少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

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著者 : 桜庭一樹
  • KADOKAWA (2009年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044281052

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少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 大変、美しい文章。
    優奈の、泣き出す場面がとてもきれいで印象に残った。きれいすぎて泣けた。
    桜庭一樹は二作目だけど、少女の繊細な気持ちを表現するのがうまい。うまく作品を説明できないけど、この本とても好きです。

  • 重そうなテーマなのに、ユニークで優しい。

    感想を言語化するのが難しい。

    2014.10.26

  • 汚れた世界で、美しすぎて純粋な少年少女の恋というのはあまりに残酷な結末を迎えるのです。

  • いんらんの母親を持ってしまった娘の物語かと思いきや、「母と娘」という永遠のテーマで締められて、最後は思わずじんわりきてしまった。

    純愛。それぞれに、「一番側にいて欲しい」と心から願う人が、側に居てくれない切なさ。母にかけられた呪い。叶わぬ想い。永遠につきまとう呪縛。かんばせ。

    桜庭一樹さんは、作品によってガラリと作風が変わるので楽しい。少女七竃と少年雪風の、丁寧で独特の喋り口調がとても味わい深くて良かった。また、飼い犬ビショップ目線で描かれた章もとても良かった。

    「女の人生ってのはね、母をゆるす、ゆるさないの長い旅なのさ。ある瞬間は、ゆるせる気がする。ある瞬間は、まだまだゆるせない気がする。大人の女たちは、だいたい、そうさ」

  • 久々に文学を感じた作品。
    桜庭一樹さんとはこういう小説を書くのかと。
    心を抉られるような切ない物語です。

  • 桜庭一樹さんの本は装丁が綺麗。
    内容がキャッチ―。
    展開がロマンス。

    でも、やっぱり自分の中で「おしゃれのために読んでる感」が拭えない。

  • 「辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。ある朝とつぜんに。」この書き出しのインパクトがとりあえずすごい。辻斬りかあ。うん、ある朝とつぜんそんなこと思ったら大変だけど、感覚としては理解できる。そして真面目な教員から一転してとつぜん辻斬りのように7人の男と寝た「いんらん」の母親から生まれた美少女・七竈が本作の主人公。

    桜庭一樹の作品は選り好みして読んでいますが、今まで読んだ中で圧倒的に好きだったのは「ファミリーポートレート」と「赤朽葉家の伝説」。いずれも母から連なる娘の物語。どうも、この人のこのテーマの作品が、私のツボにハマるようです。本作もとても良かった!

    美少女ゆえに生き難い少女七竈。彼女の唯一の理解者は幼馴染の同じく美少年・雪風のみ。鏡のように似ている二人がお互いに抱きあう淡い恋心とも自己愛とも兄妹愛ともつかないものは、もろくてはかなくてとても美しい。ファミリーポートレートを読んだときにも思ったけれど、きっと桜庭一樹は吉野朔美の漫画を好きなはず(笑)。「少年は荒野をめざす」や「ジュリエットの卵」と似た印象を感じました。

    大人たちはみな可愛そうだけど、七竈自身にとっては前向きな結末なのも良かったです。彼女がこの先幸せになれるかどうかはわからないけれど、彼女なら大丈夫なんじゃないかなあ、と思わせる強さがあったので。あ、あと犬のビショップが好きでした。犬視点の章は妙に癒されました(笑)。

  • 単行本を図書館で借りたのち、気に入って文庫本を買ってもう一度読んでの感想。
    あまりにも脆く、繊細な物語。文章の独特さと内容の切なさがこれを際立たせているのだと思う。是非中高生の間に読んでほしい本。

  • あまり適切な表現ではなさそうだが、
    全体で、ひとつの景色になっているような話

    一面に広がる、薄情な白い雪
    そこに落とされた何者にも染まることのない、
    美しき七竈の実

    自身の小さな世界で生きる七竈が、
    大人たちに翻弄されながらも、
    懸命に前を向いて生きていく
    そんなお話

    自分としては、全てを理解するにはレベルが高すぎた作品・・・

  • ずーっと読みたかったから読めて良かった。
    桜庭さんの本にでてくる“女”はどれもとにかくすごいと思うけど、七竈の母優奈もすごかった…!あの冒頭部分が小説の最後までからんでるというかなんというか。上手く言葉にできないけど…。桜庭さんの他の本も読みたくなる。

  • 切ないというのかなあ、これは!?
    お母さんが意味わかんない(笑)
    でも、七竈と雪風がこれから違う道を歩いて行くことを応援したいです!!
    みすずちゃんの気持ちも辛いねえ。
    もしこんな状況になったらわたしも、キツイと思います。
    でもみすずちゃんにも、"先輩"がいなくなっても頑張って欲しいと思います♪

