温室デイズ (角川文庫)

  • 1720人登録
  • 3.44評価
    • (61)
    • (198)
    • (278)
    • (47)
    • (7)
  • 167レビュー
著者 : 瀬尾まいこ
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年6月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043942015

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
瀬尾 まいこ
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

温室デイズ (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • いじめる立場、いじめられる立場にスポットを当てがちな作品が多い中、この作品のなかではきちんといじめという行為を観察し分析するという人物が登場していて読みやすかった。
    いじめは悪いこと、あってはならないこととは誰でもが認識しているのだが、いじめに歯止めが利かない、いじめられる方にも何か原因があると口にはできるものの、実際に立ち向かう勇気というものに関して、これほど強く信じ行動する主人公に心から拍手を送りたいと思った作品でした。

  • 面白かった!
    次読みたい、次読みたいと私の中の「読欲」を呼び覚ましてくれた気がする。

    山田詠美さんも読んでいるのだけれど、わたしは瀬尾さんの方が断然合う。
    似通っている部分もあると思うので、好き嫌いで読めばいいかと。

  • イジメ、学級崩壊をテーマにした物語。
    今はすっかり大人になってしまったわたしも、かつては、中学生だった。ぬくぬくしてあったかくて、楽しくて、でもしんどくて、そして、生活のすべてだった学校。20年以上も前のことなのに、あの感覚はすぐに蘇ってくる。
    深刻なイジメにあったこともないし、授業にならないといったような学級崩壊もなかったけど、それでも、やっぱり、子どもにしかわからない、子どもの世界特有のしんどいことは、思い返せばいっぱいあった。
    正義感のカタマリそれゆえにイジメの標的になってしまった主人公みちる、小学生時代にイジメにあい転校を余儀無くされた経験があり、ふとしたきっかけで不登校になってしまったみちるの親友、優子。そして、暴力団の親を持ち、家庭環境が最悪の札付きの不良、瞬。

    子どもにとって、学校生活は親が介入できない、まさに、子どもにしかわからない子どもの世界。
    だけど、この物語に描かれたみちる、優子、瞬、それぞれの行動は、親がちゃんと子どもをみているかどうか、家庭に子どもがホッとできる居場所があるかどうか、というそのことがすごく影響していた。
    この3人は、クラスの中では、いわゆる特別な生徒。でも現実は、この物語では脇役として描かれているその他大勢の生徒がいる。イジメを見て見ぬ振りをするというその他大勢。
    この"その他大勢"という子どもを作り出しているのも、もしかしたら、それぞれの家族の結果なのかもしれない。

    もうあと数年で、中学生になる娘たち。中学校生活は、親の手出しのできない世界だとわかっているから、不安もたくさんある。
    でも、それでも、親としてなにもできないわけじゃないんだ。そんなことを考えさせられた物語だった。

  • 瀬尾さんの作品はほっこりする感じが好きで読んでいるのですが
    これは正直イマイチでした。

    全体的に大きな動きもないし
    ラストもパッとしないし
    なんだか何が伝えたかったのか結局よくわからなかった。

    ただ、いじめられているわけでもないのに教室に行けない不登校の子の気持ちはこの本を読んでなんとなくこんな感じなのかーとわかった気がしました。

  • あいかわらず文章は読みやすくて一気に読めた。
    学校崩壊って、ここまでひどくなるもの!?と思ったけど、実際教師の瀬尾さんが書いてるってことはこれが現実なのかな?
    だったら怖すぎる!!

    私の出身中学もかなり荒れてたけど、一応教師に威厳があって歯止めになれてたもんね。
    今はいわゆる「キレる子供」のせいで、例え教師といえど簡単に止められない(身の危険を感じる)ってことだろうな…と感じた。

    話自体はラストはみんないい子になって…みたいな丸くおさめる感動ものじゃなかったから逆によかった!!
    でもなんか感情移入できなかった(特に優子)んで評価低めにしちゃいました。

  • おもしろかったけど、読み終わってみたらもう一捻りほしかった気がする。

  • 瀬尾さんの描く世界ってほんわかしたものが多かったけど、これはいじめのお話。うちの学校は暴力沙汰とかはなかったけど、中学ぐらいって確かにこーゆーのあるよね…

    題材的にどうかと思ったけど、瀬尾さんらしく前向きな展開になっております。

    これは生徒によるいじめの話やけど、先生からのいじめモノなら乙一の「死にぞこないの青」が印象的だったな。

  • とても読みやすい文章で、読むのが遅い私も1日で読めた。

    みちるは正義感が強くていじめに屈しない。そしてその強さこそがいじめられる原因になっていることに胸が痛んだ。

    子供たちはなんと冷たい温室にいることか。
    以前不登校の子供を指導したこともあり、学校に行かれなくなった子供たちの受け皿がきちんと用意されている今のシステムがはたしていいのか悪いのか、悩んでいた頃のことを思い出した。

    最後の2ページで救われた気持ちになった。

  • この本に出会って、瀬尾ワールドにどっぷりつかることになりました。
    この本の舞台は中学校だけど、小学校のときに似たような(といってもこんなに激しくないし、当事者でもない)体験をして、この本を読んで、そうか、こういうことだったのかと思った本。
    自分が思っていたけどできなかったことを主人公がやった。
    主人公は私が想像していたことと同じ結果を作った。
    暗い話かもしれないけど、とても大事なことが詰まっている本だと思う。

  • 瀬尾さんにしてはあまりつぼにはまらず。
    というのも、なんとなく不完全燃焼だし、救いがないからなのかも。
    題材は「いじめ」「学校崩壊」といった重いテーマ。
    こんなに重いテーマなのに、それを感じさせない淡々とした文章には圧巻。

    登場人物それぞれの悩みとか苦労とか思春期特有のどうしようもなさが
    じわじわ滲んでいる作品だなーと思いました。

  • 大人は温室には帰れない.戻れない.引き返せない.
    それでも,同じことを引き起こさせないことはできる.
    この本を読んだ,いままさに温室にいる子たちが,繰り返さないように.

