そんなはずない (角川文庫 あ 49-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043943531

作品紹介・あらすじ

30歳の誕生日を挟んで、ふたつの大災難に見舞われた鳩子。婚約者に逃げられ、勤め先が破綻。変わりものの妹を介して年下の男と知り合った頃から、探偵にもつきまとわれる。果たして依頼人は? 目的は?

感想・レビュー・書評

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  • 「平場の月」がとても良かったので、その後この作者の作品を何冊か読んだ。
    どれも「平場の月」ほどの感動を得られるものではなかった。

    多くの男と関係してきた鳩子だが、今付き合っている男は妹が心を寄せる男だ。
    その妹との確執かと思ったが、そうでもない。
    仕事も男も何だか中途半端で、この作品も何が言いたいのか分からない。

  • 分かりそうで分からない…
    でも分かる!!あれ、分からない…
    と、不思議な感情に包まれた作品だった。

    ただ、主人公の妹の言動に「怖い!!」「嫌だー!!」と怯えてしまった…。

    でも、『私ならどういう人に薦めるかな』と考えると、ちょっとワクワクしてしまう雰囲気の作品。

    姉妹がいる人に薦めて感想を聞いてみたい!!
    今村夏子さんが好きな人にどうかな??
    男性と女性でも感じ方はガラリと違うかも…
    と、そんな事を考えてニヤリとしてしまった。

  • つまらなかった。
    男のおっさんの自分には、共感するとか、納得するとか、そういうのが一切なかった。

  • 「大丈夫かどうかなんてわからない、っていいね」
    ー松村鳩子

  • 30歳の誕生日を挟んで、ふたつの大災難に見舞われた松村鳩子。婚約者に逃げられ、勤め先が破綻。失業保険が切れる頃に変わり者の妹・塔子を介し、年下の男、午来と知り合って以来、心ならずも過去の男たちとつぎつぎに会う羽目に。新しい職場である図書館の同僚たちに探偵がつきまとい、鳩子の男関係を嗅ぎまわっている。果たして依頼人は?目的は?

    妹の塔子が怖すぎ。そこまでするかって感じ。

    頭で考えるんじゃなくて、全身で感じることが大切なのね。

  • 裏表紙を見て面白そうと、思ったが・・・失敗。
    この人の作品は私には合わないみたい。
    そういえば前に読んだ本もイマイチ合わなかったんだ

  • 最近「好かれようとしない」「肝、焼ける」を読んでいたので、
    鳩子のようにモテる(?)女が主人公なのは不思議な感じ。

    朝倉かすみが書く女は、計算高くて(それが功を奏しているかは別として)、黒い部分がばーんと描かれていて、怖くもあるのだけど、何故だか憎めない。
    そうそう、そういう風に考えちゃうんだよねーと共感したり、私はこの人よりはましだわ、と安堵したり。笑
    でも登場人物の印象が読んでるうちにグングン変わっていく。

    今作では、鳩子の歴代元カレたちや新たな恋も出てくるが、正直男たちの印象は薄い。
    それよりも、鳩子や妹の塔子、図書館の同僚、(母も含め)、女たちがみんな強烈だ。
    鳩子と塔子の対比、そして誰かも書いていたけど、どこかから二人の印象がガラリと入れ替わっていくのが興味深い。

    朝倉さんの言葉使いや「間」の感じは好きだけど、
    特に好きな作品とはならなかったかな。

  • 以前、単行本で読んだものを再読。

  • 珍しく、まともな(?)恋愛小説。
    家族モノのエッセンスあり。

    両親に挨拶までした婚約者に捨てられた上、会社も倒産してしまった主人公・鳩子。
    大災難を経つつも図書館の臨時職員の職を得て、
    妹・塔子の知り合い午来くんとほのかな恋愛がはじまる。

    けれども自分の昔の男関係をかぎまわる探偵が現れ、
    元彼たちと再会してしまう。

    恋愛モノ~?
    と思って読んでいたら、だんだんベクトルが変化していき、
    妹・塔子の歪んだ思考が発露してからは精神ホラーの寒気を感じる展開に。

    主人公・鳩子は堅実な性格で地味ながらもしっかり恋愛遍歴を重ねている。
    妹・塔子は変わり者の自由人で、実はオクテ。

    姉妹の対照性は最初の頃、
    主人公のいかにも女性的な厭らしさが前のめりになるから、
    妹の方が自分らしくのびのび生きている印象を強める。

    それがいつの間にかぱたりと逆転していて、
    登場人物たちのイメージが塗り変わる。
    読んでいて不思議なほど世界観が変わっていった。
    これを表現するのは私の筆力では厳しい。


    展開も、小ズルイ主人公も、ぶっ飛んでるけどその狂いが納得できる妹も魅力的だけれども、
    出てくる男性たちがいまいち現実感がなかった。
    この作品に出てくる男たちは女が想像する卑小で、可愛い男だと思う。
    たとえば、
    理由もなく私に恋に落ちたり
    別れた後も私を求めていたり。
    自分が一番可愛くて、悪いのはすべて女のせいにしたり。
    だから男性が読んでも共感が薄いのではないかな~と思ふ。
    そこが少しどうだろう、と思ったけれど、
    主人公と妹の関係はすごく興味深くて、親子の物語でもあり、
    色々な面で楽しめる話だった。
    物語の季節はちょうどいま、お正月だし。

    ハッピーエンドなのも珍しくてよいと思います。

  • なんだか、言葉の選び方がとってもツボに来る!とて
    わくわくしながら読み進めました。
    話が進むにつれて、その言葉の新鮮味はうすれていったのですが…(なじんだ?)
    キャラクターも、なんか好きでした。
    こういう、ちょっと変わった子が私の周りにもっといればいいのに。
    姉妹、変わってますよね。
    地味そうでいてそうでもなくて、
    目立って変人でもないけどいたら「あっ、おもしろい人だ」って
    友だちになりに行っちゃいます。私なら。


    家族のあたたかさが後半ちょっとだけじわっとでてきた。
    恋愛の話は、八人めの男がなかなか活躍しなくて
    ようやく最後結ばれた(性的な意味で)。
    でも望んだ結末です。
    いまいち先の見通しが立たないような人ばかりが登場するけど、
    そんなのが今の気分です。
    日本全体もそうなのかしらね。ゆるっと今を生きている、と。
    さて、この人の次の作品をサーチしましょ(わくわく)

    ※解説もまずまずよかった。

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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