- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046013781
作品紹介・あらすじ
序章 経済× 宗教を理解しよう!
第1章【古代】 神は人間によって創られる
第2章【中世】 宗教は経済から生まれ、経済を生む
第3章【近世】 宗教が経済的欲求を増長させ、統制する
第4章【近代】 経済・科学・宗教の済分立が時代を改革する
第5章【現代】 グローバル時代の宗教と経済
一般に、経済と宗教は互いに関係のないものと思われていますが、実は相互に強い結び付きがあります。日本人にとって、縁遠い世界の宗教を経済との関連で説明した画期的な企画。これまで、明らかにされて来なかった経済と宗教の歴史的な関連を気鋭の予備校講師が解説。
感想・レビュー・書評
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他教への利息を認め金貸しで儲けて差別を受けるユダヤ教。教えに縛られて発展できないイスラム教。商人からの支持によりお布施も経済悪化でほぼ信者皆無インド仏教。プロテスタントは金を貯め利益を追求することは神が望んでいるを信じ資本主義に。無宗教日本、赤い帝国チャイナは何を信じて成長を目指すのか。
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宗教には精神的、経済には物質的、のイメージがあり、それぞれの観点から解説した本はほとんど無いと言うが、世界史を勉強した人ならむしろ切り離せない、同時に語られるものだと思う。そういう意味では多分似た本はいっぱいあると思う。ただし意識して宗教と経済の交わるポイントを見ていくと、歴史の転換期である事がわかり面白い。要点を摘みながらすぐに読み切れるので宗教と経済をかるく勉強した人の復習用にいいと思いました。良くも悪くも学校の先生の書いた教科書ベースの本。テストに出ます。
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分かりやすく、面白かった。
「教義や信仰の争いを原因とする宗教戦争は本質的に歴史には存在しない」とあるように、そういう視点で世界史の出来事を見ていくと、今までより理解しやすいと思った。 -
予備校講師の宇山卓栄により宗教史。
宗教の信条が問題で戦争が起こったわけはなく、信仰者の経済面が常に問題で戦争が起こったというのは目から鱗だった。 -
面白い。
宗教的観点から経済を読み解くからこそわかる物事が個人的にだいぶささった -
『要は宗教はカネなどの富の分配に関わる処世術のようなものです。』と本書に書いている通り、宗教理念よりも実際的な経済利害に着目し、様々な宗教についての歴史を振り返るのが特徴的な本です。
例えば宗教改革や、シュマルカルデン戦争は、信仰の理念を元に推進されたというだけではなく、実際にはその裏に、ダンピング競争(安売り競争)といった諸侯と教会との間のドロドロ領土争奪戦があり、領土・財産を奪い利権を守ろうという不純な動機があったことを述べています。
日本人は宗教に関心が持てないという人が多い印象です。(私自身そうなのですが…)本書はそんな人にも分かりやすいよう簡潔にまとめた図解も用いつつ、人間の心理と経済を結びつけて解説しており、宗教に対する理解を深める入門書としては最適だと思います。
逆に宗教理念などに関しては、旧来的な通俗的な理解であると断定している節もあるのが少しだけ気になります。 -
- 塾の先生が書いた本だけあって、めちゃめちゃわかりやすい。ある程度伝わりやすさを重視して簡略化してる部分はあるだろうけど、初心者が楽しむには十分すぎる。
- 片手に地図と国ごとの時系列史実を描きながらやると、より面白い。
- 宗教観は経済や文化に影響してる、ということの理解度が上がった。イスラムのカースト制の束縛感、カトリックの保守厳格さ、とかなるほど、、 -
世界史と繋がる宗教史。
神様は調整機能として、支配のために使われたところ、多め。 -
経済は人の善意が前提として成立している。
その前提条件を満たすために宗教というものがある。
どっちが先ということもなく、経済と宗教は切っても切れない縁があると感じた。 -
ざっくりと書かれていて宗教家でもない一般人にとってわかりやすい。
今も昔も宗教問題は世界にとって欠かせないものであり、現在の紛争問題などを理解しようとすると宗教史が欠かせない。しかし、宗教問題からの切り口で書かれた本は数少ない。