- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102330
作品紹介・あらすじ
「生産性の上昇で成長維持」という、マクロ論者の掛け声ほど愚かに聞こえるものはない。日本最大の問題は「二千年に一度の人口の波」だ。「景気さえ良くなれば大丈夫」という妄想が日本をダメにした。これが新常識、日本経済の真実。
感想・レビュー・書評
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自分の故郷での講演に参加した妹から薦められて読んだ、2010に書かれた本。もっと早く読みたかった。対策、提言に至るまでの前半は事実・現実をベースに、日本の問題がどこにあるのかを証明したもの。生産年齢人口の長期的な減少による消費・需要の減少が主要因なのに、それを正面から受け止めず、無理したために景気が良いとは実感できない状態。とにかく成長、などという言葉では解決できない問題。メディアからの歪んだ報道にいかに躍らされてきたかよく分かる。
■SY…数字を読まない
■GM…現場を見ない
■KY…空気しか読まない
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日本経済停滞の本質を抉りだしてる!
…とは思うが、経済学の門外漢には、雰囲気しか伝わらない!
も少し、噛み砕いてくれないかな? -
国際競争とは無関係に進む内需の不振、地方も大都市も等しく襲う現役世代の減少と高齢者の激増…。普通の日本人が日本経済に感じている不安の正体を、曖昧な言葉を使わず、簡単な理屈でわかりやすく解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40151299 -
如何に自分の思慮が浅く、日々の様々なことに疑問を持つことなくやり過ごしているか思い知らされた。
景気をよくしよう!と言うのは、健康になろう!と言うようなもので、なぜ不健康なのかが分からないと対処のしようがない、その通りだと思った。
生産年齢人口の減少は日本の雇用や内需を維持させつつ同時に生産性も高めていけるチャンスだと説いていたが、企業が景気対策を政府任せにしない、困窮した高齢者へのセーフティネットワークを万全にすることで高齢者の退職を促し、その分を若い世代に回すなんて実際可能なのだろうか...
「寡欲都市 TOKYO」にあった“美しい縮小”とも重なるのかな? -
著者が様々なデータを用いて自分の正当性を主張しているが、すでに現在においては定かではない。
まず書きぶりが新書なみというか、話しているような表現が続くのとても読みにくい。裁判沙汰になる著者の人柄をよく表しているともいえる。
その道では極端な主張では無いのかもしれないが、あまりにも口が悪い笑ので、信憑性に欠けるように感じる。
内容はタイトル通り。これを色々なデータから説明している。いまの日本経済についての一つの観点として理解できた。面白い。
高齢者たちが資産を簡単に相続していく、資産を消費していくと特になる仕組みがあればいいね。良いお墓があてがわれるとか。誰しも自分の努力が報われたい。高齢富裕層だって高齢貧乏層だってみんな同じ。社会からのいいね!という数字が可視化されるだけでもだいぶ違うのではないかと思う。
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藻谷浩介(1964年~)氏は、東大法学部卒、日本政策投資銀行勤務を経て、日本総合研究所主席研究員を務める、地域エコノミスト。
私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。(本書は2011年の新書大賞第2位。累計販売部数50万部超)
私は、著者の本では、『世界まちかど地政学』(2018年)と『世界まちかど地政学NEXT』(2019年)をこれまでに読んでいるが、本書はもっと早く読んでおくべきであった。
本書は、タイトル通り、バブル崩壊後に定着した日本のデフレ(実際の時期はバブル崩壊より後ずれしており、その背景は本書で語られている)の正体を解き明かし、その処方箋を示したものだが、その分析の手法は、政府やマスコミ(時には学者も)が語る曖昧なイメージや「空気」に捉われずに、徹底してデータと事実に基づいたものであり、分かりやすく、かつ説得力がある。
そして、本書が示すデフレの正体(=日本経済の停滞の原因)とは、「生産年齢人口の減少による内需の縮小」であり、それが、団塊世代の一次退職→彼らの年収の減少→彼らの消費の減退→内需対応産業の一層の供給過剰感→内需対応産業の商品・サービスの値崩れ→内需対応産業の採算悪化→内需対応産業の採用抑制・人件費抑制→内需の一層の減退、というスパイラルで、国内経済の縮小を引き起こしているとする。原因は、巷で言われる、国際競争力の翳りでも、地域間格差でもないのである。
更に、「生産年齢人口の減少による内需の縮小」が原因である以上、解決するための目標は、生産年齢人口が減るペースを少しでも弱める、生産年齢人口に該当する世代の個人所得の総額を維持し増やす、個人消費の総額を維持し増やす、の3つであり、具体的には、①高齢富裕層から若者への所得移転、②女性の就労と経営参加、③労働者ではなく観光客・短期定住客としての外国人の受入れ、を進めることなのである。巷で言われる、生産性を上げろ、経済成長率を上げろ、公共工事を景気対策として増やせ、インフレ誘導をしろ、エコ対応の技術開発でモノづくりのトップランナーとしての立場を守れ、という話ではない(もちろん、やり方次第で役には立つが)のだ。
著者は、本書の内容に対して、(伝統的な経済学の知識を有する人々から)反発を受けることは百も承知しており、想定される反論への反・反論を随所に交えているのだが、私は学生時代に経済学をかじっているとはいえ、反・反論の適否の判断はつかないし、この類の本の常として、著者の主張を鵜呑みにすることには慎重になるべきかも知れない。それでも、私としては、「経済規模に決定的な影響を与える人口が減る社会で、(生産性の向上だけで)経済成長を維持することはできるのか?」という漠然とした疑問は常々感じていた(る)ので、著者の主張は抵抗なく受け入れることができた。
長引く日本経済の低迷の原因と、具体的な処方箋を考えるに当たって、大いに参考になる一冊である。(10年以上前の本だが、現在にもそのまま通用する)
(2022年10月了) -
感想
人口は国の重要な資本。減少することにより生産は低下し、消費も低迷する。実際に動くお金が減るだけでなく、気分の低下も景気低迷につながる。 -
現状や未来を予測する時に、人口を見ることの大切さを教えられた本。
インバウンドの仕事をして選ぶことの背中を押してくれた本。 -
・2010年発行。
・高齢富裕層から若者への所得移転を。
・生産年齢人口減少に伴う内需の縮小という日本の構造的問題。供給過剰。需要不足、消費者不足。
・外国から稼ぐ金利配当が、外国に支払う金利配当を超えた分を所得黒字という。日本は世界中から莫大な金利配当をかせいでいる。 -
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