- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044281038
感想・レビュー・書評
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砂糖菓子に続き、心のもやもやした、自分でも手付かずの部分に触れてくるなこの人の作品。どうしても「自分はどうだっただろう」と振り返って感傷的になってしまうので気力がいる。中・高で読んでいたら、確実に今とはまた違う揺さぶられ方(共感や憧れ)で影響受けまくりだったと思う。
お話自体はSFやら幻やら先が見えずにダレかけたけど、最後は勢いで引っ張られて面白く読めました。分岐エンドは全部でひとつな印象だけども、[放浪]がインパクトあるしなんか好きだな。そのまま逃げ続ける、怖いけど羨ましい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
普段起こり得ない事だけど、そんな文章の中に青春を感じました。
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大多数の人に受けるタイプの話ではないが、小説の芸術とはこのことだな、と感じた。
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唐突に日常からはみ出してしまった女の子が出会ったのは、記憶喪失を自称する美少女。
ある事情から追われる二人の少女の逃走劇です。桜庭さんならではの個性を感じる作品。
2004年にファミ通文庫から刊行。今回は角川文庫の再刊を読みました。ボツになった幻の
エンディングを含む三通りの結末が楽しめます。RPGみたいで面白い試みです。 -
読み終わった当初、その時の状況にも依存していたのかもしれないけど鬱蒼とした気分になった。
こういった絶望系の小説に慣れていないせいなのかもしれない。
人によっては絶望系ではないと言うかもしれないが、雰囲気が始終暗いというのはあると思う。
終わり方が三種類あって、ゲームのマルチEDのようだが、
あくまでも自分はどの終わりかたも納得できなかった。 -
2回ほど積ん読になってしまったけど、後半をいっき読みしたら、なんだかよかった。あのころの私が、いるなあ、と思った。いつか大人になったら、「あの頃はなんにも考えてなかったわ」とか言っちゃうんだろうか、っていう不安。大人に対する羨望のような軽蔑。家出。大人の女性に対する嫌悪感。そういうもの全部、自分に対する絶望だってこと。わかってくれている本があってよかった。