  • この、せまいせまいスノードームのような世界にすごく惹かれました。
    せまくて、脆くて、真っ白な世界。

    あれがなかったら、これがなかったら
    なんて、結局意味がなくて。

    結局は与えられたものを生かして、生かして、生かして、
    自分で生きていくしかないんだな、なんて。


    全体的にすごく好きな話だけど
    欲を言えば最後に祖父の視点からのお話が欲しかったな。

  • 色々な視点で書かれているのが面白い。七竈と雪風のこの先が気になります。

  • 桜庭さんの小説のなかでいちばんすき
    何回も見てしまう

    冬の雰囲気がすごいいい

    北海道に行きたくなる


    雪風に会いたい

  • 桜庭一樹の小説はぬめぬめしている。
    人間のぬめぬめとした汚さ、底に澱み黒々としたおそれを美しく描く。
    決して後味は良いと言えない。しかしそこにこそ儚い美しさは宿る。
    その事をよく知っている作家であり、それがよく表われた作品。


    幼く狭い世界の物語は閉じられているからこそ続く。
    七竈と雪風。美しい幼なじみ。
    永遠に続かないあの年頃の、呪いにも似ていた恋。
    期限付きの美しさを、女としての欲望を、押し付けられ逃げようのない血の呪いを、静かに見つめる少女はそれらを許さないことで自分を受け入れる。
    しかし許さないという答えを出すことで初めて許せたのだと気付くにはまだ少女は幼かった。
    幼なじみ。美しい、七竈と雪風。

  • 2006年(平成18年)。
    七竈――北海道などに棲息するバラ科ナナカマド属の落葉高木で、秋から冬にかけて鮮やかな赤い実を実らせる。7回竈に入れても残ることがあるほど燃えにくいが、7日かけて作られたその炭は、たいへん上質であるという。

    美しく孤独な娘「七竈」とその母親の物語。
    娘は母の血痕だ。
    母に抗う娘もまた、いつか己の血液と共に娘を産み落とすのかもしれない。
    純白のままの少年の思い出だけをよすがとして。

  • 『たいへん遺憾ながら“いんらん”の平凡な容姿の母の元大変美しく生まれてきてしまった』川村七竈は群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼なじみの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。
    (一部あらすじから引用)
    「だって、先輩。十七歳から十八歳の間に、いったいなにが起こるの?わたしまだこれからだからわからないのかな。でもクラスの友達も、なんだか浮き足たって。急に恋に目覚めておとなっぽくなる子もいるし、長くつきあってたカップルが、別れたりもしたわ。進路を決めたり、いままで近かった友達を、急に遠く感じたり。びっくりするほどいろいろ変化するから、わたしよくわからないの。川村先輩、ずっと、ここに、いてほしい」
     雪風を愛し、七竈を恋敵として見ていた緒方みすずの一説。周りが大人になってゆくのに、自分だけが取り残されていく不安を本当に愛おしかった美しい先輩たちには変わってほしくないという気持ちからの言葉なのでしょう。私は緒方みすずという人間が好きです。
     解説にもありましたが非常に人間らしい子です。だからこそ愛おしい。
     魅力的ではあるのだけれどどこか生気といいましょうか、みすずに対しても、他人においても距離を置いて話す七竈とはまた違ったしゃべり方をするのです。非常に近いのです。近親感がわくのです。

     それでも七竈は少女から大人へとなる、長らく友として同じ趣味を分かち合った雪風を残して母すらも描けなかった自分の道を進む。7回燃やして灰になりたかった川村優奈に七竈のことを教えてくれた田中教諭はこのせかいにはもう居ない。
     旅人だった母はもうどこにもおらず、優しい祖父とビショップと共に暮らしてゆく。

  • 「七竈」
    「雪風」


    ずぅっとそう囁いている物語。

    「君が美しいのはね、母がいんらんだったからだよ」

    もっといって。


    もっと言って。














    北海道の旭川を舞台にした、静かで独特な物語。
    雰囲気は好きだったけど、話し方がとにかくイラっとした。
    この前に読んだ『青年のための読書クラブ』と
    丸かぶりだったから、なおさら。

    ただ、またひとつ印象派の本に出会ってしまった。

    印象派は離れられないから、ずるい。

  • 七竈という呪われた美しいかんばせをもつ少女とその幼馴染み、雪風の関係性がなんとも繊細で切なく、美しかった。最後の辺りのやり取りは思わず涙。春とともにふたりは少女で、少年でなくなってゆく。
    ビショップが七竈を「むくむく」と呼ぶのがすごくすごーくかわいかったです。

