女性に伝えたい 未来が変わる働き方 新しい生き方のヒントが見つかる、二極化時代の新提言

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046016218

作品紹介・あらすじ

働きにくさ、生きづらさを変えるためのヒント。

男女雇用機会均等法の施行から30年が経ち、女性たちの労働環境はどう変わったか。多様化する時代の中で、自分らしく働くためにはどうすればよいか。豊富な事例から、新しい時代の「働き方」「生き方」を探る。

<目次>
第1章 仕事と子育て両立編
◆残業できる人、できない人
◆家事・育児を手放せない人、任せられる人

第2章 ライフコース編
◆専業主婦か、キャリア女性か
◆扶養枠を超える人、超えない人
◆子どものいる人、いない人

第3章 働く女性の30年 A面・正社員
◆総合職か、一般職か
◆男女雇用機会均等法の産みの親、赤松良子さんに聞く

第4章 働く女性の30年 B面・非正規女子
◆非正規で働く女性
◆シングルマザー

第5章 キャリア編
◆管理職になりたい人、なりたくない人
◆女性起業家

第6章 これからの働き方、生き方を探る
◆二極化の時代に、どう働くか
CHOICE 1 ◆年収300万円、世帯年収600万円の幸せ
CHOICE 2 ◆地方でスローライフ、スローキャリア
CHOICE 3 ◆専門性を生かして週4日働く
CHOICE 4 ◆変わる会社員1 多様な働き方を選択する自由と責任
CHOICE 5 ◆変わる会社員2 副業やプロボノで、会社の垣根を超えて働く
CHOICE 6 ◆変わる会社員3 「シェア」が広げる可能性

感想・レビュー・書評

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  • ジャーナリストの野村さんの著作で、女性の人生について色んなライフコース(専業主婦・キャリア、子どもいる・いない)、就業形態(正規・非正規)を網羅して論じる良書。女性起業家からシングルマザーまで本当に網羅性が高い!と目を見張ったけど、唯一「管理職になった女性」が取り上げられなかった、と後書きにあり。

    個人的に、昨年は女性として今後どう人生を生きたいか分からなくなり、随分いろんな本を読んだけど、その複数の本のエッセンスがぎゅっと詰まって、かつ日本のローカルな文脈に沿うように編集された総集編のような本。読書効率のよい本でした。

    辛かったのは、女性の貧困リスクの高さ。世帯類型別貧困率を見ると、貧困率が高い順に、

    1 母子家庭 56.6%
    2 高齢女性単身 44.6%
    3 一人暮らし非正規女性単身 33.3%

    次にやっと男性世帯が出てきて、高齢男性単身と父子家庭が共に30%弱。シングルマザーの章にいたってはつい泣いてしまいました。

    良かったのは、男女雇用機会均等法を中心に日本の就労環境の歴史を追えたこと。職場は多様な世代の方々が交わる場所なので、そんな仲間の負っている背景の理解が深まったことは良かったです。

    ざっとまとめるならば、

    50代より上の世代;男女雇用機会均等法制定前、つまり職場における男女差別が当たり前だった時代に就職した世代。

    40代前半より下の世代;雇均法の改正により、採用における男女差別も撤廃された頃就職した世代。ロールモデルの不在等により管理職になるのを躊躇しているボリュームゾーン、就職氷河期を経験した世代とも重なる。

    30代前半より下の世代;雇均法制定後に生まれた世代。

    注意点は、タイトルに「未来が変わる働き方」「新提言」とあるけど、女性の貧困に対する解決策はあまり載っていないこと。最後に載っている提言はどちらかというと選択肢を持っている女性向け+そもそもの割いているページ数の比率からも、提言書としてというより、ファクトを確認するための本だと思って読んだ方が期待値に沿うかもしれません。

    女性の貧困についてはどうしたらいいのか。解決策はぱっとは浮かばないものの、少なくとも「女性は結婚すればいいから勉強しなくてもいい」は大嘘だなと思って、女性の教育と自立支援は大事と心から思いました。

  • 女性の働き方がどのように変遷してきたのかの歴史を"A面""B面"それぞれの視点で書かれていたのが、そもそものところで興味深かった。
    自分のために読む本、というよりは、女性全体をエンパワーするにはどうするか、といった本かなと感じた。

