「絶望の時代」の希望の恋愛学

著者 :
  • KADOKAWA/中経出版
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046001160

作品紹介・あらすじ

宮台が「性愛」に帰ってきた!恋愛絶望社会を生き抜け!今再び「終わりなき日常」を生きるための教科書。

感想・レビュー・書評

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  • 私はそんな援助交際がありふれた世界にいないので読む本間違えたかなと思った。

  • 昨年に続き九州大学のサブカル研究会が作者の講演を開催してくださったので参加した。

    その前に読んでみた。
    作者は社会学者だ。チャラい胡散臭い本みたいだが現代社会の性愛の研究の本かなぁ。
    ナンパを課すとか.変成意識状態とかくそフェミ、なりきり、くず、なんとか書いてあるが、
    結局
    『自分が世界の中心にいるかの如き愚昧も、いつもあなたの制御を主題化していた親が与えた壮大な勘違いです。あなたは世界の中でどうでもいい存在-イエスのいう貧しき者です。あなたにどれほどのうちなる光(内発性)が宿るかだけが全てを決めるのです。』

    このあとがきに集約されるとおもいたい。

  • ――――――――――――――――――――――――――――――
    気がつくと既に<絆コスト>を支払っているのが<内発性>です。50
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    相手のその都度の反応に一喜一憂する「細かさ」や、相手の言葉をいちいちリテラルに理解する「硬さ」は、相手を必ず不幸にします。58
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    感情の振れ幅を大きくすることで<変性意識状態>に誘導します。83
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    日常的リアリティに素朴に洗脳された主人公と観客を批判するところです。

    「日常的リアリティに洗脳されているからこそ、洗脳者によって振り回されるのだ」とね。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    「世界ワンダーランド化のためのナンパ」へ、というステージの移行が、今は必要なんだと思います。122
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    立石くんは「うまくいったらいいや……」みたいなスタンスじゃないですか。「自ら何かを切り開いていこう」という感じが見えない。142
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    期待が外れて当たり前。だからどんどん期待する。

    経済取引じゃないんだから、信頼ベースで行くんです。148
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    「相手の世界に合わせない」こと。153

    自分が相手にとって魅力的であるには、まず自分が魅力的な世界を知っていないと始まりませんよね。157
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    自己防衛もまた、損得勘定の自発性にすぎません。160
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    僕は「社会学者が社会を知らないなどあり得ないから、社会を知る必要がある」と思った。167

    「自分がなぜナンパをしなければいけないのか」

    学びへの強い動機は、学ばなければならない必然性についての、恣意的ではない体系的な理解があって初めて、持続可能になります。

    ハングリー精神のような抽象的な動機は、ハングリーじゃなくなったら、それで終了でしょう。168
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    「あなたのキスは『自分のことをわかって!わかって!』というものだから、あなたとは付き合えない。あなたのお母さんの代わりになる人はいないのよ」177
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    女の子の言うことを聞いて「してあげている」と思っているんですよね。

    女の子じゃなくて「自分がやるべきこと」に目を向けたときに、自分は変わる。181

    自分のなすべきこと、つまり女の子を<ここではないどこか>に連れていくことだけを、徹底的に考えるんです。182
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    彼らは切実な欲求や情熱が沸いていないままナンパを続けてしまう。200

    言葉を換えると、シンジさんは「黒光りした戦闘状態」なのに、彼らはそうじゃない。201
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    「黒光りした戦闘状態」は身体を使ってつくり出せるんです。

    ナンパをする前に正拳突きを100回!とかやったらどうだろう?201
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    相手があなたをどう見ているかを気にすることではない。

    相手があなたならぬ世界をどう感じているのかを、あなたが理解できること。267

    あなたは世界の中でどうでもいい存在――イエスの言う貧しき者――です。

    あなたにどれ程の内なる光が宿るかだけが、全てを決めるのです。268
    ――――――――――――――――――――――――――――――

  •  宮台真司とカリスマナンパ師達の対談を収めた電子書籍「愛のキャラバン」を加筆して書籍化。
     (レビューにはこの本を教科書とした講座の感想も入っています)

     この本はどうやったら女の子を落とすかなんていうものではない。
     この本が語っているのは異性と非日常的な体験をして意識を別の状態に持っていくことの重要性だ。だからかわいい子じゃなきゃダメだとか、処女じゃなきゃダメだなんて問題外。相手は所有物ではなく、共に変性意識を得る為のパートナーなのだ。
     断れたらどうしようなんていうのもおかしい。性愛のない人生こそが本当に怖がるべきものだ。
     このへんの男の子が恋愛に対して抱いてしまいそうな妄想をしっかり打ち砕いてくれるのが気持ちいい。
     ナンパやSEXについて書かれた本だが、恋愛、人生を考える上でも重要なことが多く書かれている。
     
     正直に告白すると、講座に参加して変性意識がもたらされた(?)というかとても高揚した。
     自身の性愛について真剣に考えるきっかけを与えてくれる一冊&講座だった。
     

  • 読む時期が時期だからなのか、全て教育に置き換えられて読める…
    頑張るためにはホームベースが必要。
    本気度がないのはあらかじめ失敗を先取りして自己防衛を早い段階でしてるから。自分でなく他人に関心を寄せろ。他者を思いやれない人は幸せにはなれない。
    相手の要望に応えているだけでは何も経験していないのと同じだ。
    変わりやすいテクストより変わらないコンテクストに目を向けろ。
    …ナンパの話をしてるのに、自分のことがよくわかった気がした。
    私は本当にしたいことはなんだろうか。
    宮台バンザイ。

