世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)
- KADOKAWA (2011年5月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043943951
感想・レビュー・書評
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おもしろい。知らなかったことが盛りだくさん。だけど、自分の目で確認するだけの度胸も胆もないものだから、イラストで充分です。捌かれた後のお肉と料理の紹介が豊かすぎて、新鮮なホルモンを食べに行きたくなります。
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インタビューだけでなく、自分でちゃんとやるとこ好感もてる!
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・私が食べているお肉が生きている動物からどのように作られているのか
・屠畜場の重要な役割
動物には病気や不衛生な個体がおり安全に屠り食肉にするには技術や設備が整う屠殺場が重要な役割を担っている。日本で獣畜(牛豚馬羊山羊)を勝手に解体してはいけないのも食中毒や病気の蔓延を防ぐためである。ただ少し前の沖縄では羊と山羊は捌けたらしい。
・屠殺やその職に関わる労働者に対する国毎のイメージや考え方
面白いなと思ったことが国や宗教によっては屠殺にとても肯定的な考えがあること。
例えばバリのヒンドゥー教徒の考えにお供えとして殺された植物や動物は位が上がり天国に行けたり生まれ変わったらより良い身分になれるとされている。人間の食事も人間へのお供えとそれるので屠殺は良い行為である。
他にもモンゴルの遊牧民はそもそも食は他の生命の犠牲に成り立っているとしてる。
屠殺という職業に関しても一部の宗教的には神様への生贄やお供えとして動物を屠ることが多々あるためその技術は良いものとされている。
・韓国や中国での犬食文化
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世界を旅しながら屠畜について考えられる本
イラストが結構沢山あって状況がイメージしやすく
お肉メインのお手軽世界旅行ができる
日本の場合だけでなく海外での事例も食文化に触れながら
生き物をつぶすことについて知れる
なかなか屠畜なんてテーマで世界旅行する人は居ないだろうけど
ひとつのテーマを持って世界を回るのって楽しそう
読後感がクレイジージャーニー観たあとみたいな感じ
あと読んでると色んなお肉食べたくなる
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世界各国の屠畜事情、どのような動物をどのような事情でつぶして食肉に仕立てるか、屠畜に関わる職業とそれらへの差別はどうなっているのか、などに取材した内容。
著者の「差別とはなにか」「『動物をつぶす』ことが『残酷』とはどういうことか」という疑問への真摯な姿勢と、屠畜という職業への愛が伝わってくる本だった。
「食育」に興味のあるかた、また「食べること、食べられること」に関心のあるかたにおすすめしたい。 -
食べるために動物の命を奪い解体する。人が生きるために必要な行為が時と場所により差別される。世界の屠畜を取材、豊富なイラストで解説した作品。
詳細なイラストと装丁が何より魅力の一冊。あまりに細かく老眼には少々厳しい。
臭いもあれば血もある現場、通訳ガイドかみ怯んでも筆者は全く平気である。
日本から韓国、モンゴル、アメリカなど世界を取材、良質のノンフィクション。 -
なかなかしつこく屠殺について調べていて、興味深く読んだ。
しかし、この本も相当前の本だから、今は事情も変化しているんだろうな。
ちなみに、私は、著者と同じく、屠畜と動物愛護は別物だと思うし、肉食べてる以上、屠畜には敬意を払うべきといつも思ってる! -
世界の”屠畜”模様のレポート。
元は、被差別部落の職業差別レポートだったはずだけど、
いつの間にやら、屠畜レポートに。
家畜を食品にする、難しくてありがたい職業だけど、
宗教、文化、食生活、政治で、いろんな立場に。
とにかく、お肉食べる時は「いただきます」を
ちゃんと言いましょう。 -
内容は良いのだが、イラストが小さすぎで見づらいのが非常に残念。分割掲載とかしてくれればいいのに。
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高野秀行さんの著書に度々名前があがり、とても気になっていました。
家畜とスーパーで並んでいるお肉はどうしても別物となっている現在。
家畜がどのようにしてお肉となるのか。
実はとても興味がありました。
内澤さんは世界中の屠畜中を見て周り、スケッチし、インタビューし、そして食べる!
どうしても屠る現場を見ると食べられない人が居ることも想像出来ますが、家畜は食べてこそと言うか。
上手く言えませんが、とても考えさせられます。
お肉はもちろん、お魚もおろせない私にとって、家畜とお肉がひとつに繋がらないと言うか。
もやもやしてものがすっきりした気分です。
~なんである。
内澤さんの語り方、癖になります。
イラストも味かありますね。