  • 【あらすじ】
    みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、不良たちの教師への暴力も日常茶飯事だ。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが……。2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。

    【感想】

  • このタイトルですから、いつもどおりのふんわりした瀬尾まいこを想定していたのに、いじめをテーマにした意外にヘヴィーな物語でした。

    みんな仲良く遊んでいた小学校低学年。高学年になって思春期に入りかけた頃の女子のいじめはえぐい。誰がそのターゲットになっても不思議はないが、みちるはヤクザの息子で不良中の不良の瞬と幼なじみだったおかげで、同級生からご機嫌を取られる側。美人で賢く正義感にあふれる優子がいじめられる側となり、どれだけいじめられようと正しい行いに徹していた優子だったが、やがて隣の校区へと引っ越す。みちると優子は同じ中学校に進学して再会。しかしふたりは親友になる。中学校は崩壊が進み、校舎の窓ガラスは残らず割られて花壇は踏みつけられ、教師は生徒に殴られる。このまま中学校生活を終わらせてはいけないと、ある日突然立ち上がったみちるは、同級生からうざがられて酷いいじめを受けるように。

    みちると優子、それぞれの目線で交替に語られます。教師の生徒への接し方もさまざまで興味深い。いじめられてもいじめられても学校に行くみちる。来なくてもいいのにという教師に対してみちるが発する台詞に心を貫かれます。「学校に行かなくても大丈夫にするのが先生なの?つらいことがあったら、逃げ場を作ってあげるのが先生たちの仕事なの?そんなんじゃなくて、ちゃんとみんなが普通に教室で過ごせるようにしてよ」。

    優子が心の中で思うことについても考えさせられます。「義務教育というのはすごい。ドロップアウトした人にとことん優しい。学校に行きたくなければ次のものが用意される。教室でまともに戦うみちるには、誰も手を差し伸べないけれど、逃げさえすればどこまでも面倒見てもらえる。教室で戦うのは、ドロップアウトするよりも何倍もつらいのに」。

    思いの外ヘヴィーな話でしたが、最後はちょっぴり救われる、いつもながらの瀬尾まいこなのでした。

  • 実は昔に1回読んだことがあったのだけれど、忘れてまた借りてしまったもの。
    図書館の神様読んでもそうだったけれど、教師になるのも悪くなかったかなって思うくらい、大変だけどきらきらしている学校生活が描かれていて、今はそういう気持ち懐かしいなと思って読むけれど、当時の私だったらどう感じていたんだろう、と思いました。

  • 2016.7 市立図書館

    6年前に単行本で読んでだけど、内容忘れてた。

    久々に瀬尾さん読んだ。

    やはり読みやすい。
    重いテーマなのに、サクサク読めて、苦しい感じがしない。

  • ある意味、学校だけでなく会社という組織に属している状態も温室かもしれない。その組織にしか理解されない価値観で行き続けるという意味で。

  • 小学校も中学校も中では少しずつ壊れていった流れでいじめが日常茶飯事になる中、いじめる側といじめられる側両方を体験。学校を変えようと頑張るものの結局は学校自体は変わらず、そのかわり、ほんのちょっと自分たちが変わって、たくましくなっています。

    小学校より中学の方が陰湿で、高校になったらますます酷さは増すばかりかと思いますが、彼女たちなら大丈夫、もしかしたら高校では変えることができちゃうかもなんて期待も持てそうです。

  • 途中で気付いたけど読むの2回目だった。
    斎藤くんが好きだ。

  • イジメにあって辛い状況でも「まだ 私は頑張れる」と思える心境が何だか分かるなぁ〜って思った…状況を知って「もう学校行かなくても良い」って言われると逆に大丈夫!って思えるんだよね…辛いのに何でだろう?

  • すごいリアルな話だと思う
    実際、公立の中学ってこんな感じだよ

    今いろいろいじめとか問題になってるけど
    これ教師に読んでほしいと思うね

  • 最後まで事態はほとんど変わる事はないんだけど、それが意外とリアルだと思う。登場人物たちの過渡期を見る本。

  • 気持ちの安らぐ本を読もうと思って、久しぶりに小説を手にした。
    中学校を舞台にしたイジメがテーマだった。
    でも、結末に希望を感じた。

全167件中 1 - 25件を表示

温室デイズ (角川文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

温室デイズ (角川文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

温室デイズ (角川文庫)の作品紹介

みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、不良たちの教師への暴力も日常茶飯事だ。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが…。2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。

温室デイズ (角川文庫)のKindle版

温室デイズ (角川文庫)の単行本

ツイートする