オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White (1)(角川スニーカー文庫 200-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 588
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044729011

作品紹介・あらすじ

「なんか世界とか救いてぇ-」。あらゆるテロや犯罪が多発し『ロケットの街』とまで渾名される国際都市ミリオポリスに、「黒犬」「紅犬」「白犬」と呼ばれる3人の少女がいた。彼女たちはこの街の治安を守るケルベルス遊撃小隊。飼い主たる警察組織MPBからの無線通信「全頭出撃!」を合図に、最強武器を呼び込み機械の手足を自由自在に操り、獲物たる凶悪犯罪者に襲いかかる!クールでキュートでグロテスクな"死に至る悪ふざけ"開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 近未来のオーストリアを舞台に児童福祉政策により四肢を機械化された少女たちの戦闘の日々を描くバイオレンスアクション。
    最初聞いた時は「それ何てガンスリ?」だったんですがガンスリとは大分イメージ違います、ある意味対極です。二番煎じの心配なし。

    三人娘の中でも一番純粋純情で熱血肌の黒犬・涼月、
    狙撃の名手にしてクール&ニヒルな赤犬・陽炎、
    いつもお気楽極楽な鼻歌を絶やさないムードメイカーの白犬・夕霧。

    拳が唸り銃弾飛び交いワイヤー舞う過激なアクションとキャラクター同士のユーモラスな掛け合い(副長いびり、もとい三者三様の副長いじりに注目)が絶妙のテンポを生み最後まで読者をぐいぐい引き付けて離さない。

    犯罪が多発し悪党どもが闊歩し策謀が蠢く壊れかけの街で、絶望と背中合わせになりながらも仲間とともに死線をくぐりぬけていく少女たちの苛烈にして鮮烈な生き様に惹き込まれる。

    不安定な心の揺れを抱えた少女たちをサポートする大人たちもとても魅力的に描かれている。
    陽炎の「この人なんだかんだ言いつつ最後まで聞いてくれるんだな」の雑感が端的に表しているように、やりたい放題の三人娘に振り回され時に多大な損害を被りながらも、胸の内では彼女らの身を真摯に案じ、部下が喪心した際は本名を呼んで叱咤する副長の人間臭さは絶品。
    こんな上司がいたらいいなあ。最前線すぎるのはどうかと思うけど(笑)

    「スクランブル」や「ヴェロシティ」が好きな方ならハマると思います。

  • かつて「ウィーン」と呼ばれた街――2016年の国際都市ミリオポリス。その治安を守るMPB遊撃小隊<ケルベロス>の三人の特甲少女たちが機械の躰と最強の武器を手にして、凶悪な犯罪者たちへ襲いかかる!

    「文化委託」された日本の『漢字名』を名乗る3人の少女――涼月・陽炎・夕霧、3人のそれぞれを主役とした短編集。
    『マルドゥック・ヴェロシティ』のような"/"や"="を多用した文体で、アクションシーンを疾走感全開で書き上げたエンターテイメント/シリーズ第一作。

  • 作者名で手にしたが好みじゃない

  • ラノベというほどにライトでもなかった。キャラ設定やある程度定型化したやりとりを続けるあたりはラノベっぽい。しかし、子供が闘う話はやはりどこか痛さを感じる。

  • 冲方丁ってこんな文章を書く人だったのか。。。
    カドカワ祭りで安くまとめ買いしちゃったことを早くも後悔気味?
    舞台が架空のオーストリアですが、無理くりドイツ語の読み仮名をふっていて読みづらいことこの上ない。
    もう少し文章力とかある人なのかと思ってたけど、その他の技巧も非常に読みづらいし、イラっとする。
    中2かよ。
    あとオーストリアに対して恨みでもあるのかなという位酷い描写が続く。。。皮肉や風刺の域を超えてるんじゃない。
    やたら暴力的で猟奇的でネトウヨ的で、グロを狙った中学生向け。というか、これを意図して書いたなら、むしろ中学生に失礼じゃないかと。。。

  • 少々色々狙いすぎな設定・あらすじでうんざりするものの、
    それに目をつむれば娯楽として楽しめました

  • [2013.10.23]

  • 1巻は、もう一つの話と同じくキャラ紹介。

     なんか荒んでる。
      もう一つの3人とは違う悲惨さ。

     コマーショル用に前面に出ていてコスプレがビジュアル的にいいけど、ストーリーはスプラッターで画面的に無理かも。

  • 心に深い傷を負った可愛くも凶暴な三人の機械化少女たちの物語。
    文体が"/(スラッシュ)"を多用した実験的な試みで、少々読みにくかった。
    何度も「あとどのくらいで終わりかな?」と残りのページの厚さを確認するくらい。
    読みにくいというよりは、文章を感じ取りにくいというべきかな。
    やっぱり記号は記号。脳内にそう意識付いてしまっている気がする。

    表層的にはキュートでポップだけど、中身はへヴィーで悲劇的。
    彼女たちの感情には見るものはあるけれど
    社会的な問題をただ片っ端からばら撒いて安売りしている感は否めませんでした。

    ただ、聖書と引っかけてあるのに意味はあるのか。
    それが気になるので続きも読んでみようと思います。

  • ごろのいい文が結構いい。
    話自体はラノベっぽいけど、主人公達が悲惨すぎる気がする。
    まぁ、結構面白かったしいいか。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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