    2014/02/01読了。

  • 10代、20代で読みたかったなぁと思うくらい、恋愛や性愛を軸に人間の精神的な成長について語られている。
    自分がどうみられているかは考えるな、他人は世界をどう見ているかを考えよというのは、似て非なる状態でありなるほどと思う。

    表紙に抜粋されていた下記の文言が印象的。

    生き残るために必要なものとは何か。答えは「ホームベース」を構築する力。「ホームベース」を持つものだけが、たとえ不利な情況でも持続的に戦い、たとえ心身の状態が悪くても戦いに向けた強い動機を維持します。他人を差し置いて、あるいは他人を出し抜いて、自分だけ幸せになれると思っている人は、不幸になる他ありません。

  • 2012年7月に行なわれたトークイベント「宮台真司の愛の授業2012」の内容をもとに発売された電子書籍『宮台真司・愛のキャラバン――恋愛砂漠を生き延びるための、たったひとつの方法』を再構成し、大幅な書き下ろしを新たに加えて書籍化したもの。

    ナンパについてかなり真剣な議論がなされていて面白かった。普通のテンションじゃなくて、突き抜けた精神状態で挑まないといけない、というやはりその道を極めようとする人たちの言葉は暑い。

    恋愛や性愛についても語られており、共感できる部分もあった。自分を磨いて、素敵な人間になりたいものです。

  • すごい社会学ってこういう視点使うんだとか勉強になった一冊。
    もちろんナンパしたいってのも思ったけど、一貫して、
    [どうして]を自分で考えろっていうメッセージが残ったなー。
    変性意識状態。これキーワード

  •  
    やはり経験は机上に勝るなと思いました。ナンパについての話,性愛についての話ですが,実経験を伴っている分,言葉に説得力があります。「人間は考えも肉体で行なっているもの」(p.238)と述べられますが,まさにその通りで,頭だけで「ナンパとは何か」「性愛とは何か」だけ考えていてもどこにもたどりかないわけです。肉体(=経験)を使いつつ,頭(=言葉)も使う。本書はまさにそれを実践しています。

    プロローグ,第1部は難しい言葉も出てきますが,第2部はトークイベントが元になっているということもあって読みやすかったです。

    トークイベントとは「宮台真司の愛の授業2012」というもので,社会学者の宮台真司とゼミ生の立石浩史,ナンパカメラマンの鈴木陽司,若手カリスマナンパ師の高石宏輔と公家シンジ,女ナンパ師のサユリ,隠れ超越系のナオミ,ナンパ指導を受けた非モテ系大学生のバリア君が登場します。

    第二部の冒頭は宮台氏が話しすぎではないか?(宮台パートが多すぎではないか?)と思いましたが,読み進めていくうちに高石氏や公家氏の語りが増えてきて,宮台氏の一人語りではない場の”空気感”みたいのがなんとなく伝わってきました(宮台氏が話しすぎていたのも戦略かも?と思われた)。ただ,サユリやナオミの語りが少なかったので彼女たちの声も聞きたかった部分もあります(当日のトークイベントでは話したのかもしれませんが)。

    本書で語られるナンパと性愛の鍵は<変性意識状態>。登壇者の一人である高石氏(カリスマナンパ師/カウンセラー)によると変性意識状態とは「自分の好奇心と,ときに現れる恐怖心とも向き合いながら,新しいものを求めていく過程で得られる特別な意識の状態」(p.132)とされます。心理学で言うと,フローに近い状態かもしれません。

    ナンパの過程で<変性意識状態>になり結果として忘我のうちにナンパしてしまっている。セックスに取り組むうちに<変性意識状態>になり結果として深い=獣のようなセックスをしてしまっている。ナンパ学ないしはセックス学とも言えるような話が本書では出てきます。ちなみに,セックスに関する話は,アダム徳永氏とも共鳴するように思いました。

    テクニック以外でナンパや性愛を言語化している本としてとても興味深く拝読いたしました。ただ,少し物足りなさもあって,それは概念の焼き増し感です。たとえば,島宇宙は以前(援交少女の分析時)から宮台氏が用いていますし,非日常(これは<変性意識状態>にも関わりますが)概念の重要性もこれまでに言われていることのように思います。トークイベントを書籍化した本書に求めすぎてしまってすみません。それくらい面白い本でした。
     

  • 面白かった
    これをまんま受け取ってっていうつもりはさらさらないけど、
    話している内容のなかにぽつぽつと影響をうけるようなことが入っている

    つうか宮台真司はどんな人なんかね
    テレビあんまみないからよくわからないけど、
    そんなに一時期はテレビで有名だったんだろうか

    私のイメージではいっている内容はテレビとかで受け入れられるようなものとは思えないんだけどなあ。

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著者プロフィール

宮台真司:1959年宮城県生まれ。社会学者、映画評論家。東京都立大学教授。1993年からブルセラ、援助交際、オウム真理教などを論じる。著書に『まちづくりの哲学』(共著、2016年、ミネルヴァ書房)、『制服少女たちの選択』(1994年、講談社)、『終わりなき日常を生きろ』(1996年、筑摩書房)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(2014年、幻冬舎)など。インターネット放送局ビデオニュース・ドットコムでは、神保哲生とともに「マル激トーク・オン・ディマンド」のホストを務めている。

「2024年 『ルポ 日本異界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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