平行線上のモラトリアム (角川ルビー文庫 83-21)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044468217

作品紹介・あらすじ

自分とは全く方向性の違う「青春」を題材にした映画を撮れと援助先のプロデューサーに言われ、制作に悩む映画監督の弥刀紀章は、大学受験を控えた佐倉朋樹に、映画の取材をさせて欲しいと頼む。それは、独特な雰囲気を持つ佐倉への興味からでもあった。近づこうとすればするほど、なお佐倉への興味が増す弥刀。それに反するようにしてあがらない脚本。ジレンマに苛まれながら、弥刀は自らの青春ともいえる過去の恋に目を向けることになるのだが-!?遂に新シリーズスタート。

感想・レビュー・書評

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  •  白鷺シリーズのスピンオフとなる作品でした。
     本編にも出てきた、弥刀と佐倉の話。

     大きな映画賞を受賞した弥刀は、今まで自分がまったく作ったことがない泥臭い「青春」に関する物語を作れ、と言われ、今までやったことがないことをうまくできずにテンパってしまう弥刀。
     そして、自分を信頼してくれる佐倉についつい八つ当たりしてしまう。

     それもこれも、実は弥刀には思い出したくない過去があって……

     という話でした。
     なんというか、大人がみっともなくて、悲しくて。
     そして子供が思ったよりも大人で強くて。
     自分の不甲斐なさに愕然として。
     久々に、泣きました。
     いやまあ、BL読んで泣くなよ、という話だと思うんですが(別にBLをバカにしているわけではなく)、本当に本当に切実な思いが胸に迫ってきて、我が身の不甲斐なさに泣きました。

     あー! しんどい!!
     なんで、こんなにみんな、ちゃんと一生懸命生きれてるのだ! と思いました。

     強くて優しい少年のまっすぐさに胸を打たれる小説でした。
     是非、白鷺シリーズの藍の強さを味わってから、それとはまた別種の佐倉の強さも味わってほしいと思います。
     オススメです!

  • 友達思いで彼を護りたい佐倉の男っぷりが私は好きです。
    そして弥刀と靖那の関係性。というか、もう一度会った時のあの続きが気になります。そしてそこで一緒だった彼も。
    彼が落ちていく様は作品として描くのかが気になりますが、まずはこのカップルの続きを後で読むのを楽しみにしておきます。
    でもまぁ私の中でこの二組、どうしても逆!長身の受けとか観てみたかったです。

  • 年上攻め10歳以上

  • 白鷺シリーズ第4弾
    といっても、スピンオフ作品ですね。
    前回までの脇役さん達の話で正直「う~ん」な作品でした。なんでだろう、話的にもふたりのキャラも悪くないのに・・・。全体的に話は重くて、でも崎谷さんにしては最後のハッピーエンド感が薄いからかな。
    砂糖はくぐらい甘い話が好きな私としてはちょっと残念だったかな。

  • こんなオットコマエな受初めてみたよ・・・ってくらいオットコマエだったわ~~~。とにかく潔くて純粋でまっすぐ。でも苦労してて世間知らずではない。みたいな。
    そんな朋樹にいつの間にか縋っちゃってる30すぎのおっさん映画監督の卵?弥刀。
    自分の青春に向き合うことができずに、まっすぐな朋樹をみていたいのにみてるとつらい・・・みたいな。
    とにかく最後はもうかなりなヘタレ攻状態なんだけど、朋樹が男前すぎるからある意味バランス取れてるのか・・・。しかしいつかひっくり返されるのね。がんばれ!監督。

  • 藍が凄く強い子になってました。前も弱くはなかったですけど。
    弥刀さんに愛されちゃった朋樹は大変そう……。

  • 白鷺シリーズ4作目、スピンオフ作。
    今回は佐倉くんと弥刀にスポットが当たっている。

  • 『キスは大事にさりげなく』
    『夢はきれいにしどけなく』
    『恋は上手にあどけなく』(完結編)

    <短編集>
    『蜜は夜よりかぎりなく』

    <スピンオフ>
    ⇒『平行線上のモラトリアム』
    『垂直線上のストイシズム』

  • 白鷺シリーズのスピンオフ。
    志澤の1年後輩で今は映画監督の弥刀と志澤の相手・藍の予備校?時代の友達・朋樹の話し。
    過去の恋愛(志澤の異母弟・靖那)が今の生き方に影響を落としていて、全くそれを精算しきれていない男・弥刀と、その育ちゆえ人間的な情緒を欠落させたまま生きている朋樹との話し。
    相変わらず、登場人物達の複雑な過去を書く崎谷作品。

  • 白鷺シリーズ全部購入できたら読む。

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著者プロフィール

小説家。3月16日生まれ、九州出身。
1998年、『楽園の雫』でデビュー。
ブルーサウンドシリーズ」や「白鷺シリーズ」「グリーン・レヴェリーシリーズ」など、多くのシリーズ作品を生み出したほか、漫画原案なども手掛ける。代表作として『トオチカ』など。

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