企業危機の法則-リスク・ナレッジマネジメントのすすめ (角川oneテーマ21 C 7)
- 角川書店 (2000年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047040090
感想・レビュー・書評
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1危機の早期認識
「危機だ」と気付いた時から、危機の拡大は封じ込められる。また、それまでに被った損害は復旧される。
2組織としての対応優先順位の明示
総花的な対応が一番危険。「何を大切にするか」より「これ以外は捨ててよい」を明示する。もしくは順番付けを明確にする。
3状況対応的な指揮命令系統の理解
危機において指揮命令系統は寸断されることが多い。「だれの言うことを聞けばよいのか」の一元化、指揮権継承序列の明示が必要。特に、平時とは異なる序列に習熟させる必要あり。
4情報収集と開示の原則
一次情報の収集こそパニック予防の手段。そして、得た情報は開示するのが原則。嘘とノーコメントは後々致命傷に繋がる。
5危機状況における特例の共有
危機に際しては「危機特例」が必要な場合もある。企業危機の重大な局面になる可能性があるものについては、おとがめなしの特例が必要なわけだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
危機管理についての本は初めてだけど,一つのとっかかりとしては良い本なのではないかと感じた。
リスク構造化の手順など,メモ。
「もしかするとリスクとチャンスは同じような性格のものなのかもしれない。どちらも「前髪しかない」ので通り過ぎてからつかもうとしてもつかめない。」(7頁)。 -
本としては良く書けていると思います。問題は実務として何をすべきかについて具体化されていないことでしょうか。
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リスクに遭遇したときにどのように対応するべきなのか?
「イメージできないものは、マネージできない」
「リスクを発見するための具体的な手順。業務の裏に隠れている
あやふやなまま進んでいる、組織としての業務フローの分析」
「危機は最初に緩やかに姿を現し、急速に予想をはるかに超える
スピードと規模を持って襲いかかってくる。いかにイメージし、これを
マネージするか、イマジネーションの力が問われる。」
「何を最低限残し、何を捨てるべきかを早期にきめる。」
アポロ13号の例のように、地球からのすばやい指示で
月へ行くミッションを取りやめ、無事に地球へ帰ることを最大の
ミッションとした。普通の人間はしばらく様子を見て両方をミッションとし
決断を先延ばしにしていただろう。