小学生時代にイジメにあい転校を余儀無くされた経験があり、ふとしたきっかけで不登校になってしまったみちるの親友、優子。そして、暴力団の親を持ち、家庭環境が最悪の札付きの不良、瞬。

    子どもにとって、学校生活は親が介入できない、まさに、子どもにしかわからない子どもの世界。
    だけど、この物語に描かれたみちる、優子、瞬、それぞれの行動は、親がちゃんと子どもをみているかどうか、家庭に子どもがホッとできる居場所があるかどうか、というそのことがすごく影響していた。
    この3人は、クラスの中では、いわゆる特別な生徒。でも現実は、この物語では脇役として描かれているその他大勢の生徒がいる。イジメを見て見ぬ振りをするというその他大勢。
    この"その他大勢"という子どもを作り出しているのも、もしかしたら、それぞれの家族の結果なのかもしれない。

    もうあと数年で、中学生になる娘たち。中学校生活は、親の手出しのできない世界だとわかっているから、不安もたくさんある。
    でも、それでも、親としてなにもできないわけじゃないんだ。そんなことを考えさせられた物語だった。

  • 瀬尾さんの作品はほっこりする感じが好きで読んでいるのですが
    これは正直イマイチでした。

    全体的に大きな動きもないし
    ラストもパッとしないし
    なんだか何が伝えたかったのか結局よくわからなかった。

    ただ、いじめられているわけでもないのに教室に行けない不登校の子の気持ちはこの本を読んでなんとなくこんな感じなのかーとわかった気がしました。

  • あいかわらず文章は読みやすくて一気に読めた。
    学校崩壊って、ここまでひどくなるもの!?と思ったけど、実際教師の瀬尾さんが書いてるってことはこれが現実なのかな?
    だったら怖すぎる!!

    私の出身中学もかなり荒れてたけど、一応教師に威厳があって歯止めになれてたもんね。
    今はいわゆる「キレる子供」のせいで、例え教師といえど簡単に止められない(身の危険を感じる)ってことだろうな…と感じた。

    話自体はラストはみんないい子になって…みたいな丸くおさめる感動ものじゃなかったから逆によかった!!
    でもなんか感情移入できなかった(特に優子)んで評価低めにしちゃいました。

  • おもしろかったけど、読み終わってみたらもう一捻りほしかった気がする。

  • 瀬尾さんの描く世界ってほんわかしたものが多かったけど、これはいじめのお話。うちの学校は暴力沙汰とかはなかったけど、中学ぐらいって確かにこーゆーのあるよね…

    題材的にどうかと思ったけど、瀬尾さんらしく前向きな展開になっております。

    これは生徒によるいじめの話やけど、先生からのいじめモノなら乙一の「死にぞこないの青」が印象的だったな。

  • とても読みやすい文章で、読むのが遅い私も1日で読めた。

    みちるは正義感が強くていじめに屈しない。そしてその強さこそがいじめられる原因になっていることに胸が痛んだ。

    子供たちはなんと冷たい温室にいることか。
    以前不登校の子供を指導したこともあり、学校に行かれなくなった子供たちの受け皿がきちんと用意されている今のシステムがはたしていいのか悪いのか、悩んでいた頃のことを思い出した。

    最後の2ページで救われた気持ちになった。

  • この本に出会って、瀬尾ワールドにどっぷりつかることになりました。
    この本の舞台は中学校だけど、小学校のときに似たような(といってもこんなに激しくないし、当事者でもない)体験をして、この本を読んで、そうか、こういうことだったのかと思った本。
    自分が思っていたけどできなかったことを主人公がやった。
    主人公は私が想像していたことと同じ結果を作った。
    暗い話かもしれないけど、とても大事なことが詰まっている本だと思う。

  • 瀬尾さんにしてはあまりつぼにはまらず。
    というのも、なんとなく不完全燃焼だし、救いがないからなのかも。
    題材は「いじめ」「学校崩壊」といった重いテーマ。
    こんなに重いテーマなのに、それを感じさせない淡々とした文章には圧巻。

    登場人物それぞれの悩みとか苦労とか思春期特有のどうしようもなさが
    じわじわ滲んでいる作品だなーと思いました。

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温室デイズ (角川文庫)の作品紹介

みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、不良たちの教師への暴力も日常茶飯事だ。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが…。2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。

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