  • 言葉で表現するのが難しいが
    何か好き。
    静かな感じもする。

  • 「女の人生ってのはね、母をゆるす、ゆるさないの長い旅なのさ。ある瞬間は、許せる気がする。ある瞬間は、まだまだ許せない気がする。」
    印象に残った台詞。
    桜庭さんの小説は、「私の男」で衝撃を受けて以来、癖になって読みたくなる。

    どうも私のツボに、ドクドクはまるみたいだ。

  • 現代のお話なのになぜか古風な感じが漂っていてすごい好き。鉄道とか。川村七竈のワールド。単行本の表紙を見た時から期待していた通りに面白かった。私はですます調が好きかもしれない。最後乃木坂れなの章で終わるとは思ってなかったからちょっとあっさりでびっくりした。やっぱり少年は思い出になってしまった。2人の場面が一番好きだった。あんなに離れてほしくなかった。雪風は最後、どう考えていたんだろう。諦めがついたのか…。人間は時が過ぎると人間関係ももう今の状態には戻らないっていうことを改めて考えて納得した。後輩の性格はどんどんかわいくなっていったので良かった。ビショップの、うぉん?が好き。(20091218) 

  • 2019年、32冊目は、桜庭一樹。

    「君がそんな顔に生まれてしまったのは、君の母がいんらんだからだ。母がいんらんなときに身ごもると、娘は美しくなってしまうんだ」美しいかんばせを持つ川村七竈。彼女はやはり美しいかんばせを持つ、幼馴染みの桂雪風だけを友とし、高校生活を送っていた。

    ハードカバーが出た時から、気になっていた一冊。予想していた内容とは異なるが、何だか、じわっと沁みる一冊だった。

    質感は、赤と白が異様に浮き立った、透明絵の具で描かれた水彩画のよう。物語に流れる時間は、手巻きの腕時計で刻まれるよう。そぅ、アナログな感覚の一冊。

    オッサンが忘れてしまった、青春の分岐点での甘酸っぱさ、やるせなさを想い出させられた。

    このレヴュー、表現が抽象的だが、そんな質感。こんなのばかりだと、あっという間に胸焼けおこしそぅだが、たまには、そんな頃を振りかえるのもイイだろう。

  • かんばせ。かんばせ。呪いのように何度も出てくるこの言葉。ひらがなで読んだときはピンとこなかったけれど、『顔』と書くそう。そんな、桜庭一樹の言葉選びが良い。

    平凡な家族の元に生まれ、平凡な街で平凡に育った優菜はある日突然、男と寝たい、と思い立つ。七回竃に入れないと燃えない七竈のように、七人の男と寝て、立派な炭になるのだと。

    そうして誰の子かわからぬまま生まれた美しい女の子は七竈と名付けられ、いんらんな母親を嫌いながら育った。

    自分の美しすぎるかんばせ。
    幼馴染の美しいかんばせの少年。
    すぐ旅に出てしまういんらんな母親。

    たくさんの葛藤の中、七竈は自分の存在理由を模索していく。

    一方で、七回竃で燃やした母親の心には、悲しくも美しい理由があった。

    物語を滅多に読み返すことはないのに、この本は半年に1度読み返してしまう。読み返すたびに、ファンタジーでもサスペンスでもないのに、その独特な世界観に恍惚としてしまう。
    本当の七人のかわいそうな大人は誰か、探しながら読んでほしい。

  • 作者の本が読んでみたくて探していた時に
    たまたま旅行予定の旭川が舞台の小説をみつけて
    読み始めた1冊

    初めての桜庭作品だったが
    とてもスラスラと読めた。

    だが、ビショップがむくむくと呼んでいるモノを
    子犬だと騙され続けて後で、あぁ・・・と納得したり
    途中で七竈に会いに来た東堂さんはナニモノなんだろう?
    ・・・結局ナニモノだったんだろう? と読み手が翻弄される1冊でもあった(笑)

    今まで好んで読んでいた小説とは違った1冊で
    また読んでみたら楽しいカモ、と思った

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少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)の作品紹介

「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竃は、群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。だが、可愛そうな大人たちは彼女を放っておいてくれない。実父を名乗る東堂、芸能マネージャーの梅木、そして出奔を繰り返す母の優奈-誰もが七竃に、抱えきれない何かを置いてゆく。そんな中、雪風と七竃の間柄にも変化が-雪の街旭川を舞台に繰り広げられる、痛切でやさしい愛の物語。

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)の単行本

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