首ざぶとん (角川ホラー文庫 す 3-2)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年11月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043943968
感想・レビュー・書評
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フリーター"まりか"と華道教室の若先生"龍彦"との周りで巻き起こる怪奇現象を題材とした連作短編集。表題作『首ざぶとん』を含め各短編の設定内容は非常に興味深くそそられたのも事実であった。人は解釈次第で怖さを操作出来るが、その解釈も説明も出来ない事が1番怖いのだという事を思い知らされる。だけど何でこの主人公コンビを共通登場キャラにしたのだろう。怪異探偵シリーズっぽくなり、しかもまりかが龍彦に淡い恋心を抱いた日にゃ一気に面白さ半減。あーあ、いい感じの怖さのあるネタだけに残念。
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連作の怪異譚四編。語り口も雰囲気も非常に好み。けども全体としては、おしい、という印象。
各話の中に出てくる怪談エピソードは秀逸なのですけれども、そのエピソードを取り込んだ中編の物語としては、そして同じ登場人物を使った連作短編としては上手く材料を消化しきれていないのではと感じました。
表題作以外の三作は、狙って作り出しているであろう不条理で不穏な雰囲気に対し、ぎりぎりで、ぎこちなさと冗長さが勝ってしまっているように思えます。
このような構成を取るならもう少し練れたのではないかなぁと思えてしまう。
好みなだけになおさら。 -
物語には、常に『説得力』が必要だ。理不尽を扱うホラーといえどその例外ではなく、「理不尽が必然な世界であること」への説得力があって然るべきで、少なくともそこに文章力の幾らかを傾けられるべきだと、そうぼくは思う。この『首ざぶとん』にはそれが欠如している。具体的に言うなら龍彦浅すぎ。ただの怪談好きでちょっと浮世離れしたレベルでマイペースな兄ちゃんが、なんで探偵役を務められちゃうんだよう。ってな具合で、表題作の途中まではいい具合に慄然とさせてくれていたので、以降の期待外れっぷりにはなおのこと不満が残った。
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2012年9月17日に開催されたふるさと怪談@神戸で購入。著者のサインと共に「安心の息を吐けばまだ闇に独り」という警句が入っています。
実はこの著者の作品を読んだことがないまま、ふるさと怪談で何度かお話をお伺いして、その話術に引き込まれてしまいました。長い腕で独特のアクションを取りながらのお話は、怖い中にも笑えるポイントがあって味わい深いです。
でもこの本は手加減なく思い切り怖くて、久しぶりに恐ろしくてお風呂に入りたくないという経験をしました。シャンプーするときに目をつむりたくない・・・(お風呂に関する怪談ではありませんが) -
表紙&タイトル買い。出だしはゆるりと、じわじわと来る怖さ。怪談蒐集が趣味の華道師範の龍彦とその生徒で女子高生のまりか。京都の町で二人が出会う「怪異」の数々。謎は謎のままという、モヤモヤ感も計算のうちなのかな?シリーズ化したら面白そう。
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べたやけど好奇心がゆえに巻き込まれて行く2人とその周辺がおもしろい。怖いけどおもしろいのは大好き。2冊目おめでとうございます。
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表題作が最高!!興奮した。
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都市伝説と怪談が混ざったようなシリーズものホラー短編集。
説明のあっさりした中にも効果的な恐怖演出があって
ホラー好きなわたしにとっては心地良かったです。
一番すきな話は都市伝説色が強い「ひじり」かなー。