記憶をあやつる (角川選書)

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著者 : 井ノ口馨
  • KADOKAWA/角川学芸出版 (2015年6月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047035607

記憶をあやつる (角川選書)の感想・レビュー・書評

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  • 記憶には、意味記憶やエピソード記憶といった、語ることができる陳述記憶と、手続き記憶や条件反射といった、語ることができない非陳述記憶とがある。また、数分から長くて十数分ほどで消えてしまう短期記憶と、それ以上の比較的最近の記憶や遠い過去の記憶(遠隔記憶)といった長期記憶とがある。
    脳は、情報が入ってきたことで特定の神経細胞が刺激された場合、その神経細胞とシナプスでつながる複数の神経細胞がひとつのグループ、セルアセンブリ(細胞集成体)を作り、活動する。同じ刺激が何度も繰り返しやってくると、これに対応するためにシナプスのつながりが強くなるという変化が起こる。このセルアセンブリがひとつの記憶を保持する、つまり記憶が残るという状態になる。出来上がったセルアセンブリは、シナプスの可塑性という性質により、長期間保存される。その神経細胞への信号が途切れても、同じ信号がやってくると再度同じグループとして活動し、この再活動が記憶を思い出すという現象を引き起こす。
    記憶は、まず短期記憶として海馬に保存される。海馬には、神経幹細胞があり、毎日かなりの頻度で分離し、神経細胞を増やす(神経新生)。この神経新生が海馬の記憶を消していく。消える前に、海馬から大脳皮質に転送された記憶が、長期記憶として保存される。
    ある記憶に関連するセルアセンブリの神経細胞は、他の記憶に関連するセルアセンブリと重複するものがある。これにより、記憶同士が関連づけられ、記憶が連合する。あることを思い出すと、別のことを思い出す連想が起きるのは、このためである。

  • NHK教育テレビでやっていたのでついでに理解を深めるために。
    シナプス可塑性について、記憶の仕組みについてを比較的分かりやすく解説した本。著者自身中学生までの知識で理解できるだけの内容ですって言ってるけど途中の言葉や内容は専門家しかわからないようなものも多少あったので難しかった。
    記憶は睡眠時に定着することと、長期記憶が失われてしまったあとにまた思い出すという現象は現在説明がつかないという点が印象的だった。
    よってテスト前日に徹夜してそのままテストに挑むのはやはり効果がなかったのですね。
    あとは脳外科手術の際、開頭して電気刺激を与えられた患者が、昔経験した記憶を思い出したという事実。結局自分では思い出せないようなことも、外部から電気刺激を与えられると思い出せるというか、思い出てくるような感じになるのでしょうか?

  • 最新の脳科学がわかりやすく説明しています。

    「脳」のしくみは物凄いスピードで解明されつつも、それと同じくらいにわからないことも増えている。

    ブラックボックスである脳の話は本当に面白い。

    タイトルにもあるように記憶をあやつることもすでに実験なかでは実証できている。

    人間の探求心というのは本当にすごいなぁって感心します。

    今後の研究の成果もますます楽しみです。

  • 【選書フェア2015】
    資料ID:98151000
    請求記号:491.371||I
    配置場所:工枚選書フェア

  • 請求記号 491.371/I 56

  • いったん海馬に蓄えられた記憶は大脳皮質に転送されて長記憶に変わるとの事。あと、マウスレベルの実験だが、他のマウスの経験記憶をそのような経験のない別マウスに打つ底とに成功したらしい。これを確実にできれば、PTSDの治療に役立つはずと著者は確信している。ということは悪用も可能なわけで、それはちょっと心配。

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記憶をあやつる (角川選書)の作品紹介

実際には経験していない記憶を作ることに成功──。記憶形成に関与する分子を発見した気鋭の分子脳科学者が、記憶研究の歴史を辿り、その実験の全貌とトラウマを抑制する「記憶の医学」に挑む脳科学の最前線を紹介!

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