失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫 134-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 5763
感想 : 503
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044253011

作品紹介・あらすじ

14歳の冬休み、わたしはいなくなった-。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!?心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、「しあわせは子猫のかたち」を収録。きみが抱える痛みに、そっと触れます。

感想・レビュー・書評

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  • 乙一氏が書いたものを古い順で読んでいる。
    238ページ。先が気になる度★3。

    評価厳しめ。
    お嬢様を好きになれなかった。
    主人公は好きでいたい。

    〈目次〉
    しあわせは子猫のかたち
    失踪HOLIDAY








    以下ネタバレ!!!



















    題名は「しあわせは一匹のあったかい子犬」と「疾走HOLIDAY」をパクった(?)らしい。

    【しあわせは子猫のかたち】
    陰キャの男子大学生が一人暮らしを始めたら、可愛い女の幽霊がいた話。挿絵があるから二人の見た目がわかるのだが、男子大学生もかっこいい。
    イケメンの幽霊がいるなら一人暮らしも悪くないと思った。触れられないのはつらすぎるが。
    「この世界を嫌いになってほしくない。今ここで、きみに言いたい。同封した写真を見て。きみはいい顔している。 際限なく広がるこの美しい世界の、きみだってその一部なんだ。わたしが心から好きになったものの一つじゃないか」

    【失踪HOLIDAY】
    お嬢様が家出をするが、家族がそんなに心配してなさそうだから誘拐されたことにしちゃえという話。わがままな人は好きじゃない。
    「母屋と離れに挟まれた夜空に、星が穴をあけている」という文章が美しいと思った。

  • 2013/02/21読了

    子どもながらの発想って、本人は本当に大真面目なんだけど、スキだらけで実はスカスカ。
    そんなことを思い出しつつ読むと、面白いなあって。
    大人びているけれどやっぱりナオは子どもだし、ヘタレで子どもっぽいけれどやっぱり父親は大人なのだ。
    そういう対比にも注意しながら読んでみて。
    構成というか、背景も上手だなあ。第三者がこう来るとは。

    「しあわせは子猫のかたち」は、別の小説集で読んだ記憶が。
    望まれた結末ではなかったけれど、ふわりと爽やかな感触を残して終わった。
    「僕」の生活は、モノクロだけじゃなく、セピア色も選べるようになったのかな。
    彼女と小さな温もり、ささやかな生活の中に潜む存在感。
    ふとよぎるそれが幸せだと、言い換えることも、きっと出来る。

  • しあわせは子猫のかたち、失踪HOLIDAYの二編。
    子猫は、多くの人の琴線に触れる作品だと思う。明るいもの、幸せそうなもの、楽しそうなもの、そんな物を憎んでカーテンを締め切るのに、朝起きるとカーテンが開けはなたれ、 朝日がサンサンと降り注ぐのだ。最後は自分から進んで、光に向かっていく成長の物語。物語の王道ですね。
    失踪は、血の繋がらない「家族愛」かな。子供は目に見えるようなアピールをしてあげないと、満たされないんだよね。

  • 「しあわせは猫のかたち」「失踪HOLIDAY」の2編を収録。

    「しあわせは猫のかたち」は大学生になり一人暮らしを始める、人の嫌いな男の子の話。
    人と関わりたがらずに、部屋のカーテンを閉めっぱなしにするような「ぼく」だったが、引っ越し先で奇妙な現象に遭遇する。今まで読んだ乙一作品でこれが一番好き。

    「失踪HOLIDAY」は家出して誘拐されたふりをする大金持ちのひとり娘、菅原ナオの話。漫画を買ったあとに読んでも面白かった。自分の娘を心配する父親の姿が健気でかわいらしい。

  • 乙一さんて。
    箱庭図書館のイメージが強くて。
    でもよく考えてみたら、あれはもとネタは本人じゃなかった(笑)。

    そういう意味だと、気づけば私、初乙一とも言えるのか?(笑)

    短編が2作。共通して...主人公が暗い(笑)。
    ネガティブシンカーです。
    心の底では愛情を欲して、誰よりもそれをベースに動く子どもたち、て感じで甘いんだけど。
    ハートフルストーリーの短編集かと思って途中まで読んでたけど、謎にどちらの作品も、プチミステリーだったからちょっとびっくり(笑)。

    乙一さんらしさが少し分かった気がします。

  • 「しあわせは子猫のかたち」は、『失はれる物語』で読んだことがあるので飛ばした。
    こちらは「しあわせは子猫のかたち~HAPPINESS IS A WARM KITTY~」という副題がついているが、内容は変わらないみたいだ。

    「失踪HOLIDAY~しっそう×ホリデイ」は、乙一にしてはあまり心をつかまれない、ダレた展開が続くなーと思っていたら、ラストはさすがだった。
    全く疑いもせずに読んでいたから、ほとんどなににも気づかなかった。

    狂言誘拐を演じた主人公の女子中学生が、事件を機に家族関係を見直す話かと思っていたら、確かにそのような展開にはなるのだが、実はいろんなことが起こっている。

    切なさの乙一とはまた違って、温かい感じの物語。

  • しあわせは子猫のかたちのほうは面白かった。
    表題作のほうはお嬢様の我が儘っぷりがひどくて途中で挫折しそうになった。最後はちゃんとオチがついていたので読んだ時間はムダにはならなかった。

  • デビューしたての頃ってことか、もしくはラノベ系だからってことか、正直、彼の作品を殆ど読んだ後に本作を手に取ると、ぬるい。短編と中編の2作が収められているんだけど、どちらもなんか、とりあえず及第点を狙いました、程度の出来映え。設定にたいした斬新さはないし、オチも想定の範囲内でした。

  • しあわせは子猫のかたち
    他の単行本に載ってた…

    失踪HOLIDAY
    大金持ちのひとり娘ナオが誘拐された。その誘拐犯は…何とナオ自身?家出したつもりのだけだったのだが、ひょんな事で大騒動に。後戻り出来なくなったナオは誘拐を捏造するしかなかった。

  • 『しあわせは子猫のかたち』
    見えないものとの同居。乙一さん、好きだな。

    『失踪HOLIDAY』
    何を書いてもネタバレになっちゃうかな?
    ヒロインは自分の居場所を見つけたのだ。
    まだ中学生。
    これからどう生きるか、先は無限大。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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