池上彰×津田大介 テレビ・新聞・ネットを読む技術 (中経の文庫)
- KADOKAWA (2016年12月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046018397
作品紹介・あらすじ
マスメディアでのニュース解説でおなじみの池上彰氏と、ウェブメディア界の寵児とうたわれる津田大介氏が、
日本の「テレビ・新聞・ネット」について、徹底解説。
世にあふれる数多の情報を読み取る目を養い、事実を正しく知るために必読の一冊。
ネットがよくわからない世代も、もはや新聞なんて読まない世代も読んでおくべき「情報メディアのトリセツ」。
※本文庫は、単行本『メディアの仕組み』(夜間飛行)を改題し、再編集のうえ文庫化したものです。
感想・レビュー・書評
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表紙から想像したより使える情報が多かった!とにかく読みやすく1時間あればサクッと読める!
印象に残ったところ
・3.11でテレビ局は何を報道していいかわからなかった。原発事故が起こると想定して専門家を要請していなかったから。単に、わからなかった。
→(私見)何が起こるかわからないので日頃からリスクを想定して考える力。自分の考えでは到底及ばないので、映画や小説を見てありうるな、と想像を膨らませるのがよいのでは
・日本で何かを伝える時には『けしからん罪』に気をつける必要がある。池上さん曰く「日本で、情報を伝え、共感を伝えようとするならば、空気を読んだ上で言い方に気をつけて情報を伝える必要がある。何かを発信したい人は、そのことを織り込んで発信しないと大きなしっぺ返しを食らうよ」
→(私見)SNSで個人が声をあげられるようになってからはさらにそう。この特性を逆に利用した炎上商法をあえて使ってる人もいるよね。あえて。
・池上さんのインプット用の雑誌・新書について。昔は岩波、中央公論、講談社が新書御三家と言われていた。雑誌はニューズウィーク日本版、文藝春秋、新潮45、創。週刊誌は選択、FACTAは必読。日経ビジネス、TIMEは定期購読してる。
→(私見)選択、FACTAに姿勢がわかる。笑 たしかに面白いよね…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しくない。技術といえるほどでもない。
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◆きっかけ
ブクログ。nagisa-libraryさんの本棚より。む図なし。購入候補。2018/4/5 -
オールドメディア代表池上さんとニューメディア代表津田さんの対談。
池上さんの対談、今までも読んだけど、
23歳も若い相手は初めて。
この本の出るちょっと前、2012年選挙特番の視聴率は池上さんのひとり勝ちっただそうです。
なぜ池上さんがテレビ東京を選んだかというと、一番早く声がかかったから。
その二年前の選挙特番で、石原慎太郎さんが池上さんの質問に対して怒る場面があったそうです。
2回目のインタビューにおける石原さんの
「先ほどはあなただとは気づかずに、失礼な態度をとってしまって…」に対して
「石原さんは、相手によって態度を変えるようです」と池上さん。
この二つのエピソードで、池上さんのこと、すごく好きになりました。
ぶれないですね。
池上さんにとって、やるべきことは
「私はこう思う」と伝えることではなくて、
いろいろな意見を整理したり、問題点をみんなに分かってもらって、
その上で「自分はこう思う」と判断してもらえるようお手伝いすることだそうです。
津田さんはネットの池上さんを目指している(?)
