大人のための世界の名著50 (角川ソフィア文庫)

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  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044094553

作品紹介・あらすじ

『聖書』『ハムレット』『論語』『種の起源』ほか、世界の文豪や知識人たちが著した「知の遺産」を精選。独自の「要約」でわかりやすく、「読みどころと名言」や「文献案内」も充実した名著ガイドの決定版!

感想・レビュー・書評

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  • 突然古典を読みたくなって、その為のガイドとして購入。初っぱなのアランの幸福論からして面白そう。で、原著翻訳の方も平行して読んでみることに(ほどなく挫折・・・)。
    ともあれ、以下に示すように<自分を知るために><人間を知るために><社会を知るために><歴史を知るために><自然を知るために>と区分けして、古典が列挙されている。選書の参考にしたい。
    <自分を知るために>
    1.「幸福論」アラン(エミール・シャルティエ;1868-1951)
    2.「夢判断」フロイト(1856-1939)
    3.「森の生活ーウォールデン」ソロー(1817-62)
     19世紀アメリカ文学の代表的古典。自然派、エコライフ、孤独を楽しむ。
    4.「自己信頼」エマソン(1803-82)
     19世紀アメリカの思想家エマソンのもっとも有名な論文。詩人のホイットマン、哲学者のニーチェに影響を与える。
    5.「赤と黒」スタンダール(1783-1842)
     恋愛の駆け引きもの。
    6.「方法序説」デカルト(1596-1650)
     「我思う、故に我あり」。う~ん・・・
    7.「ハムレット」シェイクスピア(1564-1616)
      シェイクスピア4大悲劇のひとつ。「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」。
    8.「エセー」モンテーニュ(1533-92)
     読書三昧の日々に記したエッセイ。博学の無知。
    9.「ソクラテスの弁明」プラトン(前427-前347)
     ソクラテス(前470-前399)の裁判における弁明を弟子のプラトンが記録。無知を知れ。
    10.「論語」孔子(前551-前479)
     四書(論語、大学、中庸、孟子)の筆頭。今でも使える人生の指針。
    <人間を知るために>
    11.「自由からの逃走」フロム(1900-1980)
     自由=孤独と不安からナチズムなどへの依存が起こる。
    12.「ホモ・ルーデンス」ヨハン・ホイジンガ(1872-1945)
     ナチスに抵抗。遊ぶ人。
    13.「わたしの生涯」ヘレン・ケラー(1880-1968)
     サリバン先生との奇跡の物語。
    14.「ツァラトゥストラかく語りき」ニーチェ(1844-1900)。
    15.「戦争と平和」トルストイ(1828-1910)
    16.「罪と罰」ドストエフスキー(1821-1881)
     『貧しき人びと』とか『虐げられた人びと』とか『賭博者』
    17.「ファウスト」ゲーテ(1749-1832)
    18.「意志と表象としての世界」ショーペンハウアー(1788-1860)
    19.「自伝」フランクリン(1706-1790)
     代表的アメリカ人、アメリカ最初の外交官といわれたフランクリンの波瀾万丈、紆余曲折の半生が描かれる。鶴見俊輔の訳が面白そう。
    20.「パンセ」パスカル(1623-1662)
     天才数学者+キリスト教のセールスマン
    <社会を知るために>
    21.「セールスマンの死」アーサー・ミラー(1915-2005)マリリンの元夫。
    22.「オンリー・イエスタデイ」アレン(1890-1954)1929年の大恐慌の描写。
    23.「世論」リップマン(1889-1974)20世紀最高のジャーナリスト。
    24.「審判」カフカ(1883-1924)不条理の世界を描く。
    25.「有閑階級の理論」ヴェブレン(1857-1929)
    26.「ゲマインシャフトとゲゼルシャフト」テンニエス(1855-1936)
     社会学の創始者のひとり。地縁血縁からなるゲマインシャフト、観念的機械的な形成物であるゲゼルシャフト。
    27.「社会契約論」ルソー(1712-1778)当時、発禁処分を受ける。
     自伝「告白」あり。
    28.「ロビンソン・クルーソー」デフォー(1660-1731)
    29.「ユートピア」トマス・モア(1478-1535)
    30.「君主論」マキアヴェッリ(1469-1527)君主は清濁併せ呑むべし。政治の現実論。
    <歴史を知るために>
    31.「コン・ティキ号探検記」ヘイエルダール(1914-2002)
    32.「夜と霧」フランクル(1905-1997):アウシュビッツの悪夢
    33.「ジョゼフ・フーシェ」ツヴァイク(1881-1942):日和見主義者の末路
     ツヴァイクは伝記作家として名高い。
    34.「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」マックス・ヴェーバー(1864-1920)
    35.「イタリア・ルネサンスの文化」ブルクハルト(1818-1897)文化史/美術史の創始者。
    36.「航海誌」コロンブス(1451-1506)
    37.「三国志演義」羅貫中(14世紀中頃):2世紀末~3世紀末の3国時代
    38.「歴史」ヘロドトス(前490頃-前425頃):ペルシアのギリシャ遠征話など
    39.「イリアス」ホメロス(前8世紀頃)
    40.「聖書」:紀元前1000年~紀元後百数十年
    <自然を知るために>
    41.「二重らせん」ワトソン(1928-)
    42.「沈黙の春」カーソン(1907-1964)
    43.「科学革命の構造」クーン(1922-1996):パラダイムによる分析
    44.「銀河の世界」ハップル(1889-1953):膨張する宇宙の観測
    45.「からだの知恵」キャノン(1871-1945):ホメオスタシス概念の提唱
    46.「昆虫記」ファーブル(1823-1915):文学者の一面も。
    47.「種の起源」ダーウィン(1809-1882):自然選択概念の提起
    48.「『絶対』の探求」パルザック(1799-1850):人間喜劇
    49.「手記」レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)
    50.「古い医術について」ヒポクラテス(前460頃-前375頃):医学の父

