「甘え」と日本人 (角川oneテーマ21 B 129)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102248
感想・レビュー・書評
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「甘え」と聞くと確かに悪いイメージの方が先に来るが、良い意味での「甘え」がもっと許容される社会であってほしい。読書経験によって自分の感情と言葉とのズレが少なくなった、との記述には大いに同意できる。「ムカつく」にも色々な種類があるが、それを言葉で表現して他者に伝えられないなんて想像するだけでストレスが激しい。
今までは論理的に説明されて納得することがほぼ大多数だったが、本書では抽象的なのに腑に落ちる、本質に直接語りかけてくるような感覚を味わった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一番印象に残ったのは、「読み聞かせは子どもにとっていい甘え方であり、気持ちのよいもの」ということ。
読み聞かせに限らず、誰かのために音読することの意味を知り、この本をきっかけに、音読を活用するようになりました。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/55823 -
土居先生の「甘えの構造」は読んだことがなかった。本書の中での齋藤先生の話を読んでいると、もっと早い時期に読んでおくべきだったと後悔してしまう。どうやらこの「甘え」というのは日本独特の文化らしい。最近は上手に甘えられる人が減ってきたのではないかと主張されている。幼いころに、早く自立するようにと、親にうまく甘えさせてもらえなかったのが原因かもしれない。我が家には5年男子、3年女子と2人の子どもがいるが、休みの日にはいっしょに風呂に入って、体を洗ってやったりしている。2年前くらいまでは夜寝る前の読み聞かせもしてきた。齋藤先生の本なんかもたくさん読んで、こういう子育てをしようなんて思って実践してきたわけだけれど、実際にはなかなかうまく行かないのです。これが。ヒトという生き物は単純ではない。さて、本書で齋藤先生が言っているように、遊びで相撲をとっている子どもの姿は全く見かけなくなった。馬乗りはすでに私が子どものころ、危険だからと禁止された遊びであった。高い塀から飛び降りたりするのは今でもしている子どもたちがいる。実際、我が家の長男も最近、高いところから飛び降りて足を痛め、病院で2000円ほど無駄な出費をしてしまった。まあ、それも良い経験なのだろうけれど。本書は2004年に単行本として刊行されたものを、土居先生が昨年亡くなられたこともあり、新書として再刊されました。
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日本論に最近興味があり、気になったので手に取りました。
確かに、最近甘えなくなったねぇ。
甘えるっていうのは本当に高度なテクニックですよ。相手の懐に飛び込む、という感じですか。相手の気分を損なわないことがまず大事。それから、飛び込む側も温かい情緒とか風情があるのが大事ですね。冷たいものを懐に入れたがらないのは人の理ですから。自分の弱みや秘密をあなただけに特別見せるのを許すということも大事になってくる。己を良く見せたがる自意識を適度に低めるのと、その上で相手を尊敬し、信頼するという二つのことが出来てないと難しい。
要は、甘えると言っても、すんごく気を遣うんです。すんごく気を遣った結果、相手に受け入れられるのは、とても嬉しいし人間関係は強固になりますよね。
今、そういうの無い。気を遣うのが面倒だし、もの凄く嫌悪感すら感じているし、気を遣っていても報われないんですよ。気配りし慣れてないのもそうですが、向こうに甘えようにも往々にして受け入れられる懐がない。むしろ、懐に飛び込むのを怖かったり、嫌なことにすら感じる。気色悪い、生温い感じで気持ち悪い、って。むしろ、「いいよいいよ、気を遣わなくても」っていう、懐が深いように見えて非常にドライな人間関係を好みます。何だかアメリカ人みたいですね。甘え上手な日本人はどこに行ったのか? -
『「甘え」の構造』(弘文堂)で知られる精神科医の土居健郎と、身体論や教育論の分野で活躍している齋藤孝の共著です。
齋藤は、土居の論じた「甘え」を、ノンバーバルで身体を通じたコミュニケーションの「技」としてとらえなおすことで、その新しい可能性を切り開こうとしています。土居の本も齋藤の本も、これまで何冊か読んだことはあったのですが、両者の議論がこういうかたちで結びつくということには思い至らず、その点ではおもしろく読めました。 -
甘えの効用を説く土居氏と身体性を重視する斉藤氏の対談など。
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ブックオフで齋藤さん本だったので購入。甘え専門家土居さんと、体・読書専門家齋藤さんの対談系の章もあり。「甘え」という一見半人前を示すネガティブな印象を持った言葉ですが、本にも出ている「甘えが妬みを抑止する」構造を知って色々気が付かされました。平等・無差別・・・こういったものの裏が垣間見れたような気がします。
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期待していたことと、内容が違った。違うタイミングで読むともう少し面白かったのかも。