そしてまた田原総一朗さんのようでもありたい。
また、津田さんは池上さんにTwitterを勧めています。
イマイチ気が進まない池上さん。
毎朝10の新聞を見て、ところどころきちんと読んだり、破って積んだり。
わからないことがあったらリアル書店で、まとめ買い。
本屋には頻繁に通っているようです。
読書は、ときには机にむかって一生懸命読むこともあるけど、
電車、新幹線、飛行機の中など、移動中が多い。
そんな池上さんにTwitterの利点を熱く語る津田さんですが、
やはりこれは23歳差というジェネレーションギャップを感じましたね。
たとえば津田さんより23歳若い平成生まれを考えると、
彼らは子供のころから当たり前のようにネットがある。
ネットに犯罪まがいの画像を得意げに公開したり
スマホで裸の写真を送ったり
ネットで出会った人に幼いわが子を預けたり
一度も会ったことのない相手に大金を送ったり…
驚くことばかり。
23歳差は本当に大きい。
だからこそ、この対談は面白かったのでしょう。 -
読み物としては面白かったが、タイトルのようなノウハウとしてはどこにでも書いてあるような内容のものばかりであった。
ネット代表として津田大介がメディア代表の池上彰と対談するという形式だが、お互いが認め合っているのでそれぞれのメリット・デメリットを同調している感じであった。 -
NHKのディレクターの改革裏事情からこの本の虜です
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あの池上彰が、テレビは全然見ない。
自分が出演したテレビですら見ないとはっきり言っていた。
テレビから2時間で受ける情報はたいへん少ない。
その上テレビは2時間ずっとその前に座っていなければならない。
それならば2時間本を読んだ方がよほどの情報量が手に入る と 断言している。
津田大介に至っては、情報の3割がネット、三割は活字、4割はいろんな人に出会ってその人から貴重な情報を仕入れるといっていた。
やはり実際に人に会って人から聞く情報というものは、
大変貴重だということだ。そしてそれに池上彰も強く同調していた。
TBSは、テレビ事業は、赤字。不動産業の赤坂サカスは 好調。読売新聞も 新聞事業が 不振だから、新社屋をたて不動産業で 稼ごうとしている。
でも、「新聞社の土地は、政府からの払い下げが多いから、公平ではない。」「そもそも 公共の電波を使って得た金で不動産収入を得るのはどうなのか。」「そうしたビジネスモデルでは新規参入ができない。」
という意見も はっきり 記している。
そうなんだ。そんな中で 今 報道してるんだ。
また リーマンショック後 優秀なテレビ制作会社の人々は
民放から NHKに行ってしまったとのこと。
そんな 環境で 同じような 情報の垂れ流しが おこるのか。
ただ1度ネットに載せたものは永久に残ると思われていたが、実はどんどん上書きされて埋没し消えてていくことがわかった。
今までGoogleの検索エンジンとしての機能が素晴らしく5割ぐらいの有効率があったが、
Twitterなどのsnsも検索エンジンに乗せるようになってからは2割ぐらいの有効性しかない。
確かに自分で調べようとしても、Twitterばかりが上位に上がってきて正確な情報が、わからなかったという現実がある。
かくなるうえは自分で自分が知りたいことは、やはり本を読んで調べて、自分なりにファイルしていくという必要性を痛切に感じた。
社会部と政治部は仲が悪いというのは事実だ。
社会部出身の池上彰は語る。
何万人もの人に自分の名前を書かして出てくる政治家というのはたいした魅力がある。
その魅力にのまれないようにしなくてはとも言っていた。
何より政治部の記者というのは政局ばかり書かず、政策を書いて欲しいとも言っていた。
一般の国民はTPPが何かもわからない。原子力の安全性についても可能性についてもわからない。北朝鮮の潜在的脅威についても、ヨーロッパ諸国の難民問題についても、・・・
それを噛み砕いて、専門家にも聞いて勉強してそれが、政策についての報道となってくる。
ただ何でも簡単ではないのだ。
イエスかノー白か黒かではっきり分かれる問題ばかりではない。
世の中というのはたいそう複雑にできている。
複雑なものは複雑だとはっきりそのことを伝えて欲しいとも言っていた。
本来は複雑であるばかりのものそのものをシンプルに白か黒かつけようとすることに感情論が走り間違いが起こる
池上彰は真実という言葉が嫌いとも言っていた
自分は真実でなく 事実を伝えたいと言っていた
真実という言葉には、感情的な、「私こそ正しい」と言えるような何か熱いものが伝わってきて、予断を許さないイエスノーを求めるようなところがある。
事実というのは、もっと客観的でおおらかなものの見方ができるような気がする。
これから価値観が多様化し、ますます複雑化している世の中で
多様性を受け入れていくのは 真実でなく事実を受け入れていくというスタンスなんだなと 実感した。 -
対談本。ネットとの付き合い方や現状理解の一助とすべく購入。
そんなにボリュームはないので、現状を一通り説明できるようになっておきたい方におすすめ。