失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫 134-1)
- KADOKAWA (2000年12月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044253011
感想・レビュー・書評
-
表題作の『失踪HOLIDAY』そして、『しあわせは子猫のかたち』と2編とも面白かった。なんだかんだで暖かいお話だったのではないかと思います。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小憎らしい主人公なのに何故か憎めない。
そして意外な結末。
最後まで読まないとすっきりしません。
もう一つの
「しあわせは子猫のかたち」
もお勧めです。
こんなに優しい幽霊となら
同居したいですね。 -
彼女の真っ向からの虚勢は、不安の裏返しで。やることなすこと何でも、おとなだと錯覚した子どもの衝動にすぎないのだけれど、その当たって砕けろ的な我が侭はいっそ清々しいほど。
彼女は一人で街に飛び出すことで自立と家族への愛を再確認するのではなく、自分がいない家族の形態を外側から見つめ直すことで、自分の居場所を突き詰めようとするのだ。
この潔さと無敵な強さの心地よさ!
結末に用意された事実は、彼女にとって現実が真っ当ではないことを教えたかもしれないけれど、その事実さえ優しく笑えた彼女の冒険は、やっぱり素敵だったと思う。
同時収録「しあわせは子猫のかたち」も秀逸。
世界をうまく生きることが出来ない「僕」と、優しい幽霊と子猫の、ひとときの同居生活。
切なく、けれど限りなく優しい世界が確かにあることを教えてくれます。 -
今まで読んできた乙一の作品群とはちょっと毛色が違うライトテイストな短篇集。個人的にはブラックなストーリー展開にちょっと「優しさ」が隠れている系統の方が好きかなあ。
-
「しあわせは子猫のかたち」と、表題作の「失踪HOLIDAY」を収録。
「子猫」は最近よく読みますが、また読んでしまいました。切なく、それでいてしっかりと話が組み立てられていて名作だと思います。
「失踪」の方は微妙かと。最後にあっと言わせはしますが、キャラ付けとはいえ主人公に話を引っ張っていく魅力は少し薄かったような気がします。
「子猫」は色んなアンソロジーに収録されていたりしますが、こちらには挿し絵もついていますので、「子猫」が好きな人は楽しめるかと思います。 -
中盤からのイライラとグダグダが最後で空振りしながら収まった感じ。
-
短編集です。
『しあわせは子猫のかたち』が一番好きです。 -
興味はあるけど、何とはなしに敬遠してきた作家さん。読まず嫌いを治すべく、お手柔らかな内容のこの本から手を付けてみた。えぇ話やん。おもろいやん。読みやすくてどんどんページが進んだ。ブラックな作品の方も読んでみよかな。
-
「しあわせは子猫のかたち」は不思議な同居生活の様子がとてもほほえましくて、やわらかくて、優しくて好きです。
「失踪HOLIDAY」コミカルな話だと感じました。主人公のナオがわがままだけど憎めない女の子でかわいらしいなっていうのと、こたつは正義だなって思いました。 -
「しあわせは子猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2編。
「しあわせは子猫のかたち」は再読。
何度読んでもほんわか心が温まる、とても好きな話。
「失踪HOLIDAY」はナオのわがままっぷりがカワイイ。
なんかあるよな~と思いながらも読み進め、最後の謎解きでなるほど。
面白かった。