小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む (角川ソフィア文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001421

作品紹介・あらすじ

城もなく武士はわずか数十人。人口一万人余りの伊予小松藩には、江戸時代で唯一、150年以上も書き継がれた日記がある。互いに顔の見える小藩だからこそ、代々の幹部たちは私利を計らず誠実に藩政に取り組んできた。不作の兆しを把握し、大飢饉には一人の餓死者も出さなかった。領民の命を守ることが優先された、類をみない善政が日記から読み取れる。天災、幕府の圧政を乗り越えたもう一つの江戸時代がわかる貴重な記録。

感想・レビュー・書評

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  • 元版の原題がええなぁ。

  • 東2法経図・6F開架:218.3A/Ma67c//K

  • 29年8月7日読了。伊予小松藩1万石。人口1万人。正式な武士は数十人。面積は今の村や町程度の規模。城も持たない小さな藩ではあったが、江戸期を移封も改易もなく乗り切った。ペリー来航時には、幕命で沿岸警備にもあたる。準備を始めると様々な不備が発生。異変を知らせる法螺貝がちゃんと鳴らない。大砲が使い物にならない。足軽達が具足を整えるお金を貸して下さいと藩に無心に来る。巡回や連絡用の馬が必要だが、藩には一頭しか馬はいない。笑える様な記録。しかし小松藩は、困難に直面する度に藩士と領民が一つになって、乗り越えてきた。小さな取るに足らない藩の、大きな素晴らしい記録。その時代を生きた人々の、息遣いまで聞こえるような貴重な記録が、残されていた。

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著者プロフィール

1930年長崎市に生まれる。旧制甲南高等学校卒業。以来、将棋史および盤上遊戯史を研究。
大英博物館リーディングルーム・メンバー、国際チェス史研究グループ会員、チェス史研究支援財団名誉会員、チェス・コレクターズ・インターナショナル会員、遊戯史学会会長、日本将棋連盟将棋歴史文化アドバイザー。第17回将棋ペンクラブ大賞特別賞、第21回大山康晴賞受賞。
著書に、『賭博の日本史』『碁打ち・将棋指しの江戸』『碁打ち・将棋指しの誕生』『将棋の起源』『盤上遊戯の世界史』『日本遊戯史』『日本遊戯思想史』『将棋の歴史』『遊戯の起源』『江戸の目明かし』(以上、平凡社)、『将棋I・II』『盤上遊戯』『賭博I・II・III』『碁』『さいころ』『すごろくI・II』『合わせもの』『チェス』『遊戯I・II』(以上、法政大学出版局)、『将棋の駒はなぜ40枚か』(集英社)、『ゲームの博物誌』(JICC出版局)、『将軍家「将棋指南役」』(洋泉社)、『小さな藩の奇跡』(KADOKAWA)など。

「2021年 『〈大橋家文書〉の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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