- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044083090
作品紹介・あらすじ
妖怪とは何か。河童・天狗の論考、妖怪の名前を集めた"妖怪名彙"-。日本各地を歩き見聞した怪異伝承を編纂し、妖怪という文化現象から日本人の心を明らかにしようとした妖怪研究の集大成。引用文の出典とされる資料にもあたり、詳細な注と解説を付す決定版。
感想・レビュー・書評
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文体が古いので読みづらさはあります。
しかし妖怪研究の先駆けの書として、興味のある方はぜひ手に取って欲しい本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・「山男の家庭」に『天狗の陰間』についての記述有
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読み終わってからなぜかウルトラマン観たくなったし、読み終わってから最大限の妄想力をもってダイアログ・イン・ザ・ダークに行きたいと思った。たぶんこの本の楽しみ方を間違えてる。
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妖怪、すなわちお化けの話。人を恨んで出る幽霊と違って、お化けは人を驚かせることが目的らしい。夜が本当に暗かった時代の夕暮れの心細さ。大きなくぼ地を、だいだらぼっちの尻もちの跡だと説明した人びとの想像力。日本人が自然に対して持っていた、畏れと愛着を垣間見ることができる。和紙のような装丁は大竹尚貴+鈴木久美さん。
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たぶんこれは、日本における「妖怪」に関する知の、黎明を告げる書物なのだろう。もちろん『雨月物語』など怪異譚はあったが、民俗現象として本書は「妖怪」を対象化し、各地のヴァージョンをまとめていくことにより、具体的な妖怪のイメージを提示した。そこから泉鏡花も、水木しげるもやってきたのに違いない。
柳田国男の論理形式は相変わらず、首をかしげざるを得ないような飛躍を含んでいるが、全国各地の地誌を収集して「民俗学」という知のカテゴリへと上昇させた業績は大きい。 -
基本的に柳田さんは妖怪の実在に関しては否定派なのね。
解説で言われてるように、かなりざっくりとした解釈でまとめられてるところもあるし、読者に対して不親切なところもある。それでも、ある程度のまとまりを意識して編集されてるから読みやすくはないし、わかりやすくもないけど、読めない、ってことはなかった。
タイトルから想像されるようなエンタメ性バラエティ性は皆無なので注意。