いみちぇん!(5) ウソ? ホント? まぼろしの札 (角川つばさ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046315670

作品紹介・あらすじ

わたし、モモ。今日から家族旅行なんだ。旅先で出会ったのは…実家に帰ったはずの矢神くん! まさかここ、ミコトバの里!? 矢神五兄弟にも会えて、楽しくすごしてたのに、マガツ鬼の集団が現れて大混乱。お役目のこと、ママたちにバレるわけにはいかないよ! なのに矢神くんから、里のとんでもないひみつを告げられるし、あの人の過去も知っちゃうし…わたし、一体、なにを信じたらいいの? 急展開の第5巻!

感想・レビュー・書評

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  • 家族旅行で、モモちゃんが来たのはなんと、三重のミコトバの里!ミコトバの里は矢神くんの実家だから…!なんとそこには矢神くん!モモちゃんと同じで、私もびっくりしました。一番自分が恥ずかしかったのは、モモちゃんが矢神家に「ふつつか者ですが、末永くよろしくお願いします。」と言った所です。どうしてかというと、モモちゃんがいった言葉は、結婚するときに、言う言葉だからです。

  • モモちゃんが家族旅行でミコトバの里へ!!匠くんの兄弟が尊かったです。ハジメさんと類くんも尊かったです。千方パイセンのポニテ姿めちゃくちゃ良ッ!それは置いといて、千方パイセンが元ミコトバヅカイなのには驚いた。まがつ鬼から足を洗ってモモちゃんたちと共闘してくれたら嬉しいです。

  • このシリーズの挿絵はかなり好みなんやけど(画風が)、表紙の矢神くんはナイわ~(笑)!!
    なにこのヤンチャボーイみたいな立ち方! しかも黄色のトレーナーて! シューティングスターて!!
    矢神くん、そんなはっちゃけた子ちゃうやろ。

    案外中学生らしさを醸し出してくれた、そんな表紙でございました。

    (でも好き) どーん


    さて、今回は矢神くんの実家へ(モモ一家が)行き、矢神ファミリーとの顔合わせという


    結納か!!


    ちゅうような展開やったけれども、相変わらず面白かった。

    そこに類くんまで登場して、類くんの性別を(矢神くん限定で)誤解するというネタ、いつまで引っ張ってくれんのかしら。
    いやもう大好物やけど。

    モモちゃんも相変わらずふにゃふにゃやけど、そこが可愛いんだよねー!
    最近はわりとスパッとしてる主人公ちゃんが多い気がするので、こんなふうに優しさと優柔不断が紙一重の女の子もいいなあ、と、思います。

    がんばれ、モモちゃん!


    そしてニブチンなのも、ほどほどにネ★ ←いやここも大変おいしくいただいておりますが

    ニブチンでも5メートルの木登りができるって、めっちゃすごいけどね!?
    5メートルやで!? 2階か3階ぶんの高さがあるよね? 無理無理無理無理!!


    今回登場した史さんという矢神家の長女は、すでにモモちゃんと面識があるらしい。
    それもこれも、角川つばさ文庫の人気タイトルだけを集めた短編集があって、そちらで登場したみたいね。

    短編集・・・。読まなあかんな・・・。笑


    このシリーズはほんまに面白いと思う。
    くどいようやけど、小学生向けでこういう本があるっていいなあ、と、現役小学生がうらやましくなるぐらい(笑)。

    もちろん、筆と墨で鬼と戦うっていうトンデモ設定に、主人公ちゃんとヒーロー(?)のちょいらぶもあって、そこに主従関係も絡めるとかBL以外のほとんどのおいしい要素を放り込んできてくれる王道やと思うんやけれども(笑)、今回明らかになった(と思う)千方先輩の出自が、


    「えーー!?」


    って、なりました。@40才

    いやそれは、予想してなかった。そういうことか。
    しかもここで、モモと千方先輩の妹が出会うとか、これも伏線ってことかな。

    なんでかつての千方先輩がマガツ鬼を飼いならそうと思ったのかのくだりはまったく書かれてないけど、ここだけでもまるまる1冊ぶんのエピソードはありそう。

    今まではわかりやすい「悪役」やった千方先輩にもこれは事情があるでー・・・。
    勧善懲悪でない関係性・・・。もう完全に、大人向けだよね・・・。

    子ども向けなら勧善懲悪でいいと思うので千方先輩のエピソードははしょっていいけれども、ますます著者の別名義の本が読みたくなってきたよう・・・。

    あさば深雪という名義で角川ビーンズ文庫から出されているようです・・・。


    著者はきっと、優しいんやろうなあと思う。
    物事のうらっかわもちゃんと見ようとしていて、そこにある理由をきちんと理解しようとするモモちゃんは、著者そのものなんじゃないかなと(勝手に)想像している。

    そのぶんいろんなことを受け止めねばならず、身動きが取れなくなることもあるようやけど、今回だってそう。
    マガツ鬼の行く末がたとえどうなろうと、「それがお役目だから」と、割り切ることができる矢神くんや類くんに背中を押されて、モモちゃんはなんとか前に進んでいくんやなあと思った。

    割り切ることだって絶対に必要。
    とはいえ、なかなか割り切れない人もいる。それを優しさというのか、ずるさというのかはそれぞれやけど、優しさを持つ人が「ここ」っていうときには割り切る潔さも備えられたら、結構、無敵じゃない?

    「その場を丸くおさめたくてとりあえず謝っちゃう」なんてこと、ある、ある! ほとんどの人がそうな気がする。
    でも「謝れないこと」も、それぞれあるよね。
    ここは絶対に譲れないってところがある。
    そういうときに曲げない姿勢。曲げないかわりに何かを切り捨てないとあかんという強さ。

    モモちゃんがいうように、最初から強い人なんてきっといない。
    たくさん間違えて、震える気持ちを押し殺して進んでいくうちに強くなっていくんやわ。
    わかってるけど、それってきついよね。
    きついけど、そうやってがんばっていく姿は、すごくすてきだとも、思う・・・。

    (本音をいうと、ゆるく生活していきたいんやけど)

    強くなるためには間違ってもいいし、怖がってもいいんだわ。
    大事なのは、「判断する」と、いうことか。何が正しいのか自分で考えて、決めるということが「強さ」につながるのか。

    なるほどね。
    他人に決めてもらえることほど、楽なことはないもんね・・・。


    いつもいつも、モモちゃんは何かの決断に迫られている。
    戸惑いながらひとつずつ目の前のことを決断していく姿は「いいなあ」と、思えるし、その「決断」が、たとえばみんなの前で発表することだったり、矢神くんに挨拶をすることやったり、と、案外ちいさい。

    そのささいな決断が少しずつモモちゃんを強くして、ミコトバヅカイとして大切な決断をたがえないようにしていってくれるのかも。

    モモちゃんにはそんなふうになってほしいな!
    イヤほんま、なんでかモモちゃんは純粋に応援したい。そんな目線で読んでしまうわ。笑



    あと、「幻」と「予」の象形文字が同じというハジメさんのトリビアはめっちゃ面白かった。
    機織りの糸か・・・。
    機織りってかなり尊い仕事に書かれるよね。というか、尊くない仕事はないか。
    そういうことか。

    (2016.12.24)

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著者プロフィール

横浜市在住。第2回角川つばさ文庫小説賞で金賞、第12回角川ビーンズ小説大賞で奨励賞を受賞。

「2017年 『「いみちぇん!」式 小学校で習う漢字1026文字攻略ドリル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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