訊問の罠 ――足利事件の真実 (角川oneテーマ21 A 104)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年8月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102088
作品紹介・あらすじ
恐怖の「任意同行」、「虚偽自白」の強要、「無実の叫び」の封殺・無視、「DNA再鑑定」の抹殺-。冤罪被害者と弁護人が明かす、訊問と裁判の恐るべき実態。
感想・レビュー・書評
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任意同行という名で強制し、虚偽自白を強要し、「DNA再鑑定」を抹殺するなど証拠の恣意的な取捨選択の実態を明らかにする。
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「冤罪事件」「DNA鑑定」というとこの事件が有名です。本日(2009年10月9日)当時の検事の訊問を録音したテープが公開されたと、ニュースで報道されていました。その中でも語られていた内容がこの本の中に収められています。
この中では、裁判官、検事、弁護士など関わられた方のお名前がそのまま記載されており、また痛烈に批判されています。菅谷さんの側から見ればどれだけ批判しようとも足りないというところでしょう。
確かに冤罪となった菅谷さんは大変気の毒であり、被害者です。読み進めると怒りや憤りを隠せなくなります。しかし、この本で伝えたかったのは現実に起こった出来事であり、DNA鑑定への理解であり、菅谷さんが自白するに至ってしまった背景ではなかったのでしょうか。
本を読み進めると、いつの間にかこれらに対する責任追及が主となっているので、少し内容がぼやけてしまったように感じたのが残念でした。 -
[ 内容 ]
恐怖の「任意同行」、「虚偽自白」の強要、「無実の叫び」の封殺・無視、「DNA再鑑定」の抹殺―。
冤罪被害者と弁護人が明かす、訊問と裁判の恐るべき実態。
[ 目次 ]
第1章 私はなぜ、虚偽の自白に追い込まれたのか
第2章 「足利事件」とはどのような事件だったのか
第3章 私はやっていない!―獄中から家族に宛てた手紙
第4章 弁護人、検察官、裁判官はなぜ無実を見抜けなかったのか
第5章 DNA再鑑定までの長い道のり
第6章 釈放後の想い―「私の一七年半を返してほしい!」
第7章 裁判所は真実を闇に葬るつもりなのか
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菅家さんは大変だったと思います。佐藤弁護士は,再鑑定を命じた裁判長まで悪く書くのはどうかと思いますが,いずれにせよ,努力が実ったんだなと感じました。