幽霊詐欺師ミチヲ (角川ホラー文庫 く 2-1)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944262

感想・レビュー・書評

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  • どこかの書評ブログさんで見かけて、持ち歩き用の文庫が欲しかったので購入。
    冗談みたいな著者名に美麗挿画で幽霊もの。当たればラッキーくらいだったんですが、1冊読んだ感じでは個人的には上々でした。

    借金苦で自殺をしかけていたミチヲは、長身痩躯のカタリに声をかけられ、幽霊相手の詐欺を手伝う事になる。カタリの相棒は犬のカネコ。現世に未練を残した幽霊に身元を偽り近づいて、その財産を手にする。

    若干カタリの口調が鼻につかないでもないけども、変に良い人感も出してないのでまぁ良し。カネコが愛玩動物らしからぬ程に小憎らしくて人間臭い辺りもいい。ミチヲもヘタレ要素はあるけれど、本気でヤバげな状況に置かれている割には案外しっかり立ってるし、そんなに無駄口も叩かない(行動時間に制限があるからそんな暇ないのか)のでこれも良し。
    基本的に登場人物が心情や台詞で読者に媚びる雰囲気はあまり無く、どちらかというと事象の流れを中心に構成しているのが、ドライな印象になって読みやすい。

    短編ではなく中編が2本なので、地盤がしっかりしたかなと。
    ホラー文庫なので幽霊描写が容赦ない。ナイススプラッタ(笑)。
    重くもなりすぎず、ただのお涙モノにもせず、マンネリにならない程度に多彩なスプラッタ描写でさくさく進み、読後感もスッキリと。

    あと2冊ほど出ているようなので、もうちょっと読んでみよう。

  • 店頭でパラ読みし押切蓮介氏の漫画を初めて読んだ以来の衝撃を受けた。
    ぶっちゃけ怖くはないがグロ描写はあるので、グロが苦手でなければ是非読んで笑ってほしい。それでいてちょこちょこ泣かせにくるのでずるい作品。
    19歳の気弱な青年ミチヲが幽霊相手に詐欺を仕掛けて金を稼ぐのだがミチヲのお人好しぶりは全く詐欺師に向いておらず詐欺に成功しているかと言われれば失敗だがその過程が面白い。

  • 「幽霊相手に結婚詐欺」って色々と疑問符の浮かぶフレーズだが、詐欺の手口や幽霊理論がしっかりしていて納得させられる。 遭う度に反応が変わっていくマミコさん可愛いですw

  • その場面場面が想像しやすい文体で、読者を引き付ける感じで面白く、一気に読み終えてしまった。想像しやすい分、要するに表現がリアルだから、ホラーストーリーであるのでグロテスクな部分がやけに生々しい。が、グロテスクな表現が大丈夫な人であれば、主人公とサブキャラの掛け合いも面白いので、オススメ出来る一冊だった。カネコのキャラ性がなかなか良いと思う。犬なのに。

  • 記念すべき初仕事は女の幽霊相手の結婚詐欺!?
    執着する場所から引き剥がし、生前に貯めた金を巻き上げる、どう考えても自分には無理だ…。
    シリーズ1作目にあたる作品。mission1と2が収録された連作集となっています。

    幽霊を相手にした仕事ということで、だいぶ不気味な内容ですね。
    亡くなった方の想いを伝えるジーンとくる作品とは正に対極。
    血みどろの悪霊が…!スプラッタ!時々コミカルといった感じ。たまにクスッと笑えます。
    それが救いだけど不謹慎でもある。ミチヲ君の行く末が大層気掛かりであります。

  • ありふれたホラーをロードローラーで踏み抜いたような滑稽さにページをめくる指が早まった

  • 表紙の絵柄が好みだったので購入したのですが、面白かったです。マミコの設定がすごく好きです…!

  • デビュー作が個人的に大絶賛だった黒史郎。
    今作は,謎の男カタリに声をかけられ,借金の肩代わりに幽霊相手に詐欺を働くことになった青年ミチヲの話。
    軽いようで意外に重い,そしてグロい。
    ミチヲがダメだけど憎めないキャラ。

  • ホラーなのに……シーンは凄惨で背筋が寒くなるような光景のはずなのに――コミカルな物語に思えてしまうのは、これ作者の文章の力なんでしょうね。
    続きも読みたいと思います。

  • これ、おもしろかった…!
    最初の女性の描写でなかなかアウトだったのですが、ミチヲはじめカタリさんやカネコのキャラ性に引き込まれていきました。続いているなら読みたいなーと思っていたら結構出ているんですね。手を出してみようかしらん

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著者プロフィール

黒 史郎 (くろ・しろう)

小説家として活動する傍ら、実話怪談も多く手掛ける。「実話蒐録集」シリーズ、「異界怪談」シリーズ『暗渠』『底無』『暗狩』『生闇』『闇憑』、『黒塗怪談 笑う裂傷女』『黒怪談傑作選 闇の舌』『ボギー 怪異考察士の憶測』『実話怪談 黒異譚』『川崎怪談』ほか。共著に「FKB饗宴」「怪談五色」「百物語」「怪談四十九夜」「瞬殺怪談」各シリーズ、『未成仏百物語』『黄泉つなぎ百物語』『ひどい民話を語る会』など。

「2023年 『横浜怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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