ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)

著者 :
  • 角川書店
3.65
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044729035

作品紹介・あらすじ

地には花、空に聖星、人々は猫や蛙、鼠などさまざまな動物のかたちを纏う。この世界に、ラブラック=ベルはたったひとり、異形のものとして生まれた。牙も毛皮も鱗もない"のっぺらぼう"の彼女は、自分と同じ存在を探す旅に出る。放浪者の資格を購うため、剣士となって"都市"と"外"との戦いに臨むベル。そこで彼女を待っていたのは-。異能の世界構築者冲方丁、最初期の傑作が待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 感想)・・・なんか懐かしいノリ
    90年代の「ラノベ」を読み漁っていた世代としては、非常に懐かしいノリの小説でした。設定とか文章とかモチーフとか。(この本の刊行は2007年ですけど)。最近の「ラノベ」は、元々は普通の子が、なんか使命を課せられたり、異世界に飛んで冒険したりと、ある意味自分も入り込みやすい設定の話が多いけれど、そういや昔は最初から特殊な生まれとかにある主人公が多かったな~と思った。
    てか、この本のジャンルって?ラノベ??

    追)
    4巻あとがきに書いてあった。この本は1996年発表の改訂版なんだそうで。そりゃあ懐かしい感じもするわ。。

  • 「出立。赤い時刻にて」
    自分と向き合うために。
    どれだけ探しても同じ種族が見つからなければ、歳を重ねる事に気になるだろうな。

    「由縁。聖星照の下」
    騒ぎを起こし連れられ。
    弱者として虐げられていたのだろうが、本気を出せば捕まらず逃げるのは簡単では。

    「決別。大地を奏でる者たち」
    助けに行った先で見た。
    嬉しさを噛み締め夢見心地だったろうが、聞こえた言葉に現実を突きつけられたな。

    「演技。剣と天秤。正義と悪」
    闘いの終着点はどこに。
    隊列を組んで挑むには不向きなのに、一瞬でも隙を見せてしまえば死しかないだろ。

  • 冲方さんの初期の頃のSF
    マルドゥック・スクランブルから、こっちに飛んできた。
    言葉の使い方が特徴的で、なかなか難しい。
    でも物語は理解できるし、サクサク読める不思議。

  • ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)

  • これは何度も繰り返し読んでみて欲しい本です。造語が多くてなかなかとっつきにくい文章だと思うんですけど、それが違和感なくススッと頭に入ってくるようになると最高に楽しい本になります。

  • 「黒い季節」を読んだ直後なので、それよりは読みやすかった。
    最初は世界観に付いていけず、「よーわからん」と思いつつも引き込まれて気がついたら読了していた。
    説明なしに、あたかも既存の設定であるかのように、人の名前が出てきたりしたので、いちいちいろんなページを繰っては「やっぱりわからんなー」とか・・・読みにくいところがあった。

  • 用語で世界観を表現しようとしているせいで物語に入り込むのがとてつもなく辛い。
    文章自体は上手くない。これがマルドゥックヴェロシティぐらい上手くなるかと思うと感慨深くなる。

  • これ、デビュー後の最初の書き下ろし作品なんだそうです。
    す、すごいな。よくコレ、出版してもらえたな……。

    固いです。そして、超中二的。
    でも、しっかりと冲方 丁で、ものすごく計算されて書かれている感じがする。

    このアリスの服は、なんで青くないんだろう?

  • とにかくルビ多用のハイファンタジー。
    独特の世界観を説明無しでガンガン描写してくる。
    特にアルファベット表記の効果音?が最初の内はドン引き要素で、実に150ページ越えるまで、「何じゃこりゃあ」感満載のまま読んでました。
    主人公のベルの「異形」「孤独」に真実味を出すためなんだろうけど、それにしても説明されないままに孤軍奮闘の場面が長い。

    ベルがようやく仲間を得て以降、戦闘シーンのテンポの良さは圧巻。
    仲間意識が生まれていく過程もじわじわくる。
    これ1冊の中でのストーリー展開を考えると、いかにもバランスが悪いように感じるけど、どうやら長い話を文庫化に合わせてぶった切ってるらしい。
    ちょっと作者さんが可哀想な気もしましたよ、と。

