丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫 228-1)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年10月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044748241
作品紹介・あらすじ
神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見て直感した。これこそ"風景"を愛する俺のための部活だと!部室に向かった咲丘は、代表・沈丁花桜と意気投合、早速入部。だが、丘研の正体は「オカルト研究会」、沈丁花の世界征服の野望のために日々活動していたのだ。「君は完膚無きまでに自分を知られたことはあるかい?」知ること=支配すること。世界を知るための戦いが始まる!第15回スニーカー大賞"優秀賞"。
感想・レビュー・書評
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神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見てこれこそ風景をこよなく愛する自分のための部活だと部室へと向かう。しかし丘研とはオカルト研究会だったのだ。
何度も飛び降り自殺を繰り返す男、ツチノコ獲得作戦、切り裂きジャックとの対決。都市伝説に丘研が挑む。
変わった活動をする部活動に集まる、変わった人たちの物語。そう言うとよくあるパターンに思えます。
しかし世界征服を唱える代表の沈丁花桜をはじめ、丘研のメンバーの変わり具合はかなり思い切っています。性格はもとより個々人が抱える過去や特質も、そこまで思い切った設定が必要かと思わせるものとなっています。
そのインパクトだけで物語を展開させる豪腕に圧倒されます。インパクトの強さで読者を無理矢理納得させるのです。
そのインパクトがあるが故に、人を支配する方法などの思い切ったロジックにも納得させられるのです。それこそがオカルトの正体かもしれません。
このパターンだと語り手の主人公は「無個性」という個性を与えられて、無味無臭でインパクトを受け止める人になりがちです。風景が好きという一風変わった嗜好を与えられつつ受け身の主人公と思わせた咲丘は、物語終盤にこれまた思い切ったインパクトを見せます。
こうなると勢いだけに思うのですが、それを凌駕するものもあるのです。あまりにも突飛なキャラクターたちが集まった物語なのですが、それぞれの人物は自分が決めたものに対して真っ直ぐに進んでいるのです。たとえ世界から認められないことであろうとも。
だから代表は「美しい世界を取り戻そう」と語りかけるのです。 -
『デュラララ』とか『明稜帝 梧桐勢十郎』みたいな
個性際立つキャラクタが群れたり演説したりするキャラクタ小説すなわち純ライトノベル
キャラはかなり好みで良いのだが
もうひとつ演説の説得力というか開き直り感に欠けるのが残念
もっと馬鹿でいい -
【あらすじ】
オカルト研究部に入った主人公の咲丘が経験する不思議な学生?生活。
【感想】
非常に偏った人間の集まった世界で各人が言いたい放題やってる。
風景を支配するって話は2010年では先進的な話だったのかもしれないが、今となってはかなり現実味のある話だと思う。
全体的にはクロスチャンネルを思い出させるような内容だった。 -
面白かった。文章うまい。
読み始めは「会話内容やキャラの個性を楽しむラノベであまり内容は無いのかな」なんて感じたけど、話進んでくうちに各キャラの凄惨な過去が明らかになり、単に会話やキャラで楽しむだけの小説からは頭ひとつ抜きん出ている。
オチに情報屋やカメラ倶楽部の正体がわかるところも良かった。
装丁やデザインもクールな感じで好き。
マゾのキャラも好き。 -
死体に美を見出す人やら風景に魅入られた人やら、なにやら一般市民として生活してゆくには問題を抱えた人たちが集ったオカルト研究会。
けど、みんなで力を合わせれば成し遂げられることがある。というまっとうなお話でした。けど、続きはいいかな。
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読む前はよくあるラノベものかと思っていたらそんなことはなかった。
主要人物はそれぞれ過去に色々あったりして…いい感じに狂っていて面白かった。
終盤の主人公の台詞で読み始めた時の主人公のイメージが変わった。
次巻も楽しみ。 -
割と評価が高いようだが、そんなに面白いか。
序章が登場人物と丘研(オカルト研究会)の紹介のようになっていて、その後、第一部から第三部まで飛び降り男、ツチノコ、切り裂きジャックという3つの都市伝説を丘研の面々が解決するという形式になっている。
序章が冗長なのと、登場人物が突拍子もなさ過ぎて感情移入できない。イラストに萌え要素も不足しているし。う~ん、外れ。 -
第15回スニーカー大賞《優秀賞》!!
神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見て直感した。これこそ〈風景〉を愛する俺のための部活だと! 部室に向かった咲丘は、代表・沈丁花桜と意気投合、早速入部。だが、丘研の正体は「オカルト研究会」、沈丁花の世界征服の野望のために日々活動していたのだ。「君は完膚無きまでに自分を知られたことはあるかい?」知ること=支配すること。世界を知るための戦いが始まる!! -
これはひどい(笑)
なんていうか色々とアンチテーゼ。
これはもう一種のファンタジー。
そして極上(ちょっと言い過ぎだけど)のエンターテイメント。
ライトノベルでこんな話をやるのは珍しい類かな?
まぁでもそんなに大層なことじゃない気もするんだけど、大きく取り沙汰されてたよね。 人間から世界を取り返そうじゃないかと。
ぶっ飛びまくってて面白かった。