闇の歴史、後南朝 後醍醐流の抵抗と終焉 (角川選書 284)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047032842

作品紹介・あらすじ

戦国の世へと傾斜する室町時代の歴史の中で、旧南朝勢力は、最後の光芒を放つ。かつて約60年にわたって北朝と対峙し続けた南朝勢力が、両朝合体と同時に消滅するはずはなかった。旧南朝の皇胤たちは、室町幕府の抱える諸矛盾と結びつくかたちで、さまざまな「抵抗」を示す。その最たるものは、内裏を襲撃して三種の神器の一つである神璽を持ち去った「禁闕の変」であった。しかし彼らはやがて抹殺される。史料によってその動静が確認できるのは、合体後約90年間である。近・現代史にも影を落とすその歴史に光を当てる。

感想・レビュー・書評

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  • 確かに生きてる人間がいるわけだから、南北朝の統一したからといって、南朝側の人間が「はい、そうですね」っていっていなくなる訳が無い。

    今まで陽に当たらなかった歴史、というか陽を当てようとしなかった歴史をわかりやすく解説したところが新鮮。

    教科書レベルではなく、こういうニッチな歴史からこそ人間のにおいがする。

  • 副題-後醍醐流の抵抗と終焉-。南北朝合体後の南朝後胤たちの生き方。権力に同化した家・最後まで抵抗した家・反乱者に利用された家など必死に時代を生きた後胤たちを少ない資料を吟味しながら追いかけます。

  • 南北朝合体後の南朝の系統、皇族を合体直後から詳細に記されているので、南朝はどうなったのか?と気になる方にはお薦めです。両統迭立が踏みにじられる中での南朝の皇族の動向は詳しいですが個人的には神璽を南朝方が取り返した禁闕の変から幕府方に奪い返される長禄の変までの吉野の奥に展開した後南朝の勢力の事が知りたかったが、その辺はあまり詳細に触れていなかったので★ひとつ減らさせていただきました。奥吉野での後南朝については絶版かも知れませんが歴史読本2007年7月号の検証後南朝秘録が秀逸です。とにかく一度は後南朝の里に行きたくなる気持ちにさせる書です。

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著者プロフィール

1949年、長崎県生まれ。九州大学大学院博士課程中途退学。福岡大学名誉教授。文学博士(1985年 九州大学)。専門は中世日本の政治と文化。著書に、『太平記の群像』『闇の歴史、後南朝』『室町幕府崩壊』(角川ソフィア文庫)、『足利尊氏』『足利直義』(角川選書)、『南朝全史』(講談社選書メチエ)、『戦争の日本史8 南北朝の動乱』(吉川弘文館)、『後醍醐天皇』(中公新書)、『増補改訂 南北朝期公武関係史の研究』(思文閣出版)など多数。

「2023年 『足利義満』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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