リーディング 司書と魔本が出会うとき (角川ビーンズ文庫 80-1)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044550516

作品紹介・あらすじ

本をこよなく愛する少女リィナは、エルグリッド大陸図書館で働く新米司書。館内では「モグラ」と蔑まれる地階位に入れられてもめげず、先輩司書ジーンにしごかれていた。だが、友人が呪われた「魔本」に捕らわれ、リィナの日常は一変する。図書館には「魔本」と戦う司書-"読解の異能者"が潜むことを知ってしまった上、自分にも特別な力があると告げられ…!?第9回ビーンズ小説大賞読者賞受賞、異色のダークファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • リィナ側だけじゃなく、ジーンの気持ちもたまに書かれているってところは、結構よかったけど、アニエスが最後までよく分からなかった。リィナを気に入っているけど、好きという気持ちはなさそう。どっちかっていうと、リィナを好きなジーンをからかっている感じがするかなぁ。

    隻眼の男の子っていうキャラは珍しいし、魔眼の件が解決したあとは、ジーンの眼も元通りになるのかと思ってましたけど、眼は石化しちゃったみたいなんで、ジーンの眼はそのままみたいです。

    ジーンが王子様っていう感じは全くしなかったけど、このあたりの設定は、次巻で出てくるのかなぁ。

    リィナやジーンの力の出方の描写がちょっと分かりづらかったですけど、そこそこ楽しめました。

  • 全体的に話を詰め込んで駆け足な内容となっていますが、とても面白かったです。
    ダークファンタジーか、と問われると「多分」なのですが、少女小説か、と問われたら「間違いなくそれに値する」と思うお話。
    主人公のリィナの一喜一憂ぶりやら、ヒーローであるジーンの葛藤具合、そして彼らを取り巻く個性的なサブキャラは個人的に好みでした。
    (ただし、内容をつめこみすぎてるので、個々の関わりはやや薄めかも?)

    描写の仕方は、ほかの方も言われている通り、よくも悪くも新人さんだなぁ、という書き方。
    若干、難解?な風景描写や姿描写で、飲み込みに時間がかかると思いますが、複雑すぎるというわけでもないので、今後に期待という感じ。

    結構、設定部分に既視感を感じる、という話も見かけるのですが、私はあまり少女小説をたくさん読んでないので、割と新鮮な感じではありました。
    むしろ既視感を感じる設定でどこまで新しい展開ができるか、ってことで期待してはいかがでしょうか?

  • 面白かったです。図書館設定は好き〜。
    思わぬ事態に落ち込んでもちゃんと立ち上がれるリィナの頑張りは、後悔に凝り固まったジーンを動かす力になる。

  • 司書がテーマの作品。全体的に面白かった。
    成長過程がしっかりあって読みやすかった。

  • 主人公のリィナが自分の意見を押し通す子で、その分人の言葉を聞かないし、人の気持ちを汲めなくてあまり好きになれなかったのですが、途中でちゃんと成長出来たので良かったです。

  • 不思議な力を持った司書と本の話。
    1冊の中に感動や驚き、ワクワクがつまっていて一気に読めてしまう。
    それでいてそれぞれのエピソードがしっかり書かれているので、短さを感じさせない。
    「司書」をテーマにしているのも新鮮で面白い。

    まだまだそれぞれのキャラクターに秘密がありそうなので、次も楽しみ。

  • 魔本と司書のダークファンタジー


    シリーズ1

  • おもしろいけど後に残らないな・・・。
    結局きれいな感じでまとまってるなぁ~と。
    なんか、キャラがぶれてる感じもあるかな。
    私にはあんまり合ってないかも。
    でも、続きがあるらしいので気になるから読んじゃうけど(笑)

  • 本好きの女の子が主人公のファンタジー。

    ファンタジー小説好きなら
    男性にも受け入れやすいかもしれない1冊。
    恋愛要素は少ない分ファンタジーで魅せてくれる。

  • 魔に染まった本を浄化する能力<リーディング>を持つ司書の話。
    挿絵買いだったけど面白かった。

    恋愛要素もあるけど、どちらかというとファンタジア文庫系なストーリー運び。

  • 本を愛する少女が働く場所は、大陸図書館内の蔑まされる場所。
    それでも本が身近にある事で、楽しく仕事をしていれば
    実は『そこ』はまったく別の目的をもった部署だった。

    先輩司書は三大『無』印、と言われているらしいですが
    主人公をがっちりと指導というか…喋りまくっています。
    無関心な人間は、ここまで喋らない…というか
    放置ぎみだと思うのですが。
    そう思われている、とか人物紹介欄にあれば
    それほど違和感がなかったかも、です。

    己たちは優秀だ、と他者を見下す違う階位の方々。
    分かりやすいほど、性根が駄目人間。
    しかし自分がやっている事にはしっぺ返しがきますので
    ここは問題ない…かとw

    読みやすかったですが、面白かったか、と言われると
    葛藤辺りというか、クライマックス前辺りが
    何だか上澄みだけ、という感じで。
    しかし場所が『図書館』な時点で楽しいです。

    全体通して言えるのは、上司がさらっと黒い…。
    や、面白いですけど、自分に被害がなければ楽しいですしw

  • 冊子での紹介&表紙が好みだったので購入しました。
    設定はすごく魅力的だった。

    大陸図書館の“モグラ”と呼ばれる地下層で働く女の子、リィナ。
    豆本作りが趣味のちょっぴり地味な彼女には、思いがけない才能が備わっていて――。

    冒頭からは、ちょっと引込み思案なリィナを、ジーンが引っ張っていく形で物語が展開していくのかと思っていた。
    だけど、読み進めていくにつれて、どんどん場面が飛んで行ったというか…。
    えっ、もうこの場面終わり!? みたいな、駆け足で美術館を眺めているような気分で、ちょっと物足りなさを感じた。
    もう少し丁寧に「リーディング」能力や「イーター」のことを説明して欲しかったかな。過去の戦争のことはもちろん、ムーヴァルのことについても、登場人物たちはよく知っているけれど、読者には伝わっていない、みたいな印象…。
    地下だけの話じゃなく、大陸図書館での日常、みたいなものも欲しかった。ひっそりと今後に期待。

