ファイアースターマン日記 (角川文庫 て 10-2)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043943333
感想・レビュー・書評
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残酷で悲しい世の中でも優しく寄り添う心があれば生きていけるそんな物語。
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恋人と別れ、仕事もなくした水沢マリノは、友人の紹介でネット会社のアルバイトをはじめることになります。それは、「ファイアースターマンダイアリー」という交換日記を模したアプリケーションで、「ファイアースターマン」というキャラクターになって、ユーザーの日記に返信をするという仕事でした。
仕事をつづけていくうちに、思いもかけないひととのつながりにマリノが入り込んでいくことになり、なぜか彼女のことを気にかけるバイト仲間の萩原という男とともに、暴走ぎみの活躍をつづけていきます。
著者の小説作品のなかではエンターテインメント性が強いものになるのではないでしょうか。主人公の勢いに引っ張られていくうちに、元気をもらえるような気になります。 -
装丁が素敵です。
可愛らしい表紙です。
その表紙にピッタリの帯タイトル、
「だから、
サヨナラを言うね――過去の自分に。」
D〔di:〕さんて、
漫画、小説、音楽など
幅広く活躍されてる方なんですね。
小説も、
中の挿絵も、
そこに書かれている詩のような文章も、
鋭くて可愛らしくて。
大好きだった彼と別れ、
仕事も失った水沢マリノは友人に紹介されたアルバイトを始める。
それは、
ファイアースターマンというキャラクターになりきって
ネット上でユーザーと交換日記をするというもの。
日記を書いてる人たちも、
それに返事を書く人たちも、
みんなみんな悩んで落ち込んだりしていて。
エリコはどうなったんだろう?
幸せに過ごしてるかな?
もう少し綺麗に回収してもらえればよかったので-☆。
私もファイアースターマンになりたい。
ファイアースターマンがほしい。
「類が友を呼ぶのか?
友が類を呼ぶのか?
孤独が何を産むのか?
何が孤独を産むのか?
恋する瞬間はいつか?
他人と仲良くなる瞬間はいつか?
見ず知らずの人に恋ができるか?
知り過ぎてる人と恋ができるのか?」
「一瞬でいい。おぼれてみろ。生きていたくなるから」
読みやすくて、可愛くて、切なくて。
交換日記がしたくなりました。 -
設定はとびきり面白い。
が、登場人物たちの苦悩はすでに手垢のついたものであるのが少し残念。作者な突き放した視点が好きだったが、割とハッピーに終わってしまった。
文体がポップで楽しい。 -
ファイアースターマン
すきだなあ(*´`) -
再読。
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すごく軽くて現代っぽい小説。
ネット上の日記という扱っている題材とか主人公の話し方(一人称の文)とか。
「新しい」って感じがすごいします。 -
「あなたは今からファイアースターマンなのです!―失恋により人生のどん底をさまよう無職の女子・水沢マリノは、ネット上の架空のキャラクター、ファイアースターマンになりきり、悩める人々と交換日記をすることで、彼らを元気づけるというアルバイトを始める。しかし、様々な人生に触れるうちに事件に巻き込まれ、プロジェクトの発案者の思惑と謎に迫るはめに…注目の新進作家D(di:)が贈る、感動の恋と涙と友情の青春小説。 」
お友達が面白い本ということで貸してくれた本。「D(ディー)」さんの本らしいのですが、
正直見たことも聞いたこともなかったのです。
でも!!すっごい面白かった!
いや、これは傑作。元気にもなれるし、心もあったかくなる。
元気のないときに読むのいいかも!!
主人公を応援したくなります -
「長年叩き込まれた強靭な三高崇拝精神」にがんじがらめのアラサーOLにも「生きているのが恥ずかしい。この世自体が恥ずかしい」ゴスロリJKにも、ファイアースターマンは優しく寄り添い、「勇気づけるコトバで人の心に火をつける」。しかしそんなスーパーヒーロー・ファイアースターマンの実態は失恋と失職にあえぐ人間・マリノであり、「自分だけが辛いって思ったらダメでしょ!」のことばどおり、ファイアースターマン自身がファイアースターマンを必要としている。「辛い状況の人間が、弱っている人間にどこまで勇気を与えられるのか」「他人を励ますことによって、オペレーター自身(=ファイアースターマン)にも何か得るものがあれば」このふたつがファイアースターマンシステムの存在意義であり、つまるところ作品の主題である。(メタファイアースターマン!)そしてこの作品の結末はファイアースターマンとしての活動がうまくいくことにつれてマリノ自身の生活もハッピーな方向へ行く、というもの。まあそんな感じで、「つらいことあっても絶対イイコトあるから元気出してこ~ぜ」的単純なコンセプトと構成だけども、おもしろいのは現代人の悩みとか葛藤のつかみかたが鋭敏なところ。文章自体は文筆が専門じゃないせいか全然洗練されてないけど、だからこそ妙にリアルに感じた。「この世自体が恥ずかしい」とか「跡形もなく消えてしまいたい」とか、これはわたしの話だ!!!と実際ちょっと思ってしまった…。ファイアースターマンの降臨を切に願います。たーすけてー!!!わたしはここだよ!!!「さびしんぼう」のわたしたちへ。
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表紙に惹かれて買ってみた1冊。
正直中身が理解できたかどうかは怪しいけれど、読みやすい作品でした。
恋愛小説として考えればさまざまな人間関係がうまく入り混じって面白かった。
ただ、新しいノベルコミックというスタイルを考えれば、若干キャラがおざなりな気が…。
最後までファイヤースターマンに親しみを持てなかったのが残念。