  • ライトノベルにしては話も構成もしっかりと楽しめた。
    RPG的で、設定がユニーク。

    で、この後まだ続くのかよ~すっきり一旦終わらせてくれーと思った。

  • 文を目で追っているだけで脳ミソ気持ちいい、めくるめく文章世界。日本語の使い方が上手いなあと。

  • 独特の世界観が説明のための説明はなしに書き綴られていき、いつの間にかその世界のあり方に引きこまれていくような綴り方です。
    世界観は独特だけど、そのメインとなるテーマは自分の由縁や葛藤という泥臭いものなので、表面のファンタジー要素をすかした先にいろいろと人の本質を覗き見ることができます。
    SFではなくファンタジーとしての良さが感じられる作品だと思いました。

  • 読みにくいと思いながら読んでたらいつの間にか夢中になっていた。
    初めはよくありそうな闘うアニメみたいなイメージで読んでたけれど、後半は頭の中をもっと幻想的なイメージが占めていた。
    とても不思議な感覚。
    沖方丁さんの作品は天地明察しか読んだことがないけれど、それとはまた違った雰囲気が楽しめました。

  • 言葉に酔いしれる世界観。ファンタジーでアクションで。まるで、映画のような確固たる世界観に圧倒される。そして、心地よい。

    のっぺらぼうのベル(小さき者)異端児であるが故の、私はどこからきて仲間はいるのか。と、哲学的かつ青臭さをまき散らす。ベルの冒険譚という体をとっているが、セリフ回しは押井守を思い出させる理屈っぽさと煙巻型哲学論。

    でも、それが嫌じゃない。世間知らずのはねっかえりがどう成長していくのか、仲間はいるのか。理由(ことわり)とはなんなのか。ワクワクする。

  • 宗教とか哲学とか不思議の国のアリスのモチーフとか、いろいろなものの概念やパーツが混ざり合っていて
    そこにうまい具合に厨二な感じが貫かれていて
    けっこうな好みでありつつ、やはり少し読みにくかった。

    私は、日頃は「簡単なことは簡単に」というシンプルさを好んで本を読んでいる人間なので
    この文体は好きではないはずなのだけれど
    それでも引き込まれるものがあった。
    また繰り返し読みたい、と思えるだけの作品。

    主人公と彼女をとりまく人々の凛々しささ清々しさや、それぞれの腹の括り方がカッコ良かった。

  • 感想)・・・なんか懐かしいノリ
    90年代の「ラノベ」を読み漁っていた世代としては、非常に懐かしいノリの小説でした。設定とか文章とかモチーフとか。(この本の刊行は2007年ですけど)。最近の「ラノベ」は、元々は普通の子が、なんか使命を課せられたり、異世界に飛んで冒険したりと、ある意味自分も入り込みやすい設定の話が多いけれど、そういや昔は最初から特殊な生まれとかにある主人公が多かったな〜と思った。
    てか、この本のジャンルって?ラノベ??

    追)
    4巻あとがきに書いてあった。この本は1996年発表の改訂版なんだそうで。そりゃあ懐かしい感じもするわ。。

  • 再読。前回はシリーズ途中で疲れて放棄してしまったので。ハイファンタジーすぎて体力に余裕がないと疲れてしまう。
    今回は肩慣らししてからのぞんだのでシリーズ読破できそう。
    心理描写が簡潔すぎるのが特徴?

  • 読了。☆3.5
    冲方丁のファンタジー。

    世界観をまだ掴みきれていない気がするがそれでも面白い。
    剣の設定とアドニスが好き。

    ファンタジーっぽくないところが多々あるのにファンタジーらしいというか。
    やっぱりこの人の文体とか雰囲気が好きなんだろうな。

    一巻だからまだまだ分からないところが多いけどこれから先が楽しみ。

  • ああ、目覚めましょう もう魔法は使わずに

    夢の中 目覚めたときに忘れてしまう
    世界の秘密 謎かけ 物語 いつか聞いた幻の言葉で唄いましょう

    ひとときの楽園 鏡を見るの。どこにもない国を築こうとして
    通りましょう透き通る回廊 迷宮
    まるで名前も居場所もない、幻の少女(アリス)