  • 少女小説というより、少年向けライトノベルに近いノリ。あまり見ない設定で面白いと思う。が、もう少し描写が欲しい。リーディングとイーターの違いとか、浄化の特異性とか、魔染とか、抽象的でイメージしづらいものが多かった。
    ジーンは三無男と言われている割には面倒見もいいし、愛嬌のあるキャラクターだった。リイナの余剰能力をジーンが食ってあげるシーンがいちいち顔くっつけ合ってるのかと思うと可愛くて萌えた。

  • 好きなイラストレーターさんだったので購入。
    図書館を舞台にしたお話で面白かったです。

  • 予想以上に面白かったです。
    所々表現の仕方が統一されてなかったり、終盤の詰め込みすぎた感は新人さんっぽさが出てましたが、登場人物に感情移入しやすく、とても読みやすいです。12月に出る続編は絶対買います♪今後に期待の作家さんです♪

  • 読者賞受賞&ビーンズさんのプッシュが激しいので期待しすぎたかなぁ。キャラも話の筋も何処かで見たな…的感想が始終浮かび、文体自体言い回しがこれまた何処かで…うーん。受賞作でこれだけ纏まっている事は本当に素晴らしいと思んですがね。良い意味で纏まりは無いけど、既存にない、勢いと新鮮さがある小説が読みたいし、新人さんにはそれを感じたいな。

  • 面白かったです!

  • “(ううん、ちがう)
    両手に残る感触は、否定を許さず告げている。
    事実、この本に取り込まれていたのだと。
    自分が視たものが、違えようもなく現実であることを。
    本を胸に抱き締める。聲が蘇る。淡い光の残滓の中で聞いた声。
    (だって、あの子のぬくもりも、想いも、決して軽くはなかったもの)
    「魔本だったもの、と言うべきだろうな。お前が、<リーディング>の力で浄化した以上は」
    「<リーディング>……?なに、それ……」
    「<リーディング>とは読解のこと。そして読解の異能者の名称だ。お前は<リーディング>としての可能性を見出されていた」
    「読解の異能者<リーディング>……」
    頭が疑問符だらけでまとまらない。異能者?自分が?そもそも<リーディング>なんて単語を聞いたことすら初めてなのに。
    「<リーディング>は公には秘匿されている。下手をすると悪用されかねないからだ。そんな<リーディング>達は、エルグリッド大陸図書館の地下に存在する」
    「……!それって」
    鼓動が一際高鳴った。その言葉が導く答えはたった一つだ。
    ならば、地階位とは。モグラとは。
    「そうだ。だから異能者は自らモグラになった。左遷者や問題児の集まり、行き場のない物達の吹き溜まりの外見を故意に装ってな。上階位すらほんの一握りしか知らない……それが地階司書の真の姿だ」”

    舞台は世界中の書物が集う司聖エルグリッド大陸図書館の非公開館。
    その縦社会の中上階位達にモグラと蔑まれる地階位。
    その地階位の新米司書リィナ。
    リィナの一つ年上の先輩司書で右眼に眼帯をしたジーン。
    同じく先輩司書で恋する乙女真っ最中のエマ。
    地階位副司書長で軽く台詞が黒いヴェルネル。
    王子様ルックスの好青年アニエス。
    なかなか面白かった。
    舞台が図書館で登場人物が司書っていうのが堪らん。
    思ってたほどダークでもなかったけど。ちょっとグロい表現が良いなー。
    甘いだけの話じゃない。
    リィナの「黙れと言っている!!」の一喝が予想外ながらも良かった。
    感情を表に出せるいい子。

    “「逃げ、ろ……」
    右眼を覆う指の隙間から、血塊がいやに粘って垂れた。
    そして、まるで流れる血のように皮膚表面を蠢く文字めいたもの。
    「行け!早く……逃げるんだ!」
    「放っておけるわけがないじゃない!」
    すぐさま、リィナは顔を背けたままのジーンに再び手を伸ばした。倒れていた彼を放って逃げ出した日が脳裏を過ぎる。あんな後悔はもう二度としたくなかったのだ。
    拒絶の壁に怯えるばかりでは、一歩も進めはしない。そんなのはもう嫌だ!
    「!な……やめろ触るなッ。危険だ!」
    ジーンは必死に片腕を振り回して近寄らせようとしない。だが、リィナにはジーンの声は耳に入っていなかった。彼の行動の意味を推し量る余裕もない。
    応急処置の知識を総動員して、彼の手当をすることしか頭になかった。
    「とにかく目を見せて。血。血を、まずは止めないと……っ」

    「俺を見るな!!」

    それは一瞬であり永遠だった。
    まるで弾かれたように離れた手の奥に剝き出されたもの。
    永劫の虚。あるべきものがない空洞。
    凄絶な魔の渦巻きが、リィナには牙を剝いた獣に見えた。
    咆哮が耳を抜ける。
    緑瞳が闇に呑まれた。
    光が、消えた。”

  • 面白かったです。話の展開が駆け足だったで1巻でまとめきったなーって印象。次巻出るみたいですのでwktkします。

  • まぁまぁ面白かった、かな?他のもぐらさんたちも読みたい!次巻が楽しみ。

  • キャラクターも魅力的で、ストーリーもおもしろかった。 続きもあるようなので楽しみ。

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