- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046014146
作品紹介・あらすじ
日本独自の文字〈ひらがな〉によって、日本語はその表現の幅を大きく広げた。なぜ漢字だけではいけなかったのか? 万葉仮名から〈ひらがな〉の誕生まで、壮大な日本語の謎解きを楽しむ一冊。
感想・レビュー・書評
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一回スルーしたけど、再度目に入ったので購入。
参考文献は、有名な人が揃っていて、そういう所も含めて読み易い本だと思う。
かな=仮名って、パッと結び付きにくいほど、日本語になくてはならない文字である。
ひらがなで書くこと、漢字で書くことの硬軟の違いが、女手と男手の性別的な違いにも結びついているのか、というのはちょっと盲点でした。
単に中国のもの、政治的手段としての真名しか考えていなかったなぁ。
でも、ひらがなの持つ柔らかさが、日本や日本人にしっくりときたんだろうということ。
今尚、1000年以上の時を隔てても、使われ続けているんだから、ひらがなを作り上げ、広めていった人々の功績というのは偉大すぎる。
発音が変わり、モノもコトも移り変わっても、変わらない言葉と文字がある。
「天皇が実権を失うことによって「仮名」が日本の文化のなかに現れてくるというのは、ひじょうに興味深いことであると思うのである。」
これは、どうなんだろう?
やや、情緒的な指摘かな、とも思うのだけど。
仮名という簡便さ、便利さは、書くことにおいてものすごく重要だったのではないかな、と思う。
そうでなければ、狭い社会であっても一気に普及することはなかったのではないか。
けれど、真名の価値、そこから生まれたカタカナの持つ公的な意味。
三つの文字を、便利さだけでなく、イメージによって使い分ける日本人は、そういう意味では豊かなセンスを持っているように思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひらがなの誕生を、藤原氏の政治的な動きの中で歴史とともにまとめてくれたのが良い。ただし、古今集と新撰万葉集、東風吹かばの歌の解釈は、わたしと違う。著者は、ひらがなを、日本人の心を表すものとして捉えているため、そのような展開になるのだろう。しかし、あくまでも道真は漢詩の人とわたしは捉えたい。