  • 均等法から30年の節目に書かれた本。少し前に読んだ、同じ著者の本よりも現代に近づいたので親近感を持って読めたのと、均等法が成立した当時の話が面白かった。

    二冊を続けて読んで思ったのだが、結局、女性が働き続けるためには、女性自身の意識改革や職場の制度は不可欠なのだが、やはり男性側の意識と働き方の変革がなければ無理ということ。家事に育児に仕事にという女性に、マミートラックから抜け出せと言ったって大抵は無理だろう。

    夫婦ともにバリバリ働きたい場合の提案として、家事の外注が勧められていたが…ミールキットの広告等でも感じるのだが、こうした外注サービスの対象者や依頼者は常に女性である点に違和感。食材の切り方を家事代行者に指示?食材に拘りたいから買い物は自分で?たしかに残念ながら現行の男性一般に任せたら大変なことになるので、そうならざるをえないが、私は代行してくれるとはいえ第三者とのやり取りに疲れるタイプなので、読んでいるだけで別の疲れを疑似体験するようだった。

    読者が女性であることを想定しているので仕方ないが、女性の中の非婚者/既婚者、子供有無の違いを語るより、まずマジョリティ(数ではなく権力や立場で)である男性に変化を求めたい。非正規の問題だって、男性非正規労働者の問題が浮き彫りになったからこそ注目を浴びたと本書にもある。いつまであぐらをかいているんだか。と言いつつ、現行の男性には全く期待していないし、いつも男性に変化を「お願い」するばかりでいることに疲れている女性は多いと思うが、もはや自分の世代での変革は期待しない。自分の子供世代がよりよく生きていることを願うばかり。だが、均等法当時の経団連会長の発言(「差別があって何が悪い」「男女差別のおかげで利益が生まれる」って、びっくりしすぎてメモしてしまった)に代弁される時代よりはマシになったのかと受け止めておくのが、生き方として前向きでいいか。

  • 遅ればせながら、読み終えました。

    取材の裏付けがあるので、興味深く読むことができました。

    タイトルやページをめくった感じからすると、バリキャリ思考の方が手に取るかもしれませんね。けれど、むしろ、ゆるく働きたい人、働かざるを得ない環境の人、男性、就職活動中の学生、部下を持つ職場のリーダーや経営者など、いろいろな方に読んで頂きたいと思います。

    自分のライフコース以外の立場の人の実情は、なかなかわからないものです。それでも職場にはさまざまな背景を持つ人が集まってきます。地域コミュニティや保護者会などの活動も、さまざまな生活環境の人が交わっています。

    「お互いさま」の気持ちで社会生活を送るためにも、多くの方に読んで頂きたいと思いました。

    私は、職業柄、シングルマザーを取材した事例の章が印象的でした。生きていくにはお金が必要です。軽い気持ちで離婚せず、まずはリアルな実態を知り、その上で熟考することをお勧めします。

  • 元日経ウーマン編集長が書いた女性の働き方に関するいろいろな視点からの味方。子供のいるなし、離婚、所得、正規非正規、年代、専業・キャリア、といった点から。男女雇用均等方から30年、大いに変わってきたが、その中で男社会とのギャップに苦しんだ人が多く、それは徐々にしか解消できていない。また非正規の拡大が別の形でギャップを年代間も含め拡大させている。。
    今も扶養制度がもたらす壁(その壁を崩すことには少なくとも短期的なギャップが大いに生じる)。男女問わずの働き方、制度や関わる行政との担当者とのコミュニケーションが大事であること、すべての問題は意中やに解決できる問題ではないということが改めてわかる、バランスのとれた内容。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/688358

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/688358

  • ビジネス

  • 東2法経図・6F開架:KW/2016//K

  • 2017/11/23-12/12読了

  • ◆情報リテラシー
    ◆段取り力
    ◆気配り

    ◆創造性
    ◆協働性
    ◆柔軟性

  • 事例とい今までの経緯の説明はよくよくできている。ただ、新提言があるかというと、どうなんだろう。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1962年生まれ。84年お茶の水女子大学文教育学部卒業。日経ホーム出版社(現日経BP)発行の『日経WOMAN』編集長、日本初の女性リーダー向け雑誌『日経EW』編集長、日本経済新聞社・編集委員、淑徳大学教授などを経て、2020年4月東京家政学院大学特別招聘教授。財務省・財政制度等審議会など政府自治体の各種委員も務める。著書に『異なる人と「対話」する 本気のダイバーシティ経営』(日本経済新聞出版)、『女性リーダーが生まれるとき』(光文社新書)など。

「2023年 『市川房枝、そこから続く「長い列」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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