ダンタリアンの書架7 (角川スニーカー文庫 123-27)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044241193
作品紹介・あらすじ
"幻書"の封印のため、名門女子奇宿学校カドフィール校を訪れたダリアンとヒューイ。ヒューイは夕食会に連れ去られ、一人残されたダリアンに、世話役として手配されていたのはジェシカだった。ダリアンは女生徒の集団に発見・蹂躙され、大騒ぎに。なんとか脱出したダリアンだが、"幻書"が一冊失くなっている!まずは容疑者を片っ端から当たることにした二人は馬術部へ-学園中を巻き込んだ、少女たちの長い夜が始まる。
感想・レビュー・書評
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978-4-04-424119-3 270P 2011・5・15 再販
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【収録作品】 第一話 「災厄と誘惑」/断章一 「型録」/第二話 「叡智の書Ⅱ」/第三話 「少女たちの長い夜」/断章二 「模倣の書」/第四話 「鍵守」
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“「やってみなければ、わからないでしょ。要するにヒューイさんに、私たちの居場所を伝えることができればいいのよね。だったら……」
「しっぽ頭!」
「黙ってて!」
ジェシカが幻書の朗読を始める。"幻視文集"と呼ばれる漆黒の竹簡の表面が、月光の下で妖しく輝く。そこに映し出されている景色は、ジェシカにしかわからない。そして彼女は、もう一冊の幻書を読み上げる。
目に映る範囲であればどこにでも、飲み水を召喚するという幻書を——
「やめるのです、ジェシカ!本来の読み手ではない人間が幻書の力を使い続けたら、最悪、精神に異常をきたすこともあるのです。それどころか命を落とすことも——」
「ようやく……名前を呼んでくれたわね、ダリアン」
ジェシカが勝ち誇ったような表情で微笑んだ。そして彼女は、力尽きたようにその場に倒れこむ。その頬が、完全に血の気を失っていた。同時に複数の幻書を使った反動だ。”[P.189]
ジェシカちゃんなかなか好き。
最終話にはまんまと騙された。でもあれってつまりあの挿絵のかわいい子がヒューイってことですよねうわー。
“「よせ、小僧。やめろ——その鍵は、妾のものぞ。貴様ごときに資格などあるわけが——」
ヒューイに銃を向けて、偽ダリアンが叫んだ。
銃声が轟いて、撃ち出された弾丸が少年の頬をかすめる。
しかし少年の瞳に怯えの色はなかった。むしろ覚悟を決めたようなしっかりとした声音で、彼はその詩を読み上げる。
「我は問う……我は問う<I ask of thee>、汝は人なりや<Art thou mankind>——?」
満足げに目を細め、黒の読姫が唇を吊り上げた。
黒衣の襟元に指を伸ばして、彼女は自分の胸元を大きくはだけた。細い鎖骨の浮かぶ、少女の白い肌があらわになる。
そこに埋めこまれていたのは錠前だった。無骨な古い錠前だ。それは黒革の首輪に銀の鎖で縛られて、膨らみの乏しい彼女の胸の中央に埋まっていた。
歳経た古い器物のような、嗄れた声がどこからともなく聞こえてくる。
『否、我は天——壺中の天なり』
まるで誰かに呼ばれたように、少年はその鍵穴へと手を伸ばした。”[P.256] -
読了。今回のお気に入りは「鍵守」ですね。いったい何があったんだろうと思わせる始まりからのまさかの結末(?)が好きですね。
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アニメ先行でハマった作品。最後の『鍵守』が、やっぱ一番かなぁ〜。
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ヒューイの子供時代は女の子の用であったことがよくわかりました。
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ラジエルが好き。ばっかみたい!
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「少女たちの長い夜」が良い。
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あぁ、なるほど。