孫子の兵法 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002541

作品紹介・あらすじ

”彼を知り己を知れば、百戦して危うからず”現代に生きる孫子の兵法を学ぶ

史上最高の兵法書といわれる『孫子』。二千年以上の時を超え読み継がれる兵法は、どのように生まれ、伝承されてきたのか。現代社会を生き抜くため、ビジネスに応用するために必要な、兵法戦略の要点と特色を明らかにする。時代ごとに変遷する中国兵法の系譜を追った本書は、『三国志』をはじめとする、中国の歴史書を読むために必携の書。兵法用語や兵書名を簡潔にまとめた「中国兵法小事典」付き。

第一部 中国兵法二十講
第一講 作戦の立案とは?
第二講 戦いの義とは?
第三講 国政と軍事の関係は?
第四講 将軍の資質とは?
第五講 スパイの活用は?
第六講 優秀な兵士を選ぶには?
第七講 威厳と寛容、その使い分けは?
第八講 兵士を鼓舞するには?
第九講 戦争のスピードとは?
第十講 組織と個人の関係は?
第十一講 国境を越える時の心がけは?
第十二講 敵兵力を分断するには?
第十三講 犠牲と利益の関係は?
第十四講 注意すべき地形や方位は?
第十五講 攻撃と守備、どちらが大切か?
第十六講 巧みな変化のモデルとは?
第十七講 敵に罠を仕掛けるには?
第十八講 劣勢を挽回するには?
第十九講 それでも勝てない時は?
第二十講 日本兵法の特色は?
 コラム 『孫子』以前の兵法か─『曹沫之陳』─

第二部 中国兵法の展開
(1)兵書はどう分類されたか
(2)呪術的兵法の系譜
(3)兵法の統合
  コラム 兵書のたどった運命─『武備志』─

第三部 中国の軍神
(1)戦争神の登場─黄帝と蚩尤の戦い─
(2)蚩尤像の変容
(3)荒ぶる神から忠義の武神へ
附録 中国兵法小事典
参考文献

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:399A/Y96s//K

  • 兵法とその周辺の中国の戦術論的な書物(うつりょうし、荀子、老子等)の解説本。
    項目別にさらっと現代的な解釈をつけている。

    深堀したい人にとっては物足りない気もするが、入門書として、古代中国の戦術とかマネジメントに対する考え方を俯瞰する上では良書だと思う。

    また、温故知新、というか…案外ものの見方って変わってないし、大勢の傾向はこうだけど本質はこう、みたいなことって変わっていないんだな、という。。人間だもの!?

    作戦の立案とは―彼を知り己を知るー情報収集ー冷静な判断

    兵は無過の城を攻めず、無罪の人を殺さず。-戦争は、やむを得ず行うもの。戦いとは、…あくまで不義の者を懲らしめるための行動。

    p.52 占領地の政策について:
    一年其の俗に従い、二年其の徳を用い、三年にして民得ることあり、四年にして号令を発し、五年にして刑を以て正し、六年にして民畏敬し、七年にして以て征すべし。
    →「柔」から「剛」、「寛」から「猛」へと段階的に政策を推進

    p.81
    勢い必ず損有り、陰を損ないて以て陽をます。
    →形勢には必ず損失が出るという局面もある。そのような時には、多少の損は覚悟して、大局的な利益を獲得するように努める。

    p.100
     →水は地形に即して流れを決め、軍隊は敵の実情に応じて勝ちを制する。…すべては敵の変化に自在に対応して勝利を収めるのである。

    p.101

    勝利を収める軍隊というのは、水のようである。水はこれ以上なく柔弱なものである。しかし、水のつきあたるところ、巌も砕き、水のしみ込んだ丘はがけ崩れを起こす。特別の理由があるわけではない。そのひたすらな性格で、行く手をさえぎる物につきあたるからである。

    p.170 -合理と迷信
    人が軍事行動を起こすとそれに対応して、天が勝敗の気を人に示すという。一方で、雲気を全面的に信頼してはならない…むしろ、「軍政を修め、智慮を高め、号令を厳にし、賞罰を正す」という人為的努力が大切―たとえ敗北の気にあっても、それで敗北が決定するわけではなく、自身の行動を反省し、教令を一層厳重にするという人為的努力をすれば、負けを転じて勝ちとなすことができる。

  • 孫子の兵法というより、古代中国の兵法書の分析、という印象かな。
    私はもう少し初歩の、孫子の現代語訳を買ったつもりだった

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著者プロフィール

大阪大学大学院文学研究科教授

「2016年 『増補改訂版 懐徳堂事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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