海戦からみた日露戦争 (角川oneテーマ21 B 140)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102668

作品紹介・あらすじ

「東郷ターン」「丁字戦法」の陰で戦史から消された最高機密とは?写真・海戦図満載。海戦史が明かす「坂の上の雲」激闘の真相。

感想・レビュー・書評

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  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 海軍戦略思想はいかに生まれたか(開戦の決意/対露軍備の足場固め ほか)/第2章 実戦に臨む日本海軍と“丁字戦法”(基本戦策“丁字戦法”の誕生/開戦から旅順口閉塞作戦まで ほか)/第3章 バルチック艦隊の撃滅(“丁字戦法”からの脱却/二日間の日本海海戦)/終章 日本の「完全勝利」とは何だったのか(予想外の奇跡/数ノットが分けた戦局 ほか)

  • 日本海海戦で、東郷、秋山は計画した戦略戦術が役立たず慚愧の念に駆られていた。
    実情が近年まで秘匿され、東郷の神格化を行い、自称無敵海軍としてしまったことが、この後の迷走への入口だったのだと思わせられる。

  •  後に神話化された日本海海戦。その実際の経過はどうだったのか,勝利の背景には何があったか,が分かりやすくまとめられててよかった。

  • 英雄譚では読み解けない日本「完全勝利」の真実。
    東郷ターン、丁字戦法の陰で戦史から消された最高機密
    とは。

    日本海海戦は、天才秋山真之が立案した丁字戦法と、
    聖将東郷平八郎の指揮により完勝したということが、
    一般的には定説とされている。
    著者は、伝説化されてきた戦闘の実相を明らかにする。

    当時、日本海軍の主力艦は、イギリス製であった。当然
    の事のように考えていたが、本書を読むと、イギリス側
    の事情がわかる。艦艇建造においては後発であった、ア
    ームストロング社が本国の戦艦建造入札への参加を可能
    とするための実績を積むために、外国の軍艦発注を受け
    た事。そのため、外国向けに建造された軍艦は、必然的
    に最新鋭艦となったことは興味深い。

    著者によると、日本海海戦は、東郷長官や秋山参謀が、
    わが身を削るようにして立てた計画のすべてが無となっ
    てしまい、白紙の状態で戦った結果の勝利であったとい
    う。軍機保持のため真相が歴史から抹消され、神話が作
    られ、歴史が歪められ事が、後世にあだをなしたという
    ことは皮肉といえる。

  • 日露戦争の日本海海戦で丁字戦法がとられなかったということ。何故かそのことははっきりと示されなかった。
    当日波が高く、当初予定していた戦法がとられず、偶然が日本側の奇跡的な勝利に導いた。東郷や秋山はそのことをよく知っていたから、勝利は神助によるものと考えた。
    作戦の勝利というより、むしろ日本のたゆまぬ訓練の勝利であろう。

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著者プロフィール

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長。日本海軍史研究家。1948年、宮崎県生まれ。多摩美術大学美術学部卒業。1992年、(財)史料調査会の司書として、海軍反省会にも関わり、特に海軍の将校・下士官兵の証言を数多く聞いてきた。92年に理事就任。99年、厚生省(現厚生労働省)所管「昭和館」図書情報部長就任。2005年より現職。19年、『[証言録]海軍反省会』(PHP研究所)全11巻の業績により第67回菊池寛賞を受賞。著書に『戦艦大和復元プロジェクト』(角川新書)、『帝国軍人』(大木毅氏との共著)などがある。

「2022年 『海軍戦争検討会議記録 太平洋戦争開戦の経緯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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