    鍵を奏でるの。割れた鏡に引き裂かれながら
    探し続けていたものは 帰る道だと判っていたから
    生まれたばかりの眩しさに 目を細め
    そのときは小さき者さえ真実の 安らぎの在処を生きられるように

    ああ、目覚めましょう
    もう魔法は使わずに

  • この本を手に取らなかったら後にこんなに冲方さんの本は読まなかっただろう。
    異形の者達のなかにただ一人人間の容姿の少女。
    異形だったのは彼女のほうで、自分が何なのか答えを欲しがる。
    剣闘の描写が好きで、また楽曲演奏になぞらえて書かれた剣士や指揮官というのも面白かった。
    剣の名前、英単語逆さま読みだとおもうのだけれど、なるほどと思わせるものもあって面白い。

  • 沖方丁の初期作って事なんだけど、この人のキャメロンばりの『強いヒロイン像』ってのは最初からだったんだね。面白いし世界観とか突出してるけど最後の駆け足は否めない感じ

  • シュピーゲルシリーズよりストームブリングワールドの系統に近いです。
    ベルの心情が見えにくいところがところどころ・・・。
    いい意味でも先が見えないです。
    結構さらっと読めました。

  • 世界観に入ってくのが最初難しかったです。
    ストーリー的にももうちょっと何かあると良かったかな、ちょっと物足りない感じ。

  • 世界観とキャラクタでぐいぐい引っ張ってくれるので、すぐにこの世界・ストーリィに入り込めました。表紙も素敵ですし、大好きです。

  • 地には花、空には聖星<<アース>>、世界にたった一人ののっぺらぼうの物語。
    ウブカタさん初期の快作にして怪作。

    これがまた、大好物でございまして。
    初期という事で荒い所もあるのですが、何か憑いてるんじゃないかってくらいテンションが高い文章になる事も。今巻終盤の楽隊戦は、マルドゥック・スクランブルのカジノシーンにも比肩するレベルの尋常ではないテンション。これが実質キャラ紹介なのだから恐れ入る。

  • 冲方丁(うぶかたてい)著

    本屋大賞を受賞した、作者の初期の名作、ということで、読んでみました。

    主人公のベルは、様々な容姿の民族が交じり合う世界の中で、特徴のない姿をしている。それが、彼女のよりどころのなさでもあり、自分の起源がどこにあるのかを探したいという強い願望の根源でもあった。

    自分の起源を探す旅人になる資格を得るため、その世界を治める王の家臣となり、3つの戦果を課されたベル。その戦いの様子と、ベルをとりまく、個性的な登場人物たちの因縁を描いた作品。

    とにかく、場面設定が難解で、読むのに苦労しました。

    お話自体はとても面白くて、プロットも上手いんだと思うのですが、作者の頭の中の映像に、付いていけていない感じです。

    多分、アニメとかでやってくれたら、相当はまるんだと思う。

    世界観としては、「精霊の守り人」シリーズとどこか似たような感覚もあり、嫌いではないのですが、あまりにも、難解な世界の書き下し方に、この後シリーズ3作を読み続けるかどうか、思案中、って感じです。

  • 途中で登場人物の名前覚えられなくなって、わけわかんなくなってしまって残念。
    漫画化されてるのか知らないけど漫画で読んだら面白いのかもしれない。
    2度は読まない。続きも読まない。

  • やはり冲方丁の文章は読みにくい分かりにくい。
    しかし後半にいくにつれそんなことは気にならなくなり、文章が頭にすんなり入り想像しやすくなっていった。
    世界観を理解してしまえばこちらのもの。
    すぐ物語に飲み込まれ夢中になってしまう

  • 一冊目、最初の百ページまでがかなり読みづらい。
    ハイファンタジー独特の造語や当て字のルビに振り回されたり、難解な設定の中にぽんと放り投げられた感じで、まず世界の雰囲気を掴むまでが大変です。
    ただし雰囲気がつかめさえすれば、あとはベルの躍動感そのままにラストまで読み進められます。
    四巻まで読みましたが、テーマは若い人向け。
    読後感=達成感でした。

  • 冲方せんせ二冊目、用語に翻弄されつt読了。
    ファンタジー好きな人なら楽しめるんじゃないかと思った。
    どっかで見たことある流れっぽいけど流石だなぁと思わされたり。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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