日本霊異記の世界 説話の森を歩く (角川選書 457)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047034570

作品紹介・あらすじ

『日本霊異記』は仏教説話集であるが、大きなエネルギーに満ち、律令制によって社会が変動する時代を人がどのように生きたのか、なまなましい姿を活写してまるで現代社会を映すようにリアリティをもって語りかけてくる。神話的な話もあるが、霊異記以前にはみられない話も多く、昔話につながる源流ともなっている。「トリック・スター」「小さ子」「強力の女」「神婚説話」など多彩な霊異記説話を、現代語訳を駆使して自在に読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 日本霊異記がずっと気になっていた。しをんさんの父上・三浦先生が本書を上梓されていたのを知り購入。仏教思想を基盤とした霊異記説話は、神話とは一線を画した感じで、それを判りやすく解説されている。日本昔話でもおなじみの一寸法師や浦島太郎の元となる説話はホノボノ系ではなく「あざとさ」を感じるような話だったことに興味をそそられた。何らかの証拠の品が遺されているという事実性が、実は事実に基づくものではなく、本当にあったことのように思わせる語りのテクニックであるということに驚かされた。

  • 読了:2010/08/04 図書館

  • [ 内容 ]
    『日本霊異記』は仏教説話集であるが、大きなエネルギーに満ち、律令制によって社会が変動する時代を人がどのように生きたのか、なまなましい姿を活写してまるで現代社会を映すようにリアリティをもって語りかけてくる。
    神話的な話もあるが、霊異記以前にはみられない話も多く、昔話につながる源流ともなっている。
    「トリック・スター」「小さ子」「強力の女」「神婚説話」など多彩な霊異記説話を、現代語訳を駆使して自在に読み解く。

    [ 目次 ]
    第1講 小さ子とトリック・スター
    第2講 一寸法師の源流
    第3講 力持ちの女
    第4講 神婚神話のゆくえ
    第5講 恩返しの発生
    第6講 盗みという罪悪
    第7講 悩ましき邪淫
    第8講 行基の奇行
    第9講 語られる女たち
    第10講 あの世からもどった人、地獄を語る人びと

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著者プロフィール

千葉大学名誉教授。1946 年、三重県生まれ。『古事記』を中心に古代文学・伝承文学に新たな読解の可能性をさぐり続けている。共立女子短期大学・千葉大学・立正大学等の教員を歴任し、2017年3月定年退職。著書に『浦島太郎の文学史』『神話と歴史叙述』『口語訳古事記』(第1回角川財団学芸賞受賞)『古事記を読みなおす』(第1回古代歴史文化みやざき賞受賞)『古代研究』『風土記の世界』『コジオタ(古事記学者)ノート』など多数。研究を兼ねた趣味は祭祀見学や遺跡めぐり。当社より『NHK「100分de名著」ブックス 古事記』を2014年8月に刊行。

「2022年 『こころをよむ 『古事記』神話から読む古代人の心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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