  • 木原武一(1941年~)氏は、東大独文科卒の翻訳家、著述家。古今東西の偉人・著名人を紹介した人生論、読書案内などの著書多数。
    本書は、2005年に単行本で出版され、2014年に文庫化された。
    構成は、各作品について、著者と作品紹介、要約、読みどころと名言、編者からひとこと、文献案内、が6頁ほどでまとめられており、大変読み易い。(但し、「要約」は、あらすじというより、ポイントとなるパラグラフの引用に近い)
    紹介されている50冊は以下である。
    <自分を知るために> アラン『幸福論』、フロイト『夢判断』、ソロー『森の生活』、エマソン『自己信頼』、スタンダール『赤と黒』、デカルト『方法序説』、シェイクスピア『ハムレット』、モンテーニュ『エセー』、プラトン『ソクラテスの弁明』、孔子『論語』
    <人間を知るために> フロム『自由からの逃走』、ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』、ヘレン・ケラー『わたしの生涯』、ニーチェ『ツァラトゥストラかく語りき』、トルストイ『戦争と平和』、ドストエフスキー『罪と罰』、ゲーテ『ファウスト』、ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』、フランクリン『自伝』、パスカル『パンセ』
    <社会を知るために> アーサー・ミラー『セールスマンの死』、アレン『オンリー・イエスタデイ』、リップマン『世論』、カフカ『審判』、ヴェブレン『有閑階級の理論』、テンニエス『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』、ルソー『社会契約論』、デフォー『ロビンソン・クルーソー』、トマス・モア『ユートピア』、マキアヴェッリ『君主論』
    <歴史を知るために> ヘイエンダール『コン・ティキ号探検記』、フランクル『夜と霧』、ツヴァイク『ジョゼフ・フーシェ』、マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』、コロンブス『航海記』、羅貫中『三国志演義』、ヘロドトス『歴史』、ホメロス『イリアス』、『聖書』
    <自然を知るために> ワトソン『二重らせん』、カーソン『沈黙の春』、クーン『科学革命の構造』、ハッブル『銀河の世界』、キャノン『からだの知恵』、ファーブル『昆虫記』、ダーウィン『種の起源』、バルザック『「絶対」の探求』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『手記』、ヒポクラテス『古い医術について』
    古今東西の幅広い、著名な作品が取り上げられており、できることなら全て読みたいところだが(私がこれまでに読んだのは、抄訳も含めて16冊ほど)、中には大部のものもあり、悩ましい限りである。
    そうした意味でも、エッセンスがコンパクトにまとまった本書は、大いに価値ある一冊といえる。

  • 選ばれている名著もバランスがよく、幅広い分野から選ばれており、納得のいくものである。
    1冊において、著者、作品紹介、内容の概略、著書からの抜粋、著書の判型案内と、コンパクトに3ページで各書、納められている。
    ブックガイドによっては、内容の説明はあるが、抜粋がないため、一体、どのような感じで書かれているかが、わからないものがあるが、その点、本書は、紹介されている書のトーンがわかり、有り難い。
    また、書評、本の紹介において、要約が肝心であるが、上手くまとめられている。
    そのため、3ページという短い紹介であるが、本の内容を把握することは、十分可能である。
    新入学の季節であるが、無理して、必読書という硬い本にチャレンジするよりも、この本に紹介されている本を読み、自分の血肉とするのも、お勧めする。

  • 個人的には「世界の」のほうがピンとくるものが多かった。

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著者プロフィール

1941年、東京に生れる。東京大学文学部ドイツ文学科卒業。著書に『ルイス・マンフォード』(鹿島出版会)、『大人のための偉人伝』『天才の勉強術』『人生を考えるヒント』『ゲーテに学ぶ幸福術』『人生に効く漱石の言葉』『死亡率百パーセントを生きる』(以上、新潮社)、『孤独の研究』『人生最後の時間』(PHP研究所)、『ぼくたちのマルクス』(筑摩書房)、『ゲーテ一日一言』(海竜社)など。訳書に、マンフォード『権力のペンタゴン』『解釈と予測』(共訳、河出書房新社)、『聖書の暗号』『ロゼッタストーン解読』(新潮社)など。

「2014年 『大人のための日本の名著50』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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