甘栗と金貨とエルム (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.60
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本棚登録 : 421
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044269074

作品紹介・あらすじ

名古屋に暮らす高校生・甘栗晃は、突然亡くなった父親の代わりに、探偵の仕事をすることに。依頼は、ナマイキな小学生・淑子の母親探し。-美枝子は鍵の中に?謎めいたこの一言だけを手がかりに、調査を始めた晃は、初めての「出張」で、大都会・東京へ。慣れない街に四苦八苦しつつ、謎を解こうと必死の晃だが、衝撃の事実を知り!?太田忠司が贈る、とびきりの青春ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 突然亡くなった父の代わりに探偵業を引き受けることになった甘栗くん。依頼者は生意気な少女、淑子。依頼内容は母親探し。表紙の雰囲気が優しいタッチで女の子がとてもかわいらしいもんで、作中の淑子とのギャップに戸惑う。慣れてくるとあれもかわいいけど。甘栗くんが手探りでなんとか真相にたどり着いて終わり、かと思いきや、さらに明かされる真実。内容も充実していて、すいすい読めた。登場人物も面白かったので、続編も期待。

  • 甘栗くんは良かったけど、後味があまり甘くなくて残念でした。
    あと生意気な女の子は苦手です。笑

  • 題名からは何の小説かよくわからないけれど、
    高校生(中退迷い中)が、急死した父親の遣り残した仕事を
    継いで探偵業に乗り出すお話です。

    食べてみたい名古屋名物が色々と出てきます。
    名古屋の地理がわからないところもありますが、
    今後探偵としてどうなるのか、同級生とはどうなっていくのか、
    そしてこの作家の作品に良く出てくる女探偵との関係は。

  • 太田忠司先生の推理小説は面白い

  • ミステリと言うべきかハードボイルドと言うべきか……。
    まあ、高校生なのでハードボイルドとしても似非な感じは否めないのだが……。
    とりあえず、藤森探偵との繋がりが出て来たので、
    この調子で行けば阿南なんかも出てくるのかもとか期待しちゃいます。
    しかし、やっぱり、日本のハードボイルドって馴染まないよなあと思ったり。
    原尞が別格って所だろうか。

  • 名古屋小説。性別とか入替とか、わりと謎解きしないで読むタイプの私にも解けてたけどわざとだろうか。ともかく青春ミステリとして、甘栗はかわいらしくまっすぐ歪んでてこの先楽しみです。

  • 少年探偵の軽いハードボイルドか。
    主人公が若いだけに 必要以上にシニカルになりすぎす、また捜査活動もあくまで現実的な範囲に留まっているところが良くも悪くもリアリティか。但しそのせいでインパクト不足は否めないので星3つ。

  • 亡き父が最後に受けていた依頼を引き継ぐことになってしまった甘栗とその依頼人エルムの物語。

    何故エルムの母親はいなくなってしまったのか。
    何故父はエルムの依頼を受けたのか。
    鍵の中、とは。

    トリック(と呼んでいいのか)はすぐにわかるくらい、単純なもの。
    探偵役の甘栗君はよくもわるくも基本スペックは平凡。けれど、周囲の助けと運により事件を解決へと導く。

    同級の直哉や三ヶ日も個性的なので、学園ものも読んでみたいところ。
    甘栗退学届出しちゃってるけど、まだわからないよね。

  • 前巻で父親(探偵)のやり残した仕事を果たした甘栗君。部活に励んでいたところ同級生の徳永から「小学校時代の恩師が行方不明のため見つけて欲しい」という依頼が。今回も面白かった。特に、主人公がある人物に啖呵を切る場面が格好いい。彼の芯の強さが出てます。名古屋グルメにシロノワールが登場。美味しいんだよね。また食べたい。

  • 読みやすく、さくさく読めた。

    あっさりしてて、予定調和な感じかな。

  • なぜでしょう。ミステリーとしては解決してるのに、なんだか気分がすっきりはしません。

    いつも読んでいるミステリーが警察ものとかだからでしょうか。いや、範囲が学内とその周辺だけでも十分に面白いミステリーもありましたし、
    それが原因でもなさそうです。

    つらつら考えてみるに、事件の解決に絡めて主人公の感情の起伏とか、そういう物を私は期待して読んでいたのですが、それが肩すかしに終わった感じが一番強いと思いました。主人公が老成ぶっていると書かれてる割には、美人の女探偵に惑ってたり、エルムにも保護欲のような物を感じてるようなのに、その辺があまりくっきりとは出ていなくて、主人公の魅力がよく分からない感じ。

    かるーく流し読みするくらいなら、ちょうどいい読み物って印象です。

  • 借本。表紙の絵の雰囲気が見覚えあるなーって思ったら、古時計の秘密/キャロリン・キーンと同じ方でした。
    ふんわりした表紙と一転して、アメリカンハードボイルドな口調の落差にクスリ。そして典型的な巻き込まれ形主人公なのでした。
    うーん、ライトミステリ。

  • 愛知県出身の作家さんの名古屋が舞台の話と、書店のポップを見て購入。
    案内のとおり、名古屋おなじみの地名や食べ物が出てきて、“名古屋圏”在住としては、にやりとしながら読める本でした。
    そんな多少のひいき目を差し置いても、主人公の甘栗くんが年齢に反した風合いを持っていて魅力的だし、文も読みやすくて、あっという間に読了しました。顛末も意外性があって、面白かった。

  • ハードボイルド(冒険小説じゃないハードボイルド)が苦手な人に読んでもらいたい!きっと苦手という意識が粉砕されるだろう。軽ハードボイルドなのに冒険小説にならないこのさじ加減が絶妙で、探偵小説・推理小説の要素も持ち合わせたストーリーなのになんて軽やかなんだ!ライトノベル的な世界観でハードボイルドを書くのならばどうしてもルパン的なドンチャン騒ぎは欠かせないと思っていた前提を覆された。
    面白い。うん、満足。大満足な一冊だ。
    太田ファンには嬉しい横のつながり(作品間の繋がり)があるようなので、そこもお得感があるのではないか。

  • タイトルに甘栗とあって
    しかもイラストがミギーさんならば、自分に不買の選択肢はなかった!

    世界で一番好きな食べ物は甘栗です。



    ある日、交通事故で突然、唯一の肉親である父親を亡くし
    天涯孤独の身となった高校生、甘栗晃。
    探偵だった父の事務所の整理が一向に進まずにいるところに
    その小さな依頼主が現れて……



    文章がスッキリしていて、とても読みやすかった。
    ページ数も多くなく、さっくりと繰れる。
    周りの同級生より、少しばかり老成している甘栗少年の
    時々見える寂しさがなんとも堪え難く。
    刺々しくなりきれないところがいじらしく。

    独りになった彼が大人になるまで見守りたい。
    そう思わせてくれる作品だった。

  • 名古屋のローカルネタが嬉しかった。

    幼なじみの設定がちょっとかゆいけど、続編も読みたい。

  • なんだか透明感のある作品です。
    表紙からなんとなくラノベっぽいノリを予想すると、違うと感じるかもしれません。読みやすさはあるのですが、雰囲気は落ち着いています。続編が出たら読んでみたいかな。

  • なごやー

  • 表紙のイラストに惹かれて買いました…中身は意外としっかり重めです。主人公の少年が大人びていて淡々としているので、あまり物語が詰まらずさらっと読めます。ちょっと私には感情の動きが合わないかなとは思いましたが…。でも次の巻も買ってしまう予感。

  • 愛知などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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