まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史

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  • 角川学芸出版 (2010年7月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046214461

まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史の感想・レビュー・書評

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  • みなもと太郎って、ほんとすごい。詳しすぎる。

    剣豪のなかで宮本武蔵に人気が集まるのは、武蔵が「お家再興」とか「仇討ち」とかでなく、「自分がどう生きるかが目的だった」からっていう指摘が印象的だった。でも武蔵の一生ってほとんどわかっていないんだから、その、「自分がどう生きるかが目的だった」という武蔵イメージの形成こそが、研究課題なんだろうなと思う。

  • この本は何十年後とかにマンガ史の重要な証言になるだろうなあ。

  • まさに目からウロコ。
    手塚治・24年組・トキワ荘だけでは
    漫画の歴史を語ったことにはならないというのがよく分かる。
    ↑の3つも、この本で出てくるさまざまな漫画家や漫画も
    私はほとんど読んでないと思うが、
    劇画の存在が背景にあればこそ、今の流れがあるんだと分かる。
    さいとう・たかをに関しては「ゴルゴ13」しか思い浮かばないが、
    知らなかった話がいろいろ出てきて面白かった。
    「いいムード」は説明されなきゃわかんない!
    内面の表現を模索すると少女マンガに行くしかなくなるとか。

    ペンタッチに関する二人の認識の違いはとても面白かった。
    「今の漫画家は絵描き」というのは、私が漫画描いてた時から思ってた。
    絵なんて描いてれば誰でも上手くなる。
    でもネームのセンスは別物でそっちが作れる方がずっと凄い、
    と私は思ってるけど今はそうでもないのか。
    一部のしっかりした骨太な作品を除けば、
    きっと山ほどの「絵が上手いだけで中身の薄い漫画」が溢れてるんだろうな。
    カードゲームのカッコイイ1枚絵が描ければオッケーなんて、
    コミケのシロートじゃあるまいし。
    「今の漫画家はネームよりもコマの作画に時間を割き、
    コマの連なりとして考えるのではなく、1コマの中での整合性にこだわる」
    「16枚分の原作と思って漫画家に渡したら70ページで切ってきた」とか、
    もう最近ぜんぜん漫画読んでないから驚いてしまう。
    絵に関するコダワリだけが細分化して、
    読ませる技術が言及されなくなってるのか。
    イヤだなと思ったのは「リアル」の捉え方。
    現実にある銘柄のビールの缶を、アルミの質感までトーンを使って描く、
    というのが今の「リアル」だなんて、随分セセコマシイことで。
    考証の必要なSFを書く作家がいなくなり、
    雰囲気的な共通認識と資料がたくさんあるファンタジーがはやる、というのもなんだかなあ。
    結局読む側にも、想像力がなくなって、
    全てを破綻なく説明されていなければ読めなくなっているんだろう。
    みなもと氏が言うように、四角い紙に1000と書いて千円で通じさせるのが、
    漫画のリアルでいいはずなのにね。
    ネットで山盛りの情報が探せて、「正確」=「正解」を追求しても、窮屈になるばかりだ。

    著者の二人と編集者、場を提供したまんが図書館の館長の4つの世代が関わることで
    まんがを語る時に、当時の雰囲気や状況、最初に何を読んだか、
    同じ雑誌の中に何が一緒に掲載されていたか、
    などなど全てを考え合わせないと、実情は見えてこない、というのが分かる。
    まんがを読むという個人的な体験だけでつじつまを合わせると
    見失うものがたくさんあるんだと思った。
    同じ漫画を読んでいても、
    発表された当時に読んでいるか、後からさかのぼって読んでいるか、
    順番が違うだけで作家や作品に対する自分の中の評価も当然変わる。
    それを踏まえて語らないと、
    不当に低い評価を受ける作家がたくさんいるんだと改めて思う。
    みなもと氏のイラダチがよく分かり、
    繊細な感覚のズレを、資料で裏付けながらちゃんと検証していくことの重要性を感じた。
    今や雑誌も作家も作品も発表の場も、比べ物にならないくらい増えた。
    見えないものが多すぎて今の状況を俯瞰するのは難しい。
    でもほんの少し前までの当たり前の漫画の状況を、きちんと捉えなおすことはとても大事。
    大塚英志がそういうことに気がついて、これからの活動や著作にいい影響を与えるだろうな。
    なんだか楽しみだ。

  • 元々アシスタントと師匠の関係だった二人の対談。手塚治虫の影響以前の戦前の漫画を語っていたり、手塚治虫と反するものであった劇画に多くページを割いている(さいとうたかをはBLの起源説は必読)。これはもう一つの「まんが道」である。そして、漫画がいかにして個を獲得していったか、二十四年組以前の少女漫画家の功績を残しているのも貴重。

  • 「Comic新現実」に連載されていたみなもと 太郎と大塚 英志の対談です。
    これ、好きだったのですが、まとめて読むと、また楽しいです。

    うーん、もっと、みなもと太郎のウンチク話を読みたいものです。

    なにか、新しい表現が出てきて、それが広がるときに必要なのは、真似ができるかもしれないという下手さだという考察は、納得です。
    こういう論理的な考察ができる人って、なかなかいないですよねぇ。

    いや、実はそれが正しいかどうかではなくて、そういう言葉に感心したいだけというところもあるんですけどね。
    でも、ウンチクを聞く楽しみって、そういうものです。

  • 資料ID:W0158088
    請求記号:726.1||Mi 38
    配架場所:本館1F電動書架C

  • 実に勉強になった!
    ナウシカに感じていたことを書かれていて納得。
    コマとコマの間に動きがないんですね。
    さいとうたかをBL説が興味深かった。

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まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史の作品紹介

日本のまんが史から消えた傑作たちを掘り起こす!『ホモホモ7』のみなもと太郎に大塚英志がとことん聞くまんが史の裏側。ギャグまんが、貸本まんが、紙芝居まで遡り、日本のまんがを新たな視点で語り尽くす。貴重な図版多数収載。

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