海戦からみた日露戦争 (角川oneテーマ21 B 140)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102668
作品紹介・あらすじ
「東郷ターン」「丁字戦法」の陰で戦史から消された最高機密とは?写真・海戦図満載。海戦史が明かす「坂の上の雲」激闘の真相。
感想・レビュー・書評
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 海軍戦略思想はいかに生まれたか(開戦の決意/対露軍備の足場固め ほか)/第2章 実戦に臨む日本海軍と“丁字戦法”(基本戦策“丁字戦法”の誕生/開戦から旅順口閉塞作戦まで ほか)/第3章 バルチック艦隊の撃滅(“丁字戦法”からの脱却/二日間の日本海海戦)/終章 日本の「完全勝利」とは何だったのか(予想外の奇跡/数ノットが分けた戦局 ほか)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本海海戦で、東郷、秋山は計画した戦略戦術が役立たず慚愧の念に駆られていた。
実情が近年まで秘匿され、東郷の神格化を行い、自称無敵海軍としてしまったことが、この後の迷走への入口だったのだと思わせられる。 -
後に神話化された日本海海戦。その実際の経過はどうだったのか,勝利の背景には何があったか,が分かりやすくまとめられててよかった。
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英雄譚では読み解けない日本「完全勝利」の真実。
東郷ターン、丁字戦法の陰で戦史から消された最高機密
とは。
日本海海戦は、天才秋山真之が立案した丁字戦法と、
聖将東郷平八郎の指揮により完勝したということが、
一般的には定説とされている。
著者は、伝説化されてきた戦闘の実相を明らかにする。
当時、日本海軍の主力艦は、イギリス製であった。当然
の事のように考えていたが、本書を読むと、イギリス側
の事情がわかる。艦艇建造においては後発であった、ア
ームストロング社が本国の戦艦建造入札への参加を可能
とするための実績を積むために、外国の軍艦発注を受け
た事。そのため、外国向けに建造された軍艦は、必然的
に最新鋭艦となったことは興味深い。
著者によると、日本海海戦は、東郷長官や秋山参謀が、
わが身を削るようにして立てた計画のすべてが無となっ
てしまい、白紙の状態で戦った結果の勝利であったとい
う。軍機保持のため真相が歴史から抹消され、神話が作
られ、歴史が歪められ事が、後世にあだをなしたという
ことは皮肉といえる。 -
日露戦争の日本海海戦で丁字戦法がとられなかったということ。何故かそのことははっきりと示されなかった。
当日波が高く、当初予定していた戦法がとられず、偶然が日本側の奇跡的な勝利に導いた。東郷や秋山はそのことをよく知っていたから、勝利は神助によるものと考えた。
作戦の勝利というより、むしろ日本のたゆまぬ訓